2018年度第1回「『環境変化とインダス文明』プロジェクトから」

 本年度、第一回のフィールドサイエンス・コロキアムでは、長田俊樹先生を研究代表者として総合地球環境学研究所で実施された「環境変化とインダス文明」プロジェクト(期間2007-2012)の成果について、お話を頂きます。

 このプロジェクトは、古代インダス文明(紀元前2600年~1900年)を事例にとりあげ、洪水や海水準変動などの環境変動が海上交通などの文明の地域ネットワークに与えた影響など、文明が衰退した原因を検証しました。

 日本隊としてインダス文明遺跡の発掘をはじめておこない、気候変動を調べるためにヘリコプターを飛ばしてネパールのララ湖で湖沼コアを採取し、河床の年代測定法によってヴェーダ文献のサラスヴァティー川の流路変更を検証し、その河川環境の変化がインダス文明の盛衰に与えた影響を明らかにするなど、文理融合の学際的プロジェクトとして様々な成果をあげました。総額3億8千万円をかけたプロジェクトで、英語の刊行物をインドから12冊、ハーバード大学から2冊出版しています。

 今回は、このプロジェクトの代表者で、南アジアの言語学を専門とする長田俊樹先生と、自然地理学の立場からプロジェクトに参加した前杢英明先生をお呼びして、学際的な観点から、インダスプロジェクトのねらいとその成果についてお話を頂きます。

プログラム   【報告文

日時2018年9月21日(金)15:00-18:00
場所AA研マルチメディアセミナー室(306)
15:00-15:05趣旨説明
15:05-16:00<報告者1> 長田 俊樹(総合地球環境学研究所)
「地球研インダスプロジェクトを振り返って」
16:05-17:00<報告者2> 前杢 英明(法政大学)
「インダス文明と消えたサラスワティーの謎」
17:10-18:00全体討論
主催アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドサイエンス研究企画センター(FSC)
共催AA研基幹研究「アジア・アフリカにおけるハザードに対処する『在来知』の可能性の探求-人類学におけるミクロ-マクロ系の連関2」

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※参加自由(登録不要)、参加費無料です。