海外学術調査フォーラム

Ⅴ アフリカ

座長市川 光雄(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)
情報提供者重田 眞義(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授)
出席者長谷川 政美(統計数理研究所)、和田 秀樹(静岡大学理学部)、杉村 和彦(福井県立大学経済学部)、深澤 秀夫(東京外語大AA研)、小川 了(東京外語大AA研)、梶 茂樹(東京外語大AA研)、重田 眞義(京都大学AA地域研究科)

【報告】

《ときところ》15:30〜17:30 於:302号室


  1. フィールド・ステーション設置に関する情報提供と意見交換

     情報提供者の重田眞義氏(京都大学AA地域研究科)より、同大学で進められている海外の調査拠点(フィールド・ステーション)形成計画についての紹介があった。京都大学AA地域研究科では、現在、東南アジア研究センターと協力してアジア・アフリカの各地にフィールド・ステーションを設置して、現地調査の円滑化を図るとともに、そこに大学院生・教官を派遣して臨地研究と教育の結合を図るという計画を進めている。フィールド・ステーションの主な機能として、㈰調査基地として、フィールド調査と研究室・実験室機能を統合すること㈪現地セミナー、ワークショップなどの開催を通して、研究成果の還元と調査へのフィードバックをおこなうこと㈫現地研究者・学生等と共同することによって国際交流を推進することなどである。当面は、21世紀COEプログラムの経費を使って、主にフィールド・ステーションを活用した大学院生の臨地教育体制の推進に力を入れているが、将来的には、全学的、全国的な海外調査の拠点として共同利用体制をつくりたいとのことである。


  2. 本年度の海外調査の計画について

     主な問題は、以下の通りである。

    • マラリア予防薬
      最近、メフロキン耐性マラリアが報告されているとの情報が出席者から寄せられ、最新のマラリア予防薬・治療薬に関する情報交換が行われた。また、マラリア治療が可能な医療機関についての情報交換があった。
    • 海外における「謝金」の単価についての要望
      謝金といっても、単純作業に対するものだけではないので、すべて一律に単価を決めるのではなく、複雑な知的作業をともなう調査補助や情報提供には、それらに見合った高額の謝金の支払いが可能になるように事務方の理解を求めたいとの要望があった。
    • 渡航規制に関する文科省の方針
      最近、外務省の渡航情報に関する危険度の表示方法が変わったが、新しい危険度表示に対する文科省の方針が明らかではないので、渡航について判断しかねる場合がある。
    • 危機管理体制の整備
      海外における病気、事故、事件などの不測の事態発生に対処するための対策を、「危機管理マニュアル」等の形で、渡航者本人及び留守をあずかる大学事務局などに周知させておく必要があるとの認識で一致した。