黒沼 太一くろぬま たいち

- 職位, 学位
- 助教
- 研究キーワード
- 考古学; 南東アラビア; 景観
- taichi.kuronuma[at]aa.tufs.ac.jp
南東アラビアにおける文化と社会の形成や展開を長期的視座から研究しています
中東地域の考古学を専門に、先史時代から近現代に至る文化の長期的な変容や、イスラームを基軸とする社会の成立に至るまでの基盤の形成に関心を持っています。特に南東アラビアのオマーンを対象に、自然環境の変動と遺跡立地の分布の関係性を把握して、砂漠の乾燥気候への人々の適応や、文化の形成・展開・変容のあり方を研究してきました。現在はオマーン北部ハジャル山麓の峡谷地帯をフィールド調査しており、山地と低地をつなぐ移動路としての峡谷の重要性や、土地利用の時期差・景観変化の解明に取り組んでいます。
実際に峡谷を歩き回って遺跡を記録し、地理情報システムを用いてデジタル標高モデルや水系パターンとともに分布を確認すると、峡谷という限られた土地の中で時代ごとに異なる立地傾向や遺される痕跡の違いなどが見えてきます。その違いの要因を総体的・通時的に把握するため、実体あるモノだけでなく実体のないコトにも留意しながら、人文情報学的手法を導入して、文化や社会の成り立ち、景観の復元に取り組んでいます。