太田 信宏おおた のぶひろ

- 職位, 学位
- 教授, 博士(文学)
- 研究キーワード
- 南アジア近世史; 王権論; 南インド
- ota-n[at]aa.tufs.ac.jp
近世期の南インドを中心に、政治権力と文化との関わりについて研究をしています
南インドの中でも、ドラヴィダ系のカンナダ語の話者が人口の多数を占めるカルナータカ地方の歴史を題材として、政治権力と文化の関係性について考えています。同時代の刻文史料に主に依拠し、近世期に特徴的な王朝国家体制のあり方を明らかにするとともに、王の権力・権威を表象するものとして、現地語カンナダ語による文学作品、なかでも宮廷文学作品の読解にも取り組んでいます。世界の一体化が進んだ近世期において、政治権力とそれを支える文化が相互に連動しながら、どのように変化したのかを解明することが最終的な課題です。イギリス植民地支配は、南アジアの文化にも多大な影響を及ぼしましたが、植民地支配と文化的変容との関係を近世史研究の視点から捉え直すことにも、関心が広がっています。宗教的、言語的に多様な南アジアの文化を論じることには多くの困難が伴いますが、政治権力との関わりのなかで文化を動態的に捉えることを目指しています。