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Introducing New Staff 11

レバノン政治の観察を通して,現代中東の国際関係を研究しています

小副川 琢
(2010年11月特任研究員着任)

私は大学入学時,日本の政治・外交に興味を持っていましたが,地元が同じ海外旅行好きの先輩と知り合い,その彼の「中東は面白い」の一言で,2年時に初めてヨルダンとシリアを旅しました。現地での毎日はとても楽しく,また「新鮮」で,中東地域の現代政治について勉強したい,と強く思うようになりました。その後,現代中東のことを知るためにはその歴史,特にオスマン帝国のことを知る必要があると思い,トルコを2度訪問し,同国東部の町カルスでは野犬に咬まれ,狂犬病の危険に晒されもしましたが,この地域のことをもっと知りたいという意欲は衰えませんでした。

ちょうどその頃,AA研から出講されておりました永田先生の授業を他学部履修していたこともあり,同先生に思い切って大学院のことを相談しました。その結果,他大学院の修士課程に行くことになりましたが,最終的には現代中東,特にレバント地域における政治・外交の専門家を擁するスコットランドのセント・アンドリュース大学の博士課程に進み,学位を取得致しました。そして,修士・博士課程時代を通じて,折に触れてアドバイスを頂き,また励まして頂いたのが,永田先生や黒木先生,飯塚先生といったAA研に所属されている(されていた)先生方でした。

学位論文提出後は日本に戻りましたが,その後は黒木先生主査の「東地中海地域における人間移動と『人間の安全保障』」や,「中東都市社会における人間移動と多民族・多宗派の共存」といったプロジェクトに共同研究員として参加させて頂き,同先生や飯塚先生,参加メンバーの方々から様々な学問的な刺激を得てきました。帰国後,情勢分析的な仕事をすることが多く,思うように学問的な時間が取れないことが多い中,共同研究プロジェクトの様々な催しは,まさしく「オアシス」でありました。また,平成21年度にはフェローとして,中東研究日本センターの施設を使わせて頂く機会を頂いたりしましたが,そうこうするうちに同センターの特任研究員の公募がありましたので応募したところ,無事に採用されました。

永田先生と最初に出会ってから16年が経過し,まだ西が原にあったAA研で黒木先生の下,短期共同研究員をさせて頂いてからでも,既に12年が過ぎました。今回,スタッフとして迎えて頂く中で過去を振り返りますと,学生の頃から見守り,自らの学問的な発展を支えて頂いた先生方の多くが,AA研と関わりのある方々であるということに改めて気付かされました。まだまだ未熟ではありますが,研究対象領域であるレバノンのベイルートにて,3年という期間を過ごすことが出来ることになりました機会を頂けたことに感謝しつつ,自らの学問を発展させると共に,中東研究日本センターの発展に多少なりとも寄与出来たらと思っております。どうぞよろしくお願い致します。


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