Trainingジンポー語

研修期間
2019年8月19日(月)~2019年9月6日(金)
午前10時00分 ~ 午後4時30分(土曜日,日曜日は休講)
研修時間
75時間
研修会場
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
講師
倉部慶太(くらべ けいた)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教
2016年,京都大学にて博士号(文学)取得。
2018年4月,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に着任。
2009年より,チベット・ビルマ系少数言語の調査をミャンマー北部におけるフィールドワークにより行っている。
ネイティブ講師:
Lu Aung(るおん)拓殖大学国際学部国際学科学生
2009年,ミャンマー連邦共和国カチン州ミッチーナー大学卒業。
2014年より来日。2016年より拓殖大学国際学部国際学科に在籍。
日本語,日本文化,日本経済,ミャンマー経済に興味を持っている。
受講料
45,000円(教材費込み)
文化講演
日時:2019年9月4日(水)15:30–16:30
使用言語:日本語
講演者:澤田英夫(AA研所員)
題目「カチンのビルマ系言語ロンウォー語」
日時:2019年9月6日(金)15:30–16:30
使用言語:日本語
講演者:小島敬裕(津田塾大学学芸学部准教授)
題目「北東インドにおけるシンポー族とタイ系民族の仏教実践」
1.研修の概要
○研修期間:
2019年8月19日(月)~2019年9月6日(金)
午前10時00分 ~ 午後4時30分(土曜日,日曜日は休講)
○研修時間:
75時間
○研修会場:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
本研修は2019年8月19日(月)から2019年9月6日(金)までの15日間,1日あたり5時間,合計75時間実施した。
会場は,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア室(304)を利用した。
2.講師
○主任講師:
倉部慶太(くらべ けいた)東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教
○ネイティブ講師:
Lu Aung(るおん)拓殖大学国際学部国際学科学生
文化講演者:
澤田英夫(アジア・アフリカ言語文化研究所教授),小島敬裕(津田塾大学学芸学部准教授)
3.教材
ジンポー語には適当な教材がないため,教材はすべて主任講師が一から作成した。①は音韻論,形態論,統語論および練習問題,②は会話,民話,ことわざ,練習問題からなる。③は頻度,コロケーション,実例に基づく用例辞典である。
4.受講生詳細
受講生12名のうち,7名は大学生・大学院生(うち3名は本学の科目履修生),3名は大学教員,2名は社会人であった。ミャンマーおよびシナ・チベット語族に対する興味から参加した受講生が多く,将来的にフィールド言語学を希望する受講生も多く参加した。学習に対する意欲は非常に高く,毎回20以上の質問があった。出席率も非常に高く,全員が成績優秀で修了した。
5.文化講演
9月4日(水):「カチンのビルマ系言語ロンウォー語」
講演者:澤田英夫(AA研所員)
9月6日(金):「北東インドにおけるシンポー族とタイ系民族の仏教実践」
講演者:小島 敬裕(津田塾大学学芸学部准教授)
それぞれの講師による豊富なフィールドワーク経験に基づく貴重な話を聞くことができ,受講生からも積極的な質問があった。
6.授業
ジンポー語の音声,文法,語彙を集中的に学習することでジンポー語の基礎的な運用能力を習得することを目的とした。そのために,前半は発音,文法,語彙を集中的に学習し,後半は読本を中心に進めた。文法・読本の解説はおもに倉部が担当し,文法・読本の発音,会話,練習問題解答,エリシテーションなどへの解答をルオン講師が担当した。最終的に文法20章(計248頁)のすべて,読本の会話20編・民話2編(計62頁)を終えることができた。
7.研修の成果と課題
終了後には辞書を補助的に用いることによりジンポー語が理解できる,という当初の目標は充分に達成できたと考えられる。予備知識のない段階から開始して最後には例文,会話,民話を独力で読み進めるレベルに到達した。また,簡単な会話や質問などの作文もできるようになった。ジンポー語のような教材の少ない言語は受講生が今後も独習を続ける環境が整っているとはいえないが,フォローアップミーティングや講師との交流を通して,受講生がジンポー語の学習を続けていけるようサポートすることが今後の課題である。
8.おわりに
最後まで熱心に受講してくださった受講生のみなさんに深くお礼申し上げたい。また,豊富なフィールドワークの経験に基づく貴重なお話を聞かせてくださった講演者のおふたりに感謝する。ルオン講師には教材作成の段階から最後までたいへんお世話になった。心よりお礼申し上げたい。最後に,この研修の機会を与えてくださったAA研の皆様に深くお礼申し上げます。