2017年度第2回ワークショップ「フィールドワークをフィールドワークする」

「地球科学者と地球の関係、文化人類学者と文化の関係」

森下 翔(日本学術振興会特別研究員(PD)/大阪大学人間科学研究科)

 数理科学ではデータとモデルを比較してモデルを修正するという実践を行う。ところが、発表者の調査する固体地球科学においてデータは「きたない」ものと呼ばれており、研究対象のふるまいを完全に「表象」するものとは考えられていない。それゆえ地球科学者たちは「データとモデルのどちらをどの程度信頼するのか」という問いに答えるための方法論を開発してきた。「フィールドワークのフィールドワーク」という再帰的な思考を促すテーマのもと、地球科学者と研究対象のこの「非-表象的」な関係を、人類学者と「文化」の関係と重ね合わせて比較することを試みたい。