1. 期間と時間 詳細
期間は平成23(西暦2011)年8月15日から同年9月16日までの月曜から金曜,計25日間である。時間は1日につき5時間,計125時間実施した。
2. 講師 詳細
- 主任講師:
- 若狭 基道
- 外国人講師:
- Gebeyehu Ayele Tessema
- 文化講演講師:
- 藤本 武(富山大学,准教授)
- 増田 研(長崎大学,准教授)
- 石川 博樹(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所,助教)
- 柘植 洋一(金沢大学,教授)
- 西 真如(京都大学,特定助教)
3. 教材 詳細
以下のオリジナルテキスト2冊を作成した。テキスト1はアムハラ語の文法の概説と練習問題(活用変化の練習,読解等)が中心である。テキスト2はテキスト1に出て来る単語を収録したものである。
- アムハラ語研修テキスト1,『アムハラ語入門』若狭基道,Gebeyehu Ayele Tessema(著)
- アムハラ語研修テキスト2,『アムハラ語研修テキスト語彙集』若狭基道(編)
4. 受講生 詳細
4人の一般受講生と1人の東京外国語大学履修生,計5名である。
5. 会場 詳細
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所,3階306室を使用した。
6. 授業 詳細
初日にエチオピア文字を解説した後は,テキスト1に従って主任講師が文法を解説,その後は練習問題を受講生に解かせる,という形態で行った。テキストに出て来る活用表や会話文は,外国人講師に随時読んで貰い,正確な発音を確認した。
その他,外国人講師のアムハラ語による質問にアムハラ語で答える形式の会話練習も随時行った。7. 文化講演 詳細
8月19日は藤本武講師が,主としてエチオピア南西部のマロ族に関し農耕や集落放棄の問題等を文化人類学の観点から講じた。
8月26日は増田研講師が,エチオピア南部辺境のバンナ族に関し,儀礼や武器所有,近代化に伴う変化等を文化人類学の観点から講じた。
9月2日は石川博樹講師が,エチオピアの言語地図から読み取れるエチオピアの歴史に関して講じた。
9月9日は柘植洋一講師が,アムハラ語と古典語であるゲエズ語との異同を講じ,併せて古い時代のアムハラ語のテキストを講読した。
9月14日は西真如講師がエチオピアに於けるエイズへの対応という現代的な問題を実際のアムハラ語標語等の読解と併せて講じた。8. 研修の成果 詳細
形態論の複雑なアムハラ語を5週間で一通り学ぶのは予想通り大変なことであったが,どうにか予定された分量をこなせた。ごく簡単なレベルではあっても会話,読解,作文が出来る受講生が現れたのは大きな成果と言わなければなるまい。
また,必要な文法事項を一通り網羅し,現代社会でアムハラ語を使用するにあたって実用的なテキストを日本語で作成出来たこともささやかではあるが本研修の成果である。(若狭基道)
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