東地中海における人間移動と「人間の安全保障」

研究会・ワークショップのお知らせ

2007年度(平成19年度)

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(1/16掲載) "Reconsidering the Lebanese Civil War, 1975-1990"(1/31)のお知らせ

AA研共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」では、科学研究費補助金「新たな東地中海地域像の構築」(研究代表者:黒木英充)と「ユダヤ思想史における民族と国家:バイナショナリズム運動の挫折をめぐって」(研究代表者:早尾貴紀・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)との共催で、"Reconsidering the Lebanese Civil War, 1975-1990"を、下記の要領で開催します。この研究会は公開研究会ですので、ふるってご参加ください。

日時:2008年1月31日(木) 15:00~17:30
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階マルチメディアセミナー室(306号室)
    東京都府中市朝日町3-11-1
    http://www.tufs.ac.jp/info/map-and-contact.html

報告1:Kais Firro
(Professor, Department of Middle Eastern History, University of Haifa, Israel)
"The Socio-Economic Background of the Lebanese Civil War in 1975"
報告2:Aida Kanafani-Zahar
(Visiting Professor, ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies/Chargée de recherche, CNRS, Paris, Groupe Sociétés, Religions, Laïcités)
"The 'House' in the Memory of the Displaced (The Shuf, Lebanon, 1983)"

主催:
AA研共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」(主査:黒木英充)*
科学研究費補助金(基盤・A)「新たな東地中海地域像の構築」(研究代表者:黒木英充)
科学研究費補助金(若手・B)「ユダヤ思想史における民族と国家:バイナショナリズム運動の挫折をめぐって」(研究代表者:早尾貴紀・大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)
*本プロジェクトはAA研「中東イスラーム研究教育プロジェクト」の活動の一環をなしています。
言語:英語、通訳なし
一般公開の研究会です。

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(11/26掲載)
「ムスリムの生活世界とその変容」「東地中海地域における人間の移動と「人間の安全保障」」合同研究会(12/22)のお知らせ

 AA研共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と人間の安全保障」は、同プロジェクト「ムスリムの生活世界とその変容--フィールドの視点から」(主査・大塚和夫)と共催で、下記の研究会を次の要領で開催します。

日時:2007年12月22日(土)15:00~17:30
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所大会議室(303号室)
     東京都府中市朝日町3-11-1
     http://www.tufs.ac.jp/info/map-and-contact.html
報告者:Aida Kanafani-Zahar/アーイダ・カナファーニー=ザハール
(Visiting Professor, ILCAA/ AA研客員教授・CNRS主任研究員)
報告タイトル: A photographic journey of rural Lebanon: The role of photography in anthropological work

概要:
  レバノンは小国ながら、地中海沿岸から一挙に標高3000m以上にも達する西レバノン山脈を擁します。そこに複雑に刻み込まれた峡谷部と、東レバノン山脈との間の細長いベカー高原とを中心に、多数の農村・集落が展開しています。住民の宗派的分布の多様性とともに、標高差・気温差など自然環境の繊細な違いによる多様な農村文化が発達してきたと言えます。
  本研究会では、レバノン内戦中の1980年から87年にかけて、ベカー高原とレバノン山間部の農村で幅広くフィールドワークを行ったカナファーニー教授が、自身の撮影による数多くの写真をお見せしながら、農作物、家畜、食文化など農村の生活文化について論じます。また同時に、人類学的調査研究において写真(カメラ)というツールをどのように使うべきか、写真と調査者・被写体の関係などについても議論します。なお、カナファーニー教授は、これまでベイルート・アメリカン大学やハーバード大学などで写真展を開催してこられ、その画像情報は各大学で資料として収蔵されています。
  会議は英語で行い、通訳はありません。

主催:中東イスラーム研究教育プロジェクト
共催:AA研共同研究プロジェクト
「ムスリムの生活世界とその変容--フィールドの視点から」(主査・大塚和夫)
「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」(主査・黒木英充)

問い合わせ先:
中東イスラーム研究教育プロジェクト事務局
(AA研フィールドサイエンス研究企画センター内)
e-mail:meis[at]aa.tufs.ac.jp [at]=@
phone: 042-330-5618/5665

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(10/16掲載)カナファーニー=ザハール博士による研究会(11/1)のお知らせ

日時:2007年11月1日(木)15:00-17:00
Date: Thursday, November 1, 2007
Time: 15:00-17:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階マルチメディア会議室(304)
    (東京都府中市朝日町3-11-1東京外国語大学)
Place: Meeting Room 304, ILCAA, Tokyo University of Foreign Studies
  http://www.tufs.ac.jp/info/map-and-contact.html(交通案内/Transprtation Guide)
 http://www.tufs.ac.jp/info/campusmap.html(構内案内図/Campus Map)

報告:アーイダ・カナファーニー=ザハール Dr. Aida Kanafani-Zahar
(AA研客員教授/フランス国立科学研究センター主任研究員)
(Visiting Professor, ILCAA/Chargee de recherche, CNRS)
"Family Law in Lebanon: What Perspectives for a Civil Marriage?"
コメント:西井凉子(AA研准教授)
Discussant: Ryoko Nishii (Associate Professor, ILCAA)
*英語、通訳なし

主催:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所AA研フォーラム
中東イスラーム研究教育プロジェクト
AA研共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」

趣旨:
レバノンが18の公認宗派からなる多宗派国家であることは広く知られています。政治的には縦割りの「宗派体制」confessionalism が長く人々のアイデンティティを規定してきましたが、一方で社会の様々な局面で宗教宗派の異なる人々が交じり合い、協同して生活してきました。ただし、婚姻は同一宗派内でなされることが圧倒的に多く、これにより家族・親族の宗教宗派的帰属の安定が維持されてきたということができます。ただし婚姻に当たっては、少数ながらも個人による改宗のみならず、たとえばスンニー派ムスリムとマロン派キリスト教徒の間のように、異なる宗教間の婚姻も観察され、このことをレバノン人は "civil marriage" (アラビア語で zawaj madani)と呼んできました。

この宗教宗派と家族制度の交錯する問題を、レバノンの家族法を手がかりに、人類学者のカナファーニー=ザハール 教授にお話しいただきます。同教授は、レバノンでのフィールドワークに基づき、農村における多宗派共生、内戦の記憶といった問題から食文化・物質文化論に至る幅広いテーマで数多くの著作を発表していらっしゃいます。代表的な著書にLiban: le vivre ensemble. Hsoun, 1994-2000, Paris, Paul Geuthner, 2004. (2005年フランス・レバノン賞受賞)などがあります。コメンテータは、南タイ地域におけるムスリムと仏教徒の通婚に関してフィールド調査・研究を実施してこられた人類学者・西井凉子さんです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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(9/21掲載)Guita Hourani 氏による研究会(10/4, 10/6)のお知らせ

「中東イスラーム研究教育プロジェクト」で来日中のレバノンのノートルダム大学レバノン移民研究センター副センター長のGuita Hourani 氏をお招きして、下記の要領で2回の研究会を開催します。皆様のご参加をよろしくお願いします。

第1回
日時:2007年10月4日(木)15:00~17:00
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
報告:Guita Hourani, “Diaspora Remittances: the Case of Lebanon”
コメンテータ:三尾裕子(AA研教授)
言語:英語、通訳なし

共催:中東イスラーム研究教育プロジェクト
    AA研フォーラム
    共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」

趣旨:
レバノンは「移民国家」です。国内人口推定300-400万に対して、在外レバノン人は推定1200万といわれています。ラテンアメリカ、北米、西欧、西アフリカ、オーストラリアが主な移民先で、日本におけるカルロス・ゴーン(アラビア語ではゴスン)やアメリカ大統領候補として知られる消費者運動家ラルフ・ネーダー(アラビア語名はナーデル)、イラク戦争時の中東軍総司令官アビーゼイドを引き合いに出すまでもなく、各地で経済的・政治的に大きな役割を果たしています。レバノン人自体が世界化しており、これが中東の小国レバノンに特異な政治的重みを与えているということができます。
移民研究においては、移民先の社会や文化への適応、移民のアイデンティティの問題など、これまで興味深い議論が展開されてきました。しかし、移民のネットワークを形成している経済的基盤、送金の問題は、そのデリケートさゆえに本格的な議論の対象にはなってこなかったといえましょう。
本研究会では、レバノン移民を中心にこの問題に焦点を当て、華僑研究を推進していらっしゃる人類学者・三尾裕子氏によるコメントと共に、議論したいと思います。

第2回
日時:2007年10月6日(土)15:00~17:00
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
報告:Guita Hourani, “Insecurity and Migration: The Case of Lebanon following the Summer 2006”
コメンテータ:Prof. Aida Kanafani-Zahar (AA研客員教授;フランス国立科学研究センター主任研究員)
言語:英語、通訳なし

趣旨:レバノンは移出民が国内人口の3倍に上る一方、移入民も家内労働者を中心に、スリランカ、フィリピン、エチオピアなどから10万人以上、隣国シリアからも農業・建設関係労働者を中心に万単位が、さらにパレスチナ難民が40万人も存在します。昨年7月から8月にかけて1ヶ月余り続いたイスラエルによるレバノン攻撃は、レバノン国内の外国人の避難という問題を浮かび上がらせました。そこにはやはり万単位のカナダ、アメリカ、フランスなどのパスポートをもつレバノン人が、夏の休暇に帰省していたという事実も明らかになりました。こうした危機的状況の中で、移民の安全がどのように問題にされたのか、様々な観点から議論します。
コメンテータのアーイダ・カナファーニー=ザハール博士は、レバノンをフィールドとする人類学者で、農村における多宗派共存問題、レバノン内戦の記憶、異宗派間婚姻、食文化など幅広い領域を専門にしておられ、2007年10月から08年2月まで、AA研にて客員教授として研究に従事される予定です。

共催:中東イスラーム研究教育プロジェクト
    共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と「人間の安全保障」」

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(6/15掲載)本年度第1回研究会(7/21)のお知らせ

 AA研共同研究プロジェクト「東地中海地域における人間移動と人間の安全保障」は、本年度第1回目の研究会を次の要領で開催します。

日時:2007年7月21日(土)14:00-17:30
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階大会議室(303)
http://www.aa.tufs.ac.jp/aa03_location_j.html
報告:
(1) 粕谷元(AA研共同研究員、日本大学)
  「アフマド・シャリーフ・アッサヌースィーとトルコ独立戦争」
  第一次世界大戦末期にトルコに渡ったアフマド・シャリーフ・アッサヌースィー(d.1933)の行動を明らかにすることによって、トルコ独立戦争のジハードとしての性格、トルコ独立戦争期の汎イスラーム主義とナショナリズムとの関係、モースル地方の帰属問題、カリフ制をめぐる論議など、様々な論点を抽出し、議論します。

(2) 北澤義之(AA研共同研究員、京都産業大学)
  「パレスチナ問題の現状と人間の安全保障」(仮題)
  イラク戦争後のパレスチナ人をめぐる状況は、東地中海地域全域で危機的局面を示しています。ヨルダン―イラク、シリア―イラク国境におけるイラクからのパレスチナ(再)難民やファタハ・イスラームとレバノン軍の戦場になった北部レバノンの難民キャンプの危機は、特に際立っています。本報告では、NGOの報告書等に依拠しつつ、パレスチナ人の現状を広域的に概観し、人間の安全保障の観点から問題点の整理を図ります。

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