News

新任スタッフ紹介 Vol.91:高田 友紀

近頃思うこと

高田 友紀
(2026年4月JSPS特別研究員着任)

 知事選の知らせが来た。街中でも看板を見かける。そこで思ったのが、「〇〇県知事選挙」は、一体どこで切るべきなのかということである。まず「/選挙」で切れるのは、多くが賛同するところと思われる。仮に青森県とするが、切れ目としては①「青森/県知事/選挙」、②「青森県/知事/選挙」、③「青森県知事/選挙」の三つが考えられると思う。それぞれ、①は「青森という場所の県知事の選挙」、②は「青森県という場所の知事の選挙」、③は「青森県」と「県知事」の二つの「県」の字を共有していると考え、切り離せない「青森県知事」という一語とみなした「青森県知事の選挙」のように説明できる。個人的には③派であったが、数人に聞いてみたところ、意外にも回答にばらつきがあったため、別解釈も含め皆さんの意見をぜひ聞きたいと思う。

 もう一つ考えていることがある。「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」という歌についてである。この歌は、「ひさかたの/ひかりのどけき/はるのひに/しづこころなく/はなのちるらむ」のように、「しづこころなく」の他は全て「は行」から始まっている。

もちろん、絶句の三句目が韻を踏まないように「しづこころなく」のみずらして詠んだものとも考えられるが、ここだけ「は行」ではないのは非常に不自然に感じた。ここで思いつくのが、「し」と「ひ」の入れ替わりである。「人(しと)」、布団を「敷く(ひく)」のように、「し」と「ひ」が入れ替わるのはよくあることである。となると、もしかしたら「しづこころ」ではなく「ひづこころ」であったのかもしれない。そうであれば、全て「は行」から始まることになり、たいへんに統一感がある。更に言えば、くちびるのなぞなぞのように「は行」は「ぱ行(もしくはふぁ行?)」であったとするならば、「ぴさかたの/ぴかりのどけき/ぱるのぴに/ぴづこころなく/ぱなのちるらむ」であったかもしれない。ちょっと可愛らしく感じられるし、「光」も「ぴかり」の方が光っている感じがあって楽しい。そうなると「し」と「ぴ」の入れ替わりは可能性として少しあやしくなってくるかもしれない。「し」と「ふぃ」であれば問題なさそうなので、「ふぃさかたの/ふぃかりのどけき/ふぁるのふぃに/ふぃづこころなく/ふぁなのちるらむ」ならよいであろうか。以前勤務していた高校でこの話をしたところ、高校生らが「八田くん、ぱったくんじゃん!かわいい」と言っていたので、確かにと思った。時代や地域等、あまり深く考察せずに考えた説ではあるが、もしそうならばちょっと可愛いので、こちらもぜひ皆さんの意見を聞きたいと考えている。