准教授,博士(人文科学)
東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1
Email: kumakura[at]aa.tufs.ac.jp
個人ウェブサイト: https://researchmap.jp/kumakurawakako/?lang=japanese
研究テーマ:西アジア地域研究・歴史学
歴史上,人はどのように自然環境を利用し,それを管理する体制や,それが組み込まれた支配構造を築いてきたのか?また,人間の諸活動によってどのように自然環境は改変され,その変化に対してどのように人間は対応してきたのか?——私は中世エジプトのナイル川流域を対象としてこの問題に取り組んできました。エジプトのナイル川流域は,砂漠で隔絶され,単一の水源しか持たない単純な地理的空間でありながら,それを利用する人間の技術・社会システムによって,時代・地域により変化を生んできました。私は,そこで発展してきた土地制度や灌漑の維持管理システムといった制度や,そのような制度の上で,ある地域にどのような農業や産業が成立,変化したかという点について環境史と社会経済史的観点から研究し,双方の接続を目指しています。
超域的・マクロな観点から,中東地域における黒死病(ペスト)前後の環境変動と疫病流行についての研究にとり組んでいます。現在,ヨーロッパ地域を対象とした歴史学において,環境史の観点から疫病研究が進み,とりわけ14世紀半ば以降に猛威をふるったペストについては様々な見直しが図られています。これを受け,私は,西アジア地域を対象として,中世の温暖期から小氷河期への移行期にあたる13世紀後半から16世紀半ばまでの疫病流行の状況,疫病流行と気候変動,社会経済の相関関係とパターンを明らかにし,人間がおかれていた環境,およびその変化が人間に与えた影響,そしてそれに対する人間のリアクションを追究したいと考えています。
研究紹介:(画像をクリックすると全体が見られます)
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著書:
熊倉 和歌子著 『中世エジプトの土地制度とナイル灌漑』(2019年2月25日, 東京大学出版会)
書籍情報
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