共同研究プロジェクト
本文へジャンプ
インドネシアの国際政策と言語状況の変化
研究実施期間 : 2006年度〜2007年度

主査  森山 幹弘(南山大学外国語学部)

概要

 スハルト体制の終焉とともに、イデオロギーとしてのインドネシア語国語政策の下にこれまで封じ込められていた民族言語(地方語)が解き放たれ、公共の場においてより自由な言説が生まれてきている。加えて、英語や中国語が都市部を中心にして生活の中にこれまで以上に入り込んできている。これらの現象は、これまでのインドネシア語が担ってきた役割に変化が生じ、インドネシアの言語の様態に変化が生じていることを示唆しているように思われる。
 本プロジェクトでは、まず1945年の独立以降、インドネシア語が各地域社会においてどのように認識され、どのように「発展」してきたのか、インドネシア語が国語として定められ、いかにして国語となっていった(ならなかった)のか、地域社会の言語(地方語)との関係性はどのようなものなのか。これらの問題を、言語学、言語政策、社会学、メディア論、政治学、歴史学、文学、芸術、文化人類学、アイデンティティー、グローバル化などの観点から議論していく。
 また、強権的な政治体制が崩れた頃から多様なメディアを通してグローバル化の影響がインドネシア社会に浸透して(外からの動き)きているが、一方で中央に対する地方の自治権も拡大(内からの動き)してきた。外からと内からの新しい動きが、どのようにインドネシアの言語状況に変化をもたらしたのか、今後もたらしていくと考えられるのかについても議論していきたい。



2006年度

 
研究会

2006年度第1回
日時 : 2006年4月29日(土) 13:00-18:00
場所 : AA研セミナー室(301室)
プログラム :
  森山幹弘(南山大学)
   「インドネシアにおける言語変化と地方文学:スンダ語の状況について」
  塩原朝子(AA研)
   「インドネシアにおける多言語状況-三つの地域(バリ、スンバワ、アロール)の事例から」

---------------------------
プロジェクト・メンバー
[主 査] 森山幹弘
[所 員] 塩原朝子、宮崎恒二
[共同研究員] ウガ・ペルチェカ、鏡味治也、柏村彰夫、白石さや、津田浩司、舟田京子