第6回コロキアム 「グローバリゼーションと人類学の可能性」

近年、さまざまな分野において既存の国境や地域を越える人、モノ、情報、文化等の急速な移動や越境現象が盛んに指摘されています。こうした国境を越えた社会や文化の流動現象とそれにまつわる状況はいわゆる「グローバリゼーション」と名づけられることが多く、このグローバリゼーションをめぐっては肯定派・否定派の対立と論争を含めた多様な言説や概念が飛び交っています。この状況下において、一定のローカルな場(フィールド)におけるフィールドワークをその学問的方法論の核として位置づけてきた(ことの多かった)文化(社会)人類学は、どのようにグローバリゼーションを対象化しうるのでしょうか?グローバリゼーションは人類学とその方法論にとってどのような挑戦や困難、ないし新たな可能性や展望をもたらしうるのでしょうか?また逆に人類学の方法論や視点は、昨今のグローバリゼーションをめぐる状況や言説をどのように把握し、対象化し、あるいは相対化しうるのでしょうか?

今回のフィールドサイエンス・コロキアムにおいてはこのような問題意識を出発点としながら、たがいに異なる地域での調査を実践中の複数の人類学者を招いて、グローバリゼーション状況下における人類学の可能性をめぐって報告と討論を展開する予定です。関心のある方はどなたでもご参加を歓迎します。

プログラム

日時 2009年11月14日(土) 15:00-17:45
場所AA研マルチメディア会議室 (304号室)
15:00-15:20 趣旨説明とイントロダクション : 床呂郁哉(AA研准教授)
15:20-16:20報告
湖中真哉(静岡県立大学准教授)
 「『グローバリゼーション』を人類学的に乗り越えるために」【報告
飯田卓(国立民族学博物館准教授)
 「グローバリゼーション時代における農山漁村の可能性」【報告
高倉浩樹(東北大学准教授)
 「全球化時代に「未開」・「部族」概念を再考する」 【報告
大村敬一(大阪大学准教授)
 「イヌイトにとってのグローバリゼーション:二つのネットワーク・
  システムの相克」 【報告
16:20-16:30休憩
16:40-17:00コメンテーターによるコメント
青木恵理子(龍谷大学教授)/川田牧人(中京大学教授)
17:00-17:45質疑応答
企画アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドサイエンス研究企画センター(FSC)
共催日本学術振興会科学研究費基盤研究(A)18202028「フィールドワークの理論と
手法に関する総合調査:海外学術調査の展開をとおして」
アジア・アフリカ言語文化研究所「AA研フォーラム」

お問い合わせ

fsc_office[at]aa.tufs.ac.jp(FSC事務局)あてにメールにてお問い合わせください。
*[at]を@に変更して送信ください。

※参加自由(登録不要)、参加費無料です。