河合 文かわい あや

- 職位, 学位
- 准教授, 博士(学術)
- 研究キーワード
- 人類学; 東南アジア; オラン・アスリ
- a-kawai[at]aa.tufs.ac.jp
マレーシア半島部に暮らす狩猟採集民の環境との関わりを研究しています
多民族国家といわれるマレーシアですが、半島部の民族のひとつに「オラン・アスリ」があります。これは政府によって定められた民族カテゴリーで、言語や慣習の異なる18のグループが含まれます。私はそのうちのひとつ、狩猟採集を主な生業としてきた「バテッ」という人びとの社会でフィールドワークを行い、人と環境の関係について研究してきました。彼らはマレー語とは異なる言語、バテッ語を話し、日常生活で文字を使うことはありません。雨期は政府が設置した村に留まり、乾期になると筏で川を移動するなどして、森でキャンプ生活を送ります。食料は購入した米のほかに、吹矢で獲るリーフモンキーや川魚などで、生活に必要な飲み水、トイレ、水浴びの全てを川に依存し、川にかんするタブーが多く存在します。こうした人びとの環境認識と実践を明らかにしつつ、多くの社会で主流とされている環境の捉え方についても理解を試みてきました。