Organization所長あいさつ

所長あいさつ

アジア・アフリカ言語文化研究所のウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。

所長の近藤信彰 (こんどうのぶあき)です。2023年4月1日に就任いたしました。

私はイランの歴史を専門としておりますが,近年はより広いペルシア語文化圏の歴史や文学,さらにはイスラーム圏の前近代の国家体系の研究に取り組んでいます。いくつかのプロジェクトを通じて,さまざまな分野の研究者と共同研究をおこないながら,自らの研究を国際発信しつつ,社会へもわかりやすい形で還元していきたいと考えています。

アジア・アフリカ言語文化研究所は,日本学術会議の勧告を受けて,1964年,人文・社会学系で初めての全国共同利用研究所として創設された研究所です。60年近くにわたり,国内および海外の研究者,とりわけ共同研究員や客員として招へいした外国人研究員の方々とともに,言語学,人類学,歴史学の3分野でアジア・アフリカ研究に取り組んでまいりました。

創設時と比べるとアジア・アフリカに対する理解は大きく進展しましたが,その一方でグローバル化が進行し,アジア・アフリカ地域の言語・文化・歴史もこれまでとは違う規模で変化しつつあります。アジア・アフリカ地域の動向が世界の諸地域にこれまで以上に大きな影響を及ぼすようにもなりました。さらに,社会のデジタル化も進み,人文・社会系の学問にも大きな変革が起ころうとしています。そこで,本研究所では,2022年10月全学組織として,TUFSフィールドサイエンスコモンズを立ち上げ,学内外の研究者と協同しながら,こうした新たな研究の開拓者となることを目指しています。

グローバル化が破壊的な勢いで進行していく中で,我々は,アジア・アフリカに住む人々の多様な言語・文化のあり方に注目し,基礎的な研究を積み重ねていくことはますます重要となっています。本研究所では,所員が国内外の研究者とともに実施する「共同利用・共同研究課題」に一層力を入れていくとともに,さまざまな大型プロジェクトを通じて,社会に対して目に見えるかたちで研究成果を示していきたいと考えております。

本研究所は今後も「アジア・アフリカの言語文化に関する国際的研究拠点」として,国内外の広範な研究者の参加を得て共同研究を展開し,研究者コミュニティ,そしてさらに広く社会へと,世界トップレベルの研究成果を発信していく所存ですので,皆様のご指導,ご支援をお願いいたします。

2025年4月1日
アジア・アフリカ言語文化研究所長 近藤 信彰

沿革

1961(昭和36)

日本学術会議が,アジア・アフリカ諸国についての研究を進めるための共同利用研究所を設立するよう政府に勧告。

1964(昭和39)

アジア・アフリカ言語文化研究所が東京外国語大学に附置。わが国最初の人文科学・社会科学系共同利用研究所。

1967(昭和42)

研究未開発地域への助手等の現地投入を開始。

1974(昭和49)

言語研修を本格的に開始。

1978(昭和53)

メインフレーム・コンピュータを導入。

1983(昭和58)

海外学術調査(当時,国際学術研究)総括班の事務局が置かれる。

1991(平成3)

研究体制の抜本的見直しを行い,従来の小部門制(及び1客員部門)から4大部門制(及び1客員部門)に改編。

1992(平成4)

東京外国語大学大学院地域文化研究科に設置された博士後期課程の教育に所員が参加。

1995(平成7)

文部省から「卓越した研究拠点(COE)」に指定。

1996(平成8)

COEとしての初の国際シンポジウム「東南アジアにおける人の移動と文化の創造」を開催。

1997(平成9)

附属情報資源利用研究センター(IRC)を設置。

2001(平成13)

中核的研究拠点形成プログラム(2002年度に文部科学省科学研究費補助金特別推進研究に移行)「アジア書字コーパスに基づく文字情報学の創成」が発足(~2005年度)。

2002(平成14)

旧西ヶ原キャンパスから現在の府中キャンパスに移転。
文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「資源の配分と共有に関する人類学的統合領域の構築―象徴系と生態系の関連をとおして」が発足(~2006年度)。

2004(平成16)

東京外国語大学,国立大学法人となる。

2005(平成17)

複数の研究ユニットからなるプロジェクト研究部を設置。
フィールドサイエンス研究企画センター(FSC) を設置。
文部科学省特別経費により,中東イスラーム研究教育プロジェクトを開始(~2009年度)。
中東研究日本センター(JaCMES)をレバノン共和国のベイルートに開設。

2006(平成18)

文部科学省「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」により「東南アジアのイスラーム:トランスナショナルな連関と地域固有性の動態」(略称ISEA)」を開始(~2010年度)。

2007(平成19)

コタキナバル・リエゾンオフィスをマレーシア・サバ州に設置。

2008(平成20)

文部科学省特別経費により「急速に失われつつある言語多様性に関する国際研究連携体制の構築」プロジェクトを開始(~2012年度)。

2010(平成22)

文部科学省により共同利用・共同研究拠点(拠点名:アジア・アフリカの言語文化に関する国際的共同研究拠点)に認定。中期的研究戦略の柱として,共同研究軸である基幹研究を制度化。

2013(平成25)

文部科学省特別経費により「言語の動態と多様性に関する国際研究ネットワークの新展開」プロジェクト(LingDy2)を開始(~2015年度)。

2014(平成26)

創立50周年を迎える。

2016(平成28)

5分野の研究ユニットを3分野に改編。
文部科学省特別経費により「アジア・アフリカの現代的諸問題の解決に向けた新たな連携研究体制の構築」プロジェクトを開始(~2021年度)。

2018(平成30)

東京外国語大学大学院の改組において,博士後期課程に,アジア・アフリカフィールド研究プログラムを設ける。

2019(平成31)

新たな共同研究のシーズを見つけるための共同基礎研究を制度化。

2022(令和4)

AA研が主導する全学研究組織として,TUFSフィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)を設立。

歴代所長

近藤 信彰

2023(令和5)~現在

星 泉

2019(平成31/令和元)~2022(令和4)

飯塚 正人

2015(平成27)~2018(平成30)年度

三尾 裕子

2013(平成25)~2014(平成26)年度

栗原 浩英

2009(平成21)~2012(平成24)年度

大塚 和夫

2005(平成17)~2008(平成20)年度

内堀 基光

2005(平成17)年度

宮崎 恒二

2001(平成13)~2004(平成16)年度

石井 溥

1997(平成9)~2000(平成12)年度

池端 雪浦

1995(平成7)~1996(平成8)年度

上岡 弘二

1991(平成3)~1994(平成6)年度

山口 昌男

1989(平成元)~1990(平成2)年度

梅田 博之

1983(昭和58)~1988(昭和63/平成元)年度

北村 甫

1974(昭和49)~1982(昭和57)年度

徳永 康元

1972(昭和47)~1973(昭和48)年度

岡 正雄

1964(昭和39)~1971(昭和46)年度