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チベットの年中行事 |
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このページでは、二人のチベット人の語りをもとに、昔のチベットで行われていた年中行事の世界へとご案内します。語り手の一人はラサの貴族の家に生まれたタリン・リンチェン・ドマさん、もう一方はラサ近郊の農村出身のゲシェ・テンバ・ ゲンツェンさんです。それぞれの方の語りをもとに、ラサの年中行事と農村の年中行事をご紹介していきたいと思います。 <ラサの年中行事>これは『チベット・ラサの年中行事』(星実千代・星泉共編。 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所1995年度言語研修テキスト。絶版)をもとに再構成したものです。このテキストは、1959年以前にチベットのラサで行われていた年中行事について、1910年生まれのタリン・リンチェン・ドマさんが、ラサに暮らしていたころの思い出として星実千代と星泉に語ってくれたものです。チベットの年中行事の多くは、釈尊の生涯の大きな節目を記念して行われるものであり、この中にはラサの生活の様々な面とともに、チベット人の持っている仏教についての一般常識も反映されています。この語りを通じて20世紀前半当時のラサの生活に触れることもできると思います。語り手のリンチェン・ドマさんは、『チベットの娘』(中公文庫 三浦順子訳)という自伝の著者としても有名な方です。1910年にラサの貴族の家(ツァロン家)に生まれ、父や兄、夫は政府の要職をつとめました。またご自身もチベット人女性としては初めてダージリンの英国式学校で学んでいます。そして激動する時代の中、彼女はチベットを離れ、インドに渡りました。すでに90歳を越える今も、インドで元気に暮らしています。 かつてラサで行われていた年中行事を1月から順に並べてみましょう。下記の行事のうち、現在も行われているのは、正月とサカ月、ショトゥン祭、神降祭、ツォンカパ追悼の万灯会くらいでしょうか。他の行事は旧チベット政府時代のもので、現在は知る人も少ないようです。 なお、4月の年中行事のテキスト(日本語とチベット語、注釈)を公開していますので、ご覧になりたい方は、下記の年中行事リストの4月の部分をクリックしてください。他の行事の テキストも順次公開していく予定です。
<農村の年中行事>これは星実千代氏が1982年から1983年にかけて雑誌「月刊 シルクロード通信」(シルクロード文化研究所発行)に寄稿したいくつかの記事をもとに、チベットの農村の年中行事の風景 をご紹介するものです。これらの記事は、星実千代氏がチベット人の僧侶、ゲシェ・テンバ・ゲンツェンさんから聞き書きしたものがもとになっています。 ゲシェ・テンバ・ゲンツェンさんはラサ近郊のキナー村の出身で、デプン寺の僧侶となり、ゲシェというチベット仏教の博士号を修得しました。今はインドで暮らしています。
※これらの記事は現在公開のために準備中です。しばらくお待ち下さい。 |
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