海外学術調査フォーラム

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  • Ⅳ 北ユーラシア・極地(ヨーロッパ諸国を含む)分科会
  • Ⅳ 北ユーラシア・極地(ヨーロッパ諸国を含む)分科会

    座長渡辺 興亜(国立極地研究所)
    岩坂 泰信(名古屋大学環境学研究科)
    情報提供者藤井 理行(国立極地研究所)
    河合 崇欣(名古屋大学環境科学研究科)
    報告者岩坂 泰信(名古屋大学環境学研究科)

    1. 座長は、渡辺興亜(国立極地研究所所長)と岩坂泰信(名古屋大学大学院環境学研究科教授)が務め、情報提供者として河合崇欣(名古屋大学大学院環境学研究科教授)と藤井理行(国立極地研究所教授)を招待した。出席者は、15名で例年と比べずいぶん少なかった。原因は不明である。

    2. 参加者の自己紹介を行い、この会に対して何を期待するかなど述べてもらった。
      • 全般的に見て、現地の情報収集が以前と比べるとずいぶん甘くなっているように感じられた。これは、危ないところに行く調査隊が今回は少なかったのかもしれない。インターネットでの情報収集も多く試みられているようであるが、この種のやり方に対する評価はまだ定着してないだろう(古い情報がそのままのせられている、検索者がインターネット上の情報をすべてと思ってしまう、などいろいろ問題指摘)。

      • 参加者の中で比較的関心が高かった話題は、生物試料の取り扱いにかかわるものであった(最も典型的なものは、試料を日本に持ち込みた いと日本側研究者が考えた時に生じるさまざまな 障害)。この問題は、バイオ関連技術の進歩に伴って生じたものでありこの分科会特有のものではない様に思われる。おおきな枠組みとしては、生物多様性の保護に関する国際的な取り決めがある。しかし、それに対応した各国の法律や日本の国内法(日本の国内法の整備はこれから)などによってさまざまなケースが考えられるようである。 いくつかの事例が紹介された。

      • 年度をまたがる調査旅行の可能性、大学院生の同行(あるいは、派遣)、現地での謝金の支払い、研究協力者に対する研究資金の支援、などこれまでにも必ず話題に挙がっていたものが今年も同様に話題になった。

      • 海外研究協力者の位置付けについて議論があった。かなり、ケースによって違っているようであるが海外学術調査全般にかかわるもので他の地域での調査についても類似の問題が生じている可能性があろう。

    3. 分科会の情報提供者として、河合崇欣先生(名古屋大学大学院環境学研究科教授)と藤井理行先生(国立極地研究所教授)の2人にお願いし、それぞれの立場から最近のロシアおよび北欧(特にノルウェー)の状況について話してもらった。いずれも、大型の機器を現地まで運び込み野外観測をするものであり、機器類の海外持ち出しや持ち帰りに関しては参考になるところが多かったと思われる。
      • 河合崇欣先生(名古屋大学大学院環境学研究科 教授)の報告
        ロシアのバイカル湖をフィールドにした環境調査を通して、ロシアの研究体制、研究風土、現在の研究環境などを話していただいた。参加者の多くの人とは異なって、旧科学技術庁の流れを組んだ研究資金で行われている国際共同研究であるために、規模の大きさは大きすぎて参考にならなか った可能性はあるが、ロシアの現状、研究環境、研究風土などについては大いに得るものがあったと座長からは感じられた。

      • 藤井理行先生(国立極地研究所教授)の報告
        藤井先生からは、ノルウェーのスバルヴァール諸 島での調査観測の経験を通してヨーロッパにもこのようなところがある(日本人が調査に入るに関して、かなり楽な状況が存在する)という視点から現地での活動状況が報告された。会場からは、我々もスバルヴァール諸島にある国立極地研究 所の施設を使って調査をしたいのですがとの声があがっていた。

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