展示品
47 エズレル平原,カルメル山からの眺め
 そこがいけにえを供える場であったことの手掛かりと思われるアル=ムフラカ[「焼かれた場所」の意]という名に導かれて,我々は「列王の書上」18章に記されているあらゆる状況にその現場がどの程度合致しているのかを調べるために赴いた。探査の結果,我々が前述において明らかにした場所とそこが同一であることに疑いの余地はなかった。我々は山頂から下っている峡谷の最頂部(そこからはエズレル平原とその反対側にある山々の素晴らしい眺めを楽しむことができる[図版47])を越えて,茂みの中を通り抜け,わずかな広さしかない岩場の台地に着いたが,そこは常緑葉を持つ古い樫や同じように年を経た他の樹木に覆われ,生い茂った藪の交じったところだった。この台地の中央に,恐らく古代の至聖所と思われる,横長の四角形をした荒削りな造りの建造物の遺跡がある。
エズレル平原は現在イスラエル領内に位置し、豊かな穀倉地帯となっている。降水量の多い平原は、パレスチナ自治区との北端の境界線上に広がる。その南西にはパレスチナ系住民が多く住む「三角地帯」が位置し、和平交渉における土地交換の対象として議論されている。