Trainingヨルバ語

研修期間
2018年8月16日(木)~2018年9月13日(木)
午前9時00分 ~ 午後4時10分 ただし, 8月16日(木)午前10時5分~午後3時 5分,9月13日(木)午前10時5分~午後0時10分 (土曜日,日曜日は休講 )
研修時間
120時間
研修会場
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
講師
主任講師:
塩田勝彦(しおた かつひこ)大阪大学他非常勤講師
1992年より98年までオーストリアのウィーン大学アフリカ研究所留学。
アフリカ言語学を学ぶかたわら,96年から98年までウィーン大学でヨルバ語の非常勤講師を勤める。
2000年より大阪外国語大学でハウサ語,ヨルバ語,アフリカ言語学等を教え,2007年から2012年まで大阪大学世界言語研究センターにて特任助教。2012年より現職。
研究分野はアフリカ言語学,ヨルバ語学文学,ハウサ語学文学。
ネイティブ講師:
Olagoke ALAMU(オラゴケ アラム)エキティ州立大学准教授
2008年までナイジェリア・アバのナイジェリア言語研究所にて勤務。
2008年から2012年まで大阪大学世界言語研究センター特任准教授。
2009年には大阪大学の語学研修で75時間のヨルバ語コースを担当する。
2012年より現職。研究分野はヨルバ語学文学
受講料
72,000円(教材費込み)
教材
『ヨルバ語文法』(塩田勝彦)
『ヨルバ語読本』(塩田勝彦,オラゴケ・アラム)
文化講演
日時:2018年8月24日(金)15:00–16:00
講演者:小野田風子(おのだ ふうこ)(大阪大学大学院博士後期課程)
題目「アフリカ諸語文学の深みと広がり」
日時:2018年8月31日(金)15:00–16:00
講演者:緒方しらべ(おがた しらべ)(九州大学PD研究員)
題目「ヨルバランドの地方都市の「アート」」
日時:2018年9月7日(金)14:00–16:00
講演者:中村博一(なかむら ひろかず)(文教大学人間科学部教授)
題目「ヨルバ・ナリウッドにおける呪術性」
1.研修の概要
○研修期間:
2018年8月16日(木)~2018年9月13日(木) 午前9時00分 ~ 午後4時10分 ただし, 8月16日(木)午前10時5分~午後3時 5分,9月13日(木)午前10時5分~午後0時10分 (土曜日,日曜日は休講 )
○研修時間:
120時間
○研修会場:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
本研修は2018年8月16日(水)から2018年9月13日(木)までの21日間,1日あたり6時間,合計120時間実施した。
会場は,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)を利用した。
2.講師
○主任講師:
塩田勝彦(しおた かつひこ)大阪大学他非常勤講師
○ネイティブ講師:
Olagoke ALAMU(オラゴケ アラム)エキティ州立大学准教授
文化講演者:
小野田風子(大阪大学大学院博士後期課程),緒方しらべ(九州大学PD研究員),中村博一(文教大学人間科学部教授)
3.教材
1.は文法説明と練習問題からなり,2.は会話(挨拶から始まり,様々なシチュエーションでの会話まで),現地の小学校の教科書(二年生~三年生),民話(トリックスター民話),小説の部に分かれている。
4.受講生詳細
東京外国語大学学部生2 名(うち1 名は二日で脱落),他大学院生1 名,社会人1 名,およびAA 研所員の聴講生 1 名。出席状況は良好。4 名全員が最後まで残り,所員を除く3 名が修了証書を手にした。受講動機は,学部生は夏休みを充実させたいため,大学院生は文化人類学が専攻で,ナイジェリアをフィールドにしたいため,社会人は語学全般に関心があり,アフリカの言語は初めてだったからとのこと。
5.文化講演
8月24日(金)「アフリカ諸語文学の深みと広がり」
8月31(金)「ヨルバランドの地方都市の「アート」」
9月7日(金)「ヨルバ・ナリウッドにおける呪術性」
6.授業
本講座では,修了後は各々が独習していくことのできる程度の語学力を身につけることを目的とした。前半はそのための文法,発音,語彙を学び,後半は学んだ内容を固定するため読本を中心に進めた。毎日の時間割はおおむね,午前中は塩田による文法の講義と講読,午後はアラム先生による会話や作文の練習を行った。研修前半は文法の授業に多くの時間を割いたが,徐々に講読の時間を増やし,最終週は一日の大部分を講読にあてた。最終的に,文法40 時間,講読36 時間,会話40 時間,文化講演 4 時間となった。
7.研修の成果と課題
修了後には一人で学んでいける程度の語学力,という当初の目標は十分に達成できたと考えられる。予備知識ゼロの状態から初めて,最後には民話を独力で読み進めるところまで進み,簡単な手紙程度の作文もできるようになった。ヨルバ語は声調が複雑で,当初は受講生もかなり苦労したように見えたが,アラム先生の熱心な指導により,最終的には全員,コミ ュニケーション可能な程度の発音も身についた。塩田はウィーン大学,大阪大学等でヨルバ語を教えてきた経験があるが,今回の受講生はそれらを上回る成果を上げたといえるだろう。
課題としては,ヨルバ語は現代的な辞書が入手困難であるなど,独習環境が整っているとは言い難いため,受講生が今後も学習を続けていくことが実質的に難しいことをあげねばならない。しかし,現代はインターネット環境もあり,現地に行かなければ知りえなかった情報にも簡単に触れられることを考えれば,塩田がヨルバ語研修を受講した 1984 年に比べ,独習者の置かれた環境は飛躍的に改善しているとも言える。辞書など教材の充実は,我々研究者に与えられた宿題として,今後も取り組んでいきたい。
8.おわりに
まずは最後まで熱心に受講していただいた受講生の皆さん全員の熱意に感謝したい。文化講演者の皆様には,限られた時間内で,貴重なお話を聞かせて頂いたことにお礼申し上げたい。ネイティブ講師のアラム先生には期間中はもちろん,準備の段階から大変お世話なった。心よりお礼申し上げたい。最後に,AA 研事務の皆様に深く感謝いたします。