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文字資料

バガン期の文字資料としては、大きく分けて「刻まれたもの」と「書かれたもの」があります。

「刻まれた文字」の代表は、石碑に刻まれた文字、いわゆる「碑文」です。この他に、などに刻まれた「銘文」があります。煉瓦テラコッタ板、粘土製の奉納板や印章などに彫られた文字もこの類に含めることができるでしょう。

「書かれた文字」とは、寺院の内壁に墨書きされた「墨文」のことです。仏典や仏教に関する内容を記したもの、子供が生まれた時に作るザーター(出生天宮図)、壁画の解説文などがあります。

東南アジアでは書写材料として、ヤシの葉を乾燥させて長方形に切り、高温でいぶして作った貝葉が長く使われていますが、その耐用年数の短さから、バガン期の貝葉はほとんど残っていません。わずかに、バガン博物館碑文展示室に貝葉の断片を見ることができるのみです。