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Introducing New Staff 4

磁場を実感し,巡り会いに感謝

陳 麗君(2010年9月外国人研究員着任)

私は社会言語学,機能文法を専門としており,言語の深層構造を追及するよりも,人間社会に生きる言語の姿とそれにまつわるコンテクスト下での機能的な働きのほうが面白く感じている。同じ「漢語圏」でも異なるエスニックや言語共同体社会によって同じ共通語・言語変種・少数言語の様態も異なってくる。言語習得に関連したバイリンガルにおける言語使用に絡む言語事情の研究とは,まさに21世紀におけるグローバリゼーションの浸食とローカルの抵抗を縮小したモデル化を行うことである。私はさらに,異文化間(中国語の学習者と母語話者・国際結婚の間など)におけるコミュニケーション及び言語習得のストラテジーをも視野に入れて研究を進めていきたいと考えている。異地でのフィールドワークは決して楽ではないが,そこでの出会いを大切にしなければならない。同じ地点でのフィールドワークでも人によって収穫が異なり,それによって生じた楽しさと未知の世界への入り口にたどり着いたといったような達成感はさらに不思議な力を齎してくれる。

八年前,博士課程を修了する間際,ちょうど東外大が府中に引っ越してきたところにAA研の短期研究員になる機会に恵まれた。そこで,三尾先生と知り合うことができ,今回は客員として戻ってくることができた。磁場というのを実感しつつ,このような巡りあいに感謝する。もう一度初心に戻り,AA研を再出発の場所として頑張って未来へ歩んでいきたい。


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