Publicationsジョージア語(グルジア語)

研修期間
2023年8月21日(月)~2023年9月8日(金)
午前10時00分 ~ 午後4時30分(土曜日,日曜日は休講)
研修時間
75時間
研修会場
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
講師
主任講師:
児島 康宏(こじま やすひろ)東京外国語大学非常勤講師
ネイティブ講師:
ゴツィリゼ児島 メデア(Gotsiridze-Kojima Medea)
受講料
45,000円(教材費込み)
教材
1.『ジョージア語入門』(児島 康宏 著)
2.『ジョージア語・日本語小辞典』(児島 康宏 著)
文化講演
日時:2023年8月21日(月)
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使),ダヴィト・ゴギナシヴィリ(駐日ジョージア大使館専門分析官)
日時:2023年8月29日(火)
久岡加枝(国立民族学博物館外来研究員)
日時:2023年9月5日(火)
はらだ たけひで(元・岩波ホール勤務 ・ジョージア映画祭主宰)
1.研修の概要
○研修期間:
2023年8月21日(月)~2023年9月8日(金)
午前10時00分 ~ 午後4時30分(土曜日,日曜日は休講 )
○研修時間:
75時間
○研修会場:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(304室)
本研修は2023年8月21日(月)から2023年9月8日(金)までの15日間,1日あたり5時間,合計75時間実施した。
会場は,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(304室)を利用した。
2.講師
○主任講師:
児島 康宏(こじま やすひろ)東京外国語大学非常勤講師
○ネイティブ講師:
ゴツィリゼ児島 メデア(Gotsiridze-Kojima Medea)
文化講演者:
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
ダヴィト・ゴギナシヴィリ(駐日ジョージア大使館専門分析官)
久岡加枝(国立民族学博物館外来研究員)
はらだ たけひで(元・岩波ホール勤務 ・ジョージア映画祭主宰)
3.教材
1.『ジョージア語入門』はジョージア文字の読み書きから始まり,例文を読んだり,簡単なジョージア語作文を行なったりしながら文法を学んでいく教科書である。短期間での集中的な学習において負担とならないように使用する語彙をなるべく少なくしぼった。また,学習した文法事項を実際に会話の中で用いて身につけられるよう,自然な会話の例や会話練習を多く含めた。
2.『ジョージア語・日本語小辞典』は補助的な教材として作成したものであり,見出し語として約7,000語を収録した。巻末には,『ジョージア語入門』で使われている約500語を日本語から調べられるよう日本語・ジョージア語語彙集を付した。
4.受講生詳細
受講者は定員の10名であった。うち他大学学部生4名,本学大学院生1名,大学教員2名。約半数が皆勤で,最後には全員が優秀な成績で修了した。
受講動機はさまざまであったが,約半数がジョージアに関連する調査・研究をすでに行なっていたり,あるいは今後行なうことを考えていた。ジョージアの大学への留学を希望する受講者もいた。数名は研修後にジョージアへ渡航することを計画していた。
5.文化講演
2023年8月21日(月)講演者:ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使),ダヴィト・ゴギナシヴィリ(駐日ジョージア大使館専門分析官)
「なぜ日本でジョージア文化をプロモーションするのか」
両名から,日本での大使および大使館の活動,とくにジョージア文化に対する理解を促進するための活動について説明された。最後には受講者から多くの質問が出て,活発な質疑応答があった。講演はオンラインでも公開され,40名ほどが視聴した。
2023年8月29日(火)講演者:久岡加枝(国立民族学博物館外来研究員)
「ジョージア(グルジア)の音楽文化」
ジョージア各地の民謡や音楽を聴きながら,それぞれの地方の音楽の特色や歴史などが解説された。講師が民族楽器を会場で演奏して見せたり,実際に受講者が歌って多声合唱を試みてみたりして,受講者には面白い体験となったと思われる。
2023年9月5日(火)講演者:はらだ たけひで(元・岩波ホール勤務 ・ジョージア映画祭主宰)
「ジョージアと映画」
日本でのジョージア映画の紹介に長年携わってきた講師に,ジョージア映画について自身の体験やさまざまなエピソードを交えて語ってもらった。講演はオンラインでも公開され,17名ほどが視聴した。
6.授業
基本的に,文法事項や例文の解説を児島が,発音や会話の練習などをゴツィリゼ講師が担当した。
最初の2日間でジョージア文字の発音と書きかたをしっかり練習し,その後はテキスト『ジョージア語入門』に沿って基本的な文法を学んでいった。一つの課ごとに,まず文法事項の解説に続いて例文を読んで訳した後,簡単な文を日本語からジョージア語に訳し,さらに当該の文法事項を用いた会話の練習を行なって,学んだ内容の確認と定着を図った。
最初の授業で受講者全員にジョージア語の名前をつけ,授業中,とくに会話の練習では互いにその名前で呼び合うことにした。ジョージア語でのより自然な会話が可能になったほか,親密な雰囲気の醸成においてもよい効果があったと思われる。
7.研修の成果と課題
テキストとして用いた『ジョージア語入門』は念のため第30課まで用意してあった。全部の内容を消化するために急ぐことも可能であったが,会話の練習にも時間を割きつつ落ち着いて進めていったので,最終日に第25課に到達したところで終えた。当初の予定通りにはいかなかったものの,焦らず着実に進めたおかげで,複雑な動詞の活用をはじめ学んだ内容を全員がかなりの程度に習得し,使いこなせるようになったので,結果的に良かったと考える。
文法事項としては,名詞の数・格変化,さまざまなタイプの動詞の直説法の基本的な変化形(未来形,現在形,未完了過去形,過去形),主語・目的語による活用,数詞,後置詞,動名詞,関係節などについて学び,最後に接続法を紹介したところで授業を終えた。接続法について十分に説明し,さらにさまざまな分詞や完了形,過去完了形に至るまで基本的な文法の全体を今回のペースで扱おうとすると,おそらく5週間ほどかかってしまうと思われるが,今回はそこまでの時間はとれなかった。
8.おわりに
3週間にわたる集中的な研修はなかなか大変であったが,受講者全員が最後まで積極的に学習に臨み,無事に研修を終了することができた。まずは受講者の方々に深い感謝を表したい。また,研修の準備や事務的な手続きにおいて大いにお世話になったAA研の皆様に御礼申し上げる。