Publicationsスワヒリ語マクンドゥチ方言


研修期間
2025年8月25日(月)~2025年9月12日(金)
午前10時00分~午後4時30分(土曜日、日曜日は休講)
研修時間
75時間
研修会場
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
講師
主任講師:
古本 真(ふるもと まこと)帝京科学大学総合教育センター講師
ネイティブ講師:
Asha Abdulla Maisara(アシャ・アブドラ・マイサラ)元学校教員
受講料
45,000円(教材費込み)
教材
| 1. 『スワヒリ語マクンドゥチ方言教本』(古本 真、Asha Abdulla Maisara 著) |
文化講演
日時:2025年8月29日(金)
木村 映子(大阪国際教育学院非常勤講師)
日時:2025年9月5日(金)
鈴木 英明(国立民族学博物館准教授)
日時:2025年9月12日(金)
髙村 美也子(南山大学人類学研究所プロジェクト研究員)
1.研修の概要
○研修期間:
2025年8月25日(月)~2025年9月12日(金)
午前10時00分~午後4時30分(土曜日、日曜日は休講)
○研修時間:
75時間
○研修会場:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
本研修は2025年8月25日(月)から2025年9月12日(金)までの15日間、1日あたり5時間 合計75時間実施した。
会場は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(304室)を利用した。
2.講師
○主任講師:古本 真(ふるもと まこと)帝京科学大学総合教育センター講師
○講師:Asha Abdulla Maisara(アシャ・アブドラ・マイサラ)元学校教員
○文化講演者:木村 映子(きむら えいこ)大阪国際教育学院非常勤講師、鈴木 英明(すずき ひであき)国立民族学博物館准教授、髙村 美也子(たかむら みやこ)南山大学人類学研究所プロジェクト研究員
3.教材
『スワヒリ語マクンドゥチ方言教本』(古本 真、Asha Abdulla Maisara 著)
マクンドゥチ方言の基本情報、マクンドゥチ方言の文法の概要、マクンドゥチ方言基本会話の3部から成る。言語学者向けの参照文法ではなく、語学教材であることを念頭におき、形態統語特徴を一括して網羅的に提示することより、初学者が段階的にマクンドゥチ方言を習得できるように内容をまとめることに腐心した。また、標準スワヒリ語の知識がなくても、内容を理解できるようにしているというのも本教材の工夫した点である。
4.受講生詳細
単位互換での受講生が2名、一般の受講生が2名であった(計4名)。スワヒリ語の十分な知識を有しており、そこからマクンドゥチ方言に興味をもち受講したもの、過去の言語研修でバントゥ系言語へ興味をもち受講したもの、タンザニアやアフリカへの興味から受講したものなど、受講の動機は多岐に渡った。都合により一部の時間を欠席した受講生もいたが、全員、授業時間の2/3以上という修了要件は満たすことができた。
5.文化講演
文化講演は、3回(8/29、9/5、9/12)開催した。1回目の文化講演では、マクンドゥチ出身の小説家Muhammed Said Abdulla (Bw. MSA) の著作を切り口に、ザンジバルに対する理解を深めた。2回目の文化講演は、東アフリカ沿岸地域の歴史的変遷に関するもの、3回目の文化講演は、タンザニア沿岸部に暮らすボンデイの人々の文化や言語に関するものであった。どの講演も、受講生からの質問が複数あるなど、盛況であった。
6.授業
授業は、挨拶、その日の状況やあった出来事を、ネイティブ講師がマクンドゥチ方言で述べ、日本人講師がその中から重要な文法事項や語彙をピックアップしながらテキストも用いて解説を加えていくという形で進められた。授業では、例文の発音練習や、ネイティブ講師との会話練習、ネイティブ講師の語りの書き起こしも行った。
7.研修の成果と課題
最終週は、日本人講師も受講生に問いかける際は、日本語ではなくマクンドゥチ方言を使うようにしたが、当初スワヒリ語の知識がほとんどなかった学生でも、概ね内容を理解して、適切な応答ができるようになっていた。こうしたことから、基本的な文法事項や語彙を習得して、挨拶などの基本的な会話ができるようになるという、本研修の目標は達成することがきたと言える。
口承の民話など語りのテキストの読解に十分な時間を割くことができなかった点は課題となる。こうした点は、フォローアップミーティングなどの場を活用して補足していきたいと考えている。
8.おわりに
スワヒリ語マクンドゥチ方言の言語研修を企画してくださったこと、またその実現のためのご尽力いただいたことについて、品川大輔先生をはじめとするAA研所員の先生方、永井哲志さまをはじめとする職員の方々に感謝いたします。同時に、テキストの提出など、もろもろの対応が遅くなったことをお詫び申し上げます。