今月の一枚 2020年10月:断食するシッダールタ
2020.10.01
こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
(写真の著作権は撮影者にあります。無断・無許可でのご使用は固くお断りします。)

仏伝によれば,出家したガウタマ・シッダールタは6年にわたり激しい苦行を行ったが,これでは悟りは得られないと考えて苦行を放棄した。この像は断食を行っているシッダールタを図像化したもので,クシャーン朝治下のガンダーラ地方で製作されたものと考えられている。あばら骨の上に浮かぶ血管や落ち窪んだ眼窩の表現など,ガンダーラ美術の中でも傑作の一つと名高い。
2020年1月30日
パキスタン・ラホール博物館
小倉 智史 撮影