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仏教建築

仏教建築の主なものとして、寺院仏塔(パゴダ)が挙げられます。

寺院は、内部に仏像を安置し、礼拝などを行なうための建築物です。多くの場合、上部に蓮のつぼみに似た形の頂部(北インド建築で「シカラ」と呼ばれる)が載っています。ビルマ語では「グー」(パーリ語で「洞窟」を意味する語に由来)あるいは「チャウン」と呼ばれます。

仏塔は、仏の骨・歯・髪などの遺物(舎利)を奉納するための建築物で、通常は内部に入れない構造になっています。スリランカ建築の影響を色濃く受けており、基壇の上に鐘形や円筒形をした覆鉢(ふくはつ)が置かれ、さらにその上に傘蓋(さんがい)を持つという形を取ります。ビルマ語では「ゼーディー」と呼ばれます。仏塔の中で、覆鉢と傘蓋の間に方形の平頭(ひょうず)を持つものは「トゥーパー」と呼ばれます。明らかにサンスクリット語の「ストゥーパ」(塔婆)に由来する名称です。

なお、英語で仏塔を指す「パゴダ」という語の由来には様々な説があります。その一つは、スリランカで話されるシンハラ語から入った「ダゴバ」(仏塔)という語の音の順序が入れ替わってできた、というものです。