「カンボジアにおけるインド系文字の受容」

国際交流基金アジアセンター アジア理解講座 (2000年度第2期)

『アジアの文字曼陀羅 〜 文字から見える文化圏』

第10回 2000年11月28日
峰岸 真琴
mmine@aa.tufs.ac.jp
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
東南アジアとインドの地図
インドとカンボジアとの関わり

インド文字の特徴

ブラフミー文字の系統と現代のデーヴァナーガリー文字の対比

インド系文字は子音字に母音記号を付加して音節を表す。東南アジアのインド系文字は全て南インド系の文字である。

クメールとタイの関係

  1. 日本と朝鮮半島の関係に似ている。
  2. タイはクメールを通じてインド文明を吸収した。
  3. タイ語の王室への敬語には、多くのクメール語が外来語として入っている。
  4. 最近まで、タイの宗教的な文書はコーム文字(クメール文字のムール体)で書かれてきた。
  5. クメールの方がより直接的なインドの影響を受けている。
  6. 同様に、ビルマは先住のモン(Mon)族を通じてインド文明を吸収した。

カンボジア語の特徴

タイ語の特徴

孤立語、声調言語というタイ語の特徴が、どう文字に表われるか?

カンボジア文字の特徴

子音のグループ、文字の追加、句の分かち書き

カンボジアの碑文

カンボジア文字から何がわかるか

カンボジア語の歴史的変化を推定する。

結び

釈迦の言葉は、インドの古代思想の延長にある。文字観もその延長にある。

シャンカラ 『不二一元論』

原始仏典 スッタニパタ