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今月の一枚 2024年2月:国境の海で

2024.02.01

こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
(写真の著作権は撮影者にあります。無断・無許可でのご使用は固くお断りします。)

青いポリタンクの浮は,クパン(kupang)という貝(ムール貝の仲間)の養殖筏。浮に吊るされたロープに付着し生育する。
マレー半島とシンガポール島に挟まれた水域や河川を家船で移動していた海の民スラター(Seletar)は,半島南端に設置された村に家をつくり貝を養殖して暮らす。マレーシアとシンガポールが分かれ,この海が国境地帯になって半世紀以上。海上家屋をつくることもある彼らにとって,海は今も身近な日常空間だ。
写真左手はシンガポール,右手はマレーシアの緑。はるか遠く,中国不動産会社が手掛ける都市開発プロジェクト,フォレストシティの白い高層ビルがみえる。

2023年8月
マレーシア スランゴール州スンガイ・テモン
河合 文 撮影