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今月の一枚 2020年5月:田舎のバス停にみる多民族性

2020.05.01

こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
(写真の著作権は撮影者にあります。無断・無許可でのご使用は固くお断りします。)

タンザニアの首都ドドマは,現政権下において首都機能の移転が本格化したとはいえ,首座都市ダルエスサラームやケニア国境に近いアルーシャなどの大都市に比ぶべくもない,のどかな地方都市である。その郊外のバススタンドでの一枚がこの写真である。向かって左手の小食堂の看板にははるか遠くウサンバラ山地(直線距離にして300km)に住む民族グウェノの名が,右手の文房具屋にはさらに遠くウガンダ西部(同じく800km)の民族ニョレの名が見える。これらが果たしてそれぞれの民族名に由来するものなのかは定かではないが,以前からそこにあるドドマの「国際性」がささやかながらも誇らしげに感じられる佇まいであった。

2020年2月3日
タンザニア・ドドマ州・チャムイノ
品川 大輔 撮影