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今月の一枚 2025年10月:ワーディー・アル=クマイラ

2025.10.01

こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
(写真の著作権は撮影者にあります。無断・無許可でのご使用は固くお断りします。)

オマーン内陸部にはこの地域を横断するハジャール山脈に端を発し、ルブ・アル=ハーリー砂漠方面へと流下する涸れ川がいくつも存在し、砂漠の手前であたかも門のような狭い峡谷となって山と砂漠をつなぐ回廊になっている。こうした涸れ川では、豊富な地下水が人びとの生活の糧となるとともに、水はところどころで地表にも表れ、周りの岩ととともに乾いた大地に鮮やかなコントラストを描く。この写真を撮影したダンク県には砂漠と直結する大きな涸れ川の回廊が4つ存在し、その内外には大小のオアシスが形成され、古くから砂漠の民(ベドウィン)と山麓の民(ハダル)の交流の場となってきた。

2025年9月8日
オマーン国ザーヒラ行政区ダンク県クマイラ
黒沼 太一