展示品
21 水源近くのハースバーニー川
 我々は既にヨルダン川上流のこの支流のことは知っており,その川の水源を訪れるのを心待ちにしていた。水源は,ハースバイヤーに上るためにハースバーニー川を渡る地点から北に20分ほどのところで見られる。我々は村を離れ,急流の左岸に沿ってオリーブの木陰の下,心地よい緑の草原を横切って進んでゆく。その小道はひとつのアーチの上に築かれた近代の建築物である石橋を通り,そこからほんの数歩で本来の意味での水源を探し当てた(図版21)。水の冷たさと植生の豊かさは,心に染み入る魅力をこの地に与えている。
ヨルダン川は、見た目はそっけないほど小さな川だが、聖書時代から現代まで宗教的・政治的に大きな意味を持っている。その3つの水源からの支流のうちハースバーニー川が最長で、現在はレバノンとイスラエルにまたがる国際河川となっている。