南アジアの図書館案内


インドの文書館・図書館については、真下裕之氏「インドの図書館案内―イスラーム写本研究のために」『イスラム世界』52(1999):106-114、 二宮文子氏「インド図書館案内」『イスラーム世界研究』Vol.2, no.1(2008):337-346、及び森下信子氏「インド写本図書館案内―ハイダラーバードの小規模図書館を中心に―」『イスラム世界』78(2012):54-68がある。

パキスタンの図書館については、須永恵美子氏「パキスタン書店案内 ―イスラマバード・ラホール編―」『イスラーム世界研究』Vol.3, no.1 (2009): 503-517 がある。 本ページはそれらに拠るところも大きい。

また、サンスクリット写本を主に所有する図書館については、片岡啓氏が優れた案内を作成している。 リンクはこちら 片岡氏の個人サイトの写本調査案内とともに、併せて参照されたい。

 ダラムサラの図書館については小林亮介氏から、ラクナウの図書館については二宮文子氏から情報をいただいた。記して謝意を表する。情報提供者を明記していない図書館については、基本的に全て筆者が実際に訪れて確認した情報を掲載している。  

Aligarh

Maulana Azad Library

住所
Aligarh Muslim University, Aligarh, 202002, Uttar Pradesh
地図
地図へのリンク
URL
http://www.malibrary.com/
開館時間
月曜日−木曜日、土曜日 9:30−17:00 金曜日 8:00−12:00 (写本部昼休み 13:30−14:30)
ラマダーン期間中は8:00−14:30
写本の複写
備考

アラビア語・ペルシア語・テュルク語・ウルドゥー語の12の写本コレクションを持つ。写本総数は真下1999、二宮2008ともに14,000点あまりとしているが、 最近のライブラリアンやスタッフの話ではなぜか2,000点増えて16,000点とされている。写本カタログは全12のコレクションのうち7つをフォローしている。 また最近大学のペルシア語研究所から、新しいカタログが二冊刊行された。

所蔵文献のデジタイゼーションが(極めて遅々と)進められている。 筆者の留学当時(2010年-12年)には写本のコピー、電子複写ともに一切許可されていなかったが、近年再びデジタル化済みの写本に限り複写が許可されるようになった。複写可能な割合や価格については未確認。 刊本なら、状態にもよるが見開き1枚10ルピーでデジタル化してくれる。

Ibn Sina Academy of Medieval Medicine and Sciences

住所
Tijara House, Dodhpur, Aligarh, 202002, Uttar Pradesh
地図
地図へのリンク
URL
http://www.ibnsinaacademy.org/
開館時間
9:00−14:00 17:00−22:00
備考

アリーガル大学でユーナーニー医学の教鞭をとっていたProf. Zillur Rahmanが私財を投げ打って設立したアカデミー。 南アジアを中心に出版された科学、医学文献やウルドゥー詩人ガーリブに関する研究書など約2万冊を所蔵している。Rahman氏自身がテキスト校訂、ウルドゥー語翻訳を行った、ガレノスのアラビア語訳諸文献を購入することもできる。

アカデミーからは季刊のニュースレターが刊行されていて、50人ほどを収容する会議場ではたまにイスラーム医学のワークショップが開かれる。Rahman氏の先祖に賜与されたヒルカや、貨幣のコレクションなどがある博物館も併設されている。


Azamgarh

Darul Musannefin Shibli Academy

住所
Allama Shibli Marg, P.O.Box 19, Azamgarh, 276001, Uttar Pradesh
地図
URL
http://shibliacademy.org/
開館時間
だいたい午前8時頃からマグリブ礼拝まで。途中ズフル礼拝とアスル礼拝の時刻には図書館の機能は停止する。
複写の可否
カタログ
Karim Najafi Barzegar, Fehrest-e Noskh-e Khatti-ye Ketabkhane-ye Darul Mosannefin 'Allama Shibli No'mani A'zam Garh-e Hend, Tehran, Farhangestan-e Zaban-o-Adab, 2013
備考

英領期インドで活動したムスリム知識人シブリー・ヌウマーニー(1857−1914)が設立したスンナ派ハナフィー法学派系のアカデミー。デーオバンドほどではないものの巨大な宗教施設コンプレックスで、併設された図書館にアラビア語、ペルシア語など377点の写本が保管されている。上記の通りイランのファルハンゲスターンがカタログを出版しており、写本コレクションの全容はこれで把握できる。

デーオバンドなどとともにインドを代表するムスリムの学術機関の一つだが、アアザムガルは鉄道の主要幹線から大きく外れた場所にあるので、まずまちに行くのが容易ではない。デリーからKaifiyaat Expressというアアザムガル行きの列車が走っているが(オールドデリー駅19:15発、アアザムガル駅翌9:30着)、半日近い遅延やキャンセルが頻発し安定した調査日程を組めない。 そのほかイラーハーバード(プラヤーグラージ)、ミールザープル・ヴィンディヤーチャル、ヴァーラーナスィー、ラクナウから1時間に1〜2本ほどバスが出ている。

筆者はアリーガルからイラーハーバードまでNandan Kanan Expressで移動して、そこからゴーラクプル行きのバスに乗車したが、17時半に出発したバスは途中ジャウンプルを経由して23時半にアアザムガルに到着した。 アカデミーには訪問研究者向けのゲストハウスが併設されているものの、近年利用者がなく、筆者が午前0時にチェックインした際には部屋に優に100匹を超える蚊が飛んでおり、午前1時半まで蚊と格闘をする羽目になった。 また、ゲストハウス上部の水道管に穴が開いているようで、屋上のタンクを満杯にしてもおよそ5時間半で空になる。筆者の訪問を受けて、アカデミーは近く管の修理を行うということであった。 写本の複写は手書きの申請書を提出すれば、スマートフォンで取り放題。先方からわざわざスマートフォンという指定があったので、コンデジが撮影に使えるかどうかは不明である。


Chennai

Government Oriental Manuscripts Library of Tamil Nadu, Anna Centenary Library

住所
Anna Centenary Library, Kotturpuram,
Chennai, 600025, Tamil Nadu
地図
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URL
http://www.annacentenarylibrary.org/
開館時間
日曜日−木曜日  10:00-17:45
写本の複写
研究者が持参したデジタルカメラで、写本を撮影することが許可されている。
備考

サンスクリット語写本4万9755点、タミル語写本1万6558点を所蔵しているインド最大級の写本図書館。イスラーム系の言語の写本についても、ペルシア語写本が1396点、アラビア語写本が407点、ウルドゥー語写本が184点ある。

同写本図書館は1869年の創設以来1世紀以上にわたってマドラス大学のキャンパス内に附置されてきたが、2017年にチェンナイ市南部のAnna Centenary Library7階に移管された。Anna Centenary LibraryへはMRTS(都市鉄道)のKotturpuram駅で下車し、西に向かって徒歩15分。あるいは市バス12C、21G系統でBirla Planetarium停留所下車すぐ。

写本閲覧室に置かれているカタログはサンスクリット写本以外は不十分で、カードリストを参照する必要がある。閲覧申請する際には、Dで始まるアクセス番号を各言語のパンディット(!)に告げると、10分程度で写本が出てくる。チーフライブラリアンに申請書を一通書くことで、写本の写真撮影が許可される。


Delhi

Dr. Zakir Hussain Library, Jamia Millia Islamia

住所
Jamia Millia Islamia, New Delhi, 110025
地図
地図へのリンク
URL
http://jmi.nic.in/ZHL/ZHlibrary.htm
開館時間
月曜日−木曜日  9:00-17:30(昼休み13:00-14:00)
金曜日  9:00-17:30(昼休み12:00-14:30)
写本の複写
不可(Noor Microfilm Centerを利用するように、とのことであった)。
備考

地下鉄Violet LineのKalkaji Mandir駅で下車し、オートリキシャーに乗り換える。駅から大学まではオートリキシャーでRs50。アラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語合わせて3,000点あまりの写本を所有している。

※追記:2017年12月25日にデリーメトロMagenta Lineが開業し、大学に隣接するJamia Millia Islamia駅から徒歩で行けるようになった。

Indira Gandhi National Centre for the Arts

住所
1, C. V. Mess, Janpath New Delhi, 110001
地図
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URL
http://ignca.nic.in/
開館時間
月曜日−土曜日  10:00-17:00?(筆者未確認)
写本の複写
下記
備考

1987年に設立されたインドの人文科学研究の拠点。カンファレンス、セミナーの企画や、書籍・雑誌の出版など、様々な活動を行なっている。地下鉄Yellow LineのCentral Secretariat駅で下車して、インド門方面に向かって7,8分ほど歩いてゆく。Janpathとの交差点に至ったら、左折して5分ほど。

ここにはNational Mission for Manuscriptsによってインド各地の図書館から収集された写本のデジタルデータが保管されている。研究者はオリジナルの写本が保管されている図書館・研究機関と、ここIGNCA双方の許可を得ることによって、IGNCAのデジタルデータを研究に利用することができる。複写可能なフォリオ数の制限などはない。もっともインドでは現地図書館の写本複写許可を得る手続きを郵便で済ませることは非常に困難なので、どちらにせよ一度は現地を訪れなければならない。

Jawahalral Nehru University Library

住所
Jawahalral Nehru University, New Delhi, 110067
地図
地図へのリンク
URL
http://www.jnu.ac.in/Library/default.htm
開館時間
9:00-20:00  毎日開館
備考
Jawahalral Nehru Universityへはコンノート・プレイス東側のSuper Bazaarか地下鉄Yellow LineのJor Bagh駅前のバス停から615系統のバスに乗っていく。このバスはキャンパス内を走るため、そこで下車して徒歩5分程度。

インドを代表する大学院大学であり、図書館には歴史のみならず社会科学系の研究書が数多く揃っている。現在では入手困難となった文献にアクセスするのに便利である。 OPACで閲覧したい図書を検索してから、ライブラリアンにカードを提出して書架から持ってきてもらう方式のため、ペルシア語等の文献コレクションの全体像は把握できなかった。

National Archives of India

住所
Janpath, New Delhi, 100001
地図
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URL
http://nationalarchives.nic.in/
開館時間
9:00-20:00. 1月26日、8月15日、10月2日、ホーリーに休館
備考
上記のIGNCAの向かい側にある。詳細は真下1999、二宮2008に譲る。

Noor Microfilm Center, Iran Cultural House

住所
18, Tilak Marg New Delhi, 100001
地図
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URL
http://www.noormicrofilmindia.com
開館時間
9:00-16:00
カタログ
一部については、サイトで閲覧可能。
写本の複写
マイクロフィルムになっている写本なら、1フォリオあたりRs10でCDを作成してくれる。
備考
インド各地の図書館に所蔵されているペルシア語写本をマイクロフィルム化して収集しているほか、校訂テキストなどを出版している。 地下鉄Blue LineのPragati Maidan駅からTilak Margを南西に向かって歩いてゆく。二宮2008からの変更点として、Iran Cultural Houseではなくイラン大使館の方がやや北西に移動している。 写本複写について失敗談がよく聞かれるが、筆者の場合なんの問題なくCDを受け取ることができた。スタッフは複写が完了したことを電話で伝えようとするので、インド国内用の携帯電話の番号を教えておくとよい。なお、写本によってはマイクロフィルムの劣化が激しく、デジタルデータを得てもおよそ利用に耐えないものもあるので注意が必要である。

Delhi University Library

住所
University of Delhi, Delhi 110007
地図
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URL
http://crl.du.ac.in/
開館時間
7:00-24:00
備考
地下鉄Yellow LineのVishwavidyalaya駅で下車して、北側出口から左手に伸びる道を進む。しばらくするとArts Collegeの門があるのでそこからキャンパスに入る。 この図書館はデリー大学の学生でなくとも、メンバーになることで書籍の貸し出しやコピーが可能となる。メンバーになるためには、所属機関から発行された証明書と身分証明書の類を持って専用カウンターに行く。利用料として1ヶ月Rs100、3ヶ月Rs200を支払うことになる。 歴史、宗教、ペルシア語、アラビア語の書架を見た限り、文献のフォローの具合は率直に言って不可思議で、どういう基準のもと収集したのか分からない。しかし現在では入手不可能になった文献も所蔵されているので注意が必要である。

Dhaka

Alia Madrasa

住所
2 Orphanage Road, Baksibazar, Dhaka
地図
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開館時間
土曜日−木曜日  8:30-15:00
カタログ
Kamal al-Din Ahmad et al, 1905
写本の複写
不明。少なくともコピー機はなかったので、自前のカメラによる撮影を許可してもらうよう、交渉することになると思われる。
備考
ここにはサイクルリキシャーで行ったため、バスの系統は把握してない。アーリーア・マドラサは幾つかの棟に分かれているが、図書館はForeign Languages Training Centerがある棟の2階にある。アラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語、ベンガル語の写本1165点を有する。 分割前にカルカッタのマドラサにあったペルシア語、アラビア語写本がここに移管されており、上記カタログはカルカッタ・マドラサのものである。しかしカタログに登録されている写本は僅か182点であり、現在ここにある写本の総数とは千点近いギャップがある。カタログに登録されていない写本を把握するためには、閲覧室にあるベンガル語で書かれたレジスターを参照することになる。そのためここで調査を行う場合、ベンガル語の知識を必要とする。

Bangla Academy

住所
Burdwan House 3, Kazi Nazrul Islam Avenue Dhaka
地図
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開館時間
日曜日−木曜日  10:00-17:00
URL
http://www.banglaacademy.org.bd/ (ベンガル語)
備考
以下に記す情報は、Department of Language and LiteratureのDeputy DirectorであるDr. Nizamul Rahman氏から聞いたものである。 Bangla Academyはベンガル語の利用促進を図って設立された機関であり、ここにある写本はベンガル語のみである。写本は分野別にそれに関連する部署で保管されている(例えば、レキシコンの写本はDepartment of Lexiconにある)。Department of Language and Literatureにある写本は約25点。部署間での情報交換はなされておらず、アカデミー全体の写本総数は誰も知らない。当然のことながらカタログもない。部署ごとに写本の校訂・出版を行なっており、活字として出版されないと写本の存在が明らかにならない。

Dharamsala(情報提供:小林亮介氏)

Manuscript section, LTWA(Library of Tibetan Works and Archives)

住所
GK, Dharamsala, Kangra district, 176215 (H.P.) India
地図
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URL
http://www.ltwa.net/
開館時間
月曜−土曜 ,9:00〜17:00 (第二・第四土曜日,チベット及びインドの祝日・記念日等は休み)
写本の複写
A4: 1枚2ルピー
A3: 1枚3ルピー
備考
亡命政府の拠点が置かれているGangchen Kyishong内にある。McLeod Ganjから坂道をくだり,徒歩で25-30分程度。タクシーで80ルピー。 チベット語を中心とする文書が保存・公開されているが,現段階では整理が完了していない。その正確な総数については不明であるが,現在作成済みの目録によれば,約880件を保有していることになっている。ただし,スタッフの話によれば,目録番号111〜150, 及び379〜409は,記録のみが存在しており,肝心の文書の所在は不明という。このほかにも,目録に記載されているにもかかわらず,所定のケースに収納されていない文書がいくつか散見された。また,近年新たに約20件の文書が収集されており,現在目録を作成中である(2011年8月8日現在)。 デジタル化は段階的に進められており,目録化された文書の多くは,Bonn UniversityのURL(http://www.dtab.uni-bonn.de/tibdoc/index1.htm)にて公開されている。

Hyderabad

Government Oriental Manuscripts Library and Research Institute

住所
Tarnaka, Hyderabad, 500007, Andhra Pradesh
地図
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URL
http://manuscriptslibrary.ap.nic.in/
開館時間
月曜日−土曜日  10:30−17:00、第二土曜日は休み(しかし実際には、午前11時を過ぎてようやくライブラリアンのおばちゃんがやって来る。また16時半になると「もう帰りたい」と言い出す)。
カタログ
Vol.1Vol.2Vol.3Vol.4
写本の複写
総フォリオの40%を上限とする。ダイレクターに宛てて複写したい写本のアクセス番号とフォリオ番号を明記したアプリケーションを提出する。複写料金はフォリオあたりRs5で、それに加えてCD-R代Rs50がかかる。CD-Rに焼かれた写本データの拡張子は.exeで、ファイルをクリックするとIrfanViewが起動し、スライドショーで閲覧するという奇妙なもの。
備考

ホテルが多いNampally、Abids地区から136系統のバスに乗るか、Koti Women's Collegeのバス停から3系統のバスに乗って、オスマーニーア大学敷地内の二つ目のバス停 (Manikeshwari Nagar) で下車する。運賃はともにRs9。 電車で行く場合は、Secunderabad駅、Kacheguda駅などからパッセンジャーやMMTSに乗って、Arts Colledge駅で下車。駅から道なりに歩いていくと大学の通りに突き当たるので、左に曲がって5分ほど歩く。運賃はともにRs2。 なお、本図書館はオスマーニーア大学のキャンパス内にあるが、オートリキシャーで行こうとする際に「オスマーニーア大学」とだけ運転手に告げると、図書館がある通りの一本東へ行ってしまうことがままある。図書館がある辺りには別の街区名があるそうだが、迂闊にも失念してしまった。図書館はPolice Stationの近くにあるので、そちらを運転手に伝えるとよい。

ニザーム政権時代、Asafiya Libraryに所蔵されていた写本群が現在ここに保管されている。Asafiyaから引き継いだ写本の総数は約1万7000、それ以外のコレクションも含めると、現在この図書館に所蔵されている写本の総数は2万3千点にのぼるとされている。 真下1999、二宮2008にはカタログにフォローされている写本は全体のごく一部であり、多くが未整理のままになっているとあるが、森下2012によると、上記の手書き目録4巻に登録されているとのことである。

Salar Jung Museum Library

住所
Salarjunng Marg, Hyderabad, 500002, Andhra Pradesh
地図
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URL
http://www.salarjungmuseum.in/
開館時間
月曜日−土曜日  10:00−16:40、第二土曜日は休み
写本の複写
ここでは手書きで済ませたため、不明。
備考
Abids地区のバス停から8A系統に乗る。ムースィー川を越えた先でバスが左折するとすぐにバス停があるので、そこで下車。 ニザーム政権の宰相を務めたサーラール=ジャング3世の旧蔵品をもとに設立したもので、8500点あまりの写本を所蔵している。二宮2008には図書館利用者は建物の東側から入るとあるが、2011年7月時点では図書館利用者も一般の見物客と同じく正面ゲートから入るようになっていた。そのため毎朝セキュリティチェックを受けることになる。ノートパソコンを持ち込む場合専用の許可証を発行してもらう必要がある。 なお、筆者が訪れた時点でアラビア語写本カタログI-IVが既に売り切れていた。ペルシア語カタログについても残部僅少とのことであった。

Islamabad

National Library of Pakistan

住所
Near Secretariat, Isfahani Rd. Islamabad
地図
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URL
http://www.nlp.gov.pk/
開館時間
月曜日−金曜日  10:00−17:00
写本の複写
2008年に訪れた時点では、無料で写真撮影を許可してくれた。カメラは自前のものを使用した。
備考
本図書館はイスラマバードの官公庁エリアに位置しており、このエリアへタクシーやバスで入ることは現在不可能である。パキスタン人研究者の伝などを頼って車を手配してもらわなければならない。また官公庁エリアのゲートで身分証明書を提示する必要がある。

Ganj Bakhsh Library, Iran Pakistan Persian Research Center

住所
HNo. 4, St. No. 47, F-8/1, Islamabad.
地図
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URL
http://fa.ipips.ir/(ペルシア語)
開館時間
8:00-16:00
カタログ
Open Library
写本の複写
写本の電子データをCD-Rに焼いてくれる。1フォリオあたりRs5。
備考
この周辺に行く公共交通はないので、タクシーを使う。イスラマバードのセクター間のタクシーでの移動は概ね、Rs150で統一されている。ペルシア語写本1万7000点、石版本や刊本約4万点を所蔵している(岡田恵美子訳『ホスローとシーリーン』まであった)。ここのライブラリアンは英語を解さないため、ペルシア語で会話をすることになる。 写本の全冊複写が可能な、南アジアでは貴重な図書館である。ただ、CD-Rディスクに無理やりDVDとしてデータを書き込もうとすることがあるので注意。フルカラーと言うこともあり写本データのファイルサイズは非常に大きい。自前で持ち込んだフラッシュメモリに書き込んでもらうことが可能かどうか交渉してみるのもいいかもしれない。

Dr. Hamidullah Library, International Islamic University

住所
Islamic Reseach Institute, International Islamic University,
P.O.Box 1035, Faisal Masjid, Islamabad
地図
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URL
http://www.iiu.edu.pk/
開館時間
8:00-17:00(但し外国人が利用できるのは15:00まで)
備考
シャー・ファイサルモスクに隣接しており、タクシーでいく場合そちらを告げるとよい。ミニバス101番、121番でも行くことができる。 ここには写本はないが、ペルシア語、ウルドゥー語の刊本やイスラームに関する研究文献が非常に充実している。日本では閲覧が困難な学術雑誌のバックナンバーも多少ある。文献の複写は見開き1ページあたりRs1.5。

Jammu

Sri Rambir  Research Institute

住所
Sri Rambir Research Institute, Raghunath Mandir, Jammu 180001
地図
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開館時間
月曜日−土曜日  9:00-15:00(10月-4月), 10:00-16:00(5月-9月)
写本の複写
自前のカメラでの撮影を許可してくれた。無料。
備考
6,000点強のサンスクリット写本を有する、ラグナータ寺院の奥にある図書館。正面の寺院参拝用のゲートから入ると、この図書館にはたどり着けない。土産物屋の並びにそって左手に回ってしばらく歩くとNo.3のゲートがあるので、そこから寺院の敷地に入る。 以前は写本を外に持ちだして、近くのバーザールのコピー屋で複写をとっていたそうだが、現在は原則として自前のカメラで撮影することになっている。

Dogra Art Museum, Directorate of Archives, Archaeology and Museum

住所
Mubarak Mandi, Jammu, 180001
地図
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開館時間
火曜日-日曜日  10:00-17:00
写本の複写
州政府担当部局のダイレクターからの許可が必要。ただしダイレクターがジャンムーにいるのは11月から4月までである。
備考
いわゆるインド各州のState Archivesに相当する機関。ジャンムー&カシミール州にはジャンムーとスリナガルそれぞれに図書館がある。他州のState Archivesと同様に、調査の際には在デリー日本大使館から発給されたレターが必要である。

Karachi

National Museum of Pakistan

住所
Dr. Ziauddin Ahmad Rd. Karachi.
地図
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URL
http://www.caroun.com/Museums/Pakistan/NationalMuseumofPakistan.html
開館時間
木、土曜日−火曜日  10:00−17:00、金曜日  9:00−12:00
写本の複写
こちらがカメラを持込み、そのカメラで博物館の撮影助手に撮影してもらう。撮影料金は相手の言い値になる上、CDなどの寄付も必要である。
備考
そもそも十年来カラチは治安の不安定な状況が続いているので、ここにしかない写本、あるいは書写年代が古い写本を閲覧するでもない限り、ここでの調査を推奨しない。そのような事情があり、筆者もここへ行くための公共交通の経路を把握していないが、まずタクシーやオートリキシャーを利用するべきである。 アラビア語4,000点、ペルシア語6,000点、ウルドゥー語600点の写本を有するが、その閲覧には若干の困難が伴う。Chief LibrarianのMohammad Bukhari氏がなかなかつかまらない上、氏の気まぐれな性格も相まって、写本の閲覧を申請してから実際にその写本が出てくるまでにどの程度かかるかは全く分からない。知己の数人の研究者の話を総合する限りでは、女性研究者の方が比較的早く写本が出てくるようである。

Kolkata

The Asiatic Society

住所
1, Park Street, Kolkata, 700016, West Bengal.
地図
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URL
http://asiaticsocietycal.com/
開館時間
月曜日−土曜日  10:00−17:30
(なお、写本閲覧ができるMuseum sectionは月-金のみ開館。土曜日は雑誌閲覧と刊本閲覧のみが可能。 )
写本の複写
個人研究者が申請した場合、写本全体の1/3まで複写可能。全冊複写を希望する場合、研究者が所属する機関名義で申請をして、非常に煩雑な手続きを経ることになる。複写はゼロックスコピーやマイクロフィルムにするReprographicと、スキャナー(600dpi)を用いたスキャニングの2種類がある。スキャニングの場合、そのdpiはインドで最も高い。 前者の価格は次の通り。 Society会員 / 非会員 / 海外研究者
  • A4: 0.5Rs(1p) / 1.5Rs(1p) / 10$(50p)
  • A3: 1Rs / 3Rs / 20$
  • マイクロ: 6Rs / 8Rs / 15$
  • 写真焼き: 15Rs / 25Rs / 50$
後者の価格は次の通り(A4,A3)。 Society会員 / 非会員 / 海外研究者
  • 白黒: 15,30Rs / 20,40Rs / 20,40$
  • カラー: 20,40Rs / 25,50Rs / 30,60$
  • CD: +100per page / +150per page / +5$
但し筆者が複写を申請した際には、なぜか海外研究者の価格体系ではなく、Society非会員(インド人)のそれが適用された。
備考
地下鉄が走っているチョウリンギー通りから、パーク通りが枝分かれしている変則十字路の東北角にある三角型の建物。 敷地は大きく二つに分かれており、写本や刊行雑誌、オフィスなどが入っている西側の建物と、アラビア語ペルシア語刊本を収めている図書館やホールがある東側の建物からなる。設立年は1784年と南アジアの写本図書館の中では最も古く、草創期のヨーロッパ東洋学の中枢を担っていた。

現在ここに勤務しているスタッフは全員サンスクリット学関係者なので、アラビア語やペルシア語の写本の閲覧を希望する研究者には困難が伴う。 写本がmisplacedになっていることがままあり、そうなるとスタッフは誰も写本を発見することができないのである。運良く写本がマイクロフィルム化されていれば(Society CollectionのNo.900前後までの一部がマイクロフィルム化されているようである)、 比較的短時間でマイクロフィルムが閲覧可能となるが、写本自体を閲覧しようとする場合、かなりの時間待たされることになる。筆者の場合misplacedになっている写本の中にどうしても閲覧したいものがあったので、わざわざカルカッタ大学ペルシア語学科の教員に来ていただいた。この写本について申請から閲覧まで2週間強を要した。

なお、Ashrafによるカタログと、Ivanowによる2冊のカタログを補うものとして、2009年に新しいカタログが出版された(A Descriptive Catalogue of Persian Manuscript in the third collection of The Asiatic Society, ed. by Mohammad Firoze, 2009.)。 本カタログは498点の写本情報を収録しており、中には1017/1608年書写の『アブルファズル書簡集』など重要な写本をいくつか含む。

National Library

住所
Belvedere, Alipore, Kolkata, 700027, West Bengal
地図
地図へのリンク
開館時間
月曜日−金曜日  10:00−17:30
カタログ
Vol.1
写本の複写
土曜日に訪れてしまったため、不明。
備考
写本部はライブラリー本館に隣接するAnnexe Buildingという9階建ての建物の地上階にある。 土日も開館している本館とは違い、この建物は月曜日から金曜日までしか開いていないので要注意。 ただし、いずれにせよ一時利用証を発行してもらうために、一度は本館に行かなくてはならない。 周辺ではオートリキシャーはまずつかまらない。素直にタクシーを使うか(地下鉄のRabindra Sadan駅からRs.30)、公共機関に強い人なら230系統のバスを使うのがよい。当該バスにはRabindra Sadan駅を出てすぐの十字路から乗ることができる。

Lahore

University Main Library, University of Punjab

住所
New Campus, University of Punjab, Lahore, 54000
地図
地図へのリンク
URL
http://www.pulibrary.edu.pk/
開館時間
月曜日−木曜日、土曜日  8:00〜21:00, 金曜日 8:00−12:30, 14:30−20:00
カタログ
サンスクリット語写本のカタログについてのみ、サイトで公開されている。
写本の複写
可。フォリオ数の制限なし。料金は1フォリオあたり1USD。
備考
図書館のある新キャンパスはラホール南部に位置しており、市の中心部からはオートリキシャーを使う。リーガルチョークからオートリキシャーでRs150。公共機関を利用する場合は、まずバスB1系統でPul Neharに行き、そこからB22系統に乗り換えてキャンパスへ向かう。料金は片道Rs50前後。

ここの写本カタログは既にOut of printになっており、ライブラリアンにデータを焼いてもらうことになる。サイズが大きすぎるので、CDではなくDVDを持ち込まなくてはならない。

以前ウィーン大学・金剛大学との共同カタログ作成プロジェクトの際に問題が発生し、それ以来写本の複写が許可されなかったのだが、2016年1月の時点で、遂に写本の複写が再び可能になった。 なお刊本の複写については、持ち込んだカメラで全冊の写真を撮影することが許可される。

Punjab Public Library

住所
Library Rd, Lahore, 540001
地図
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開館時間
月曜日-木曜日・土曜日  08:00−14:00
金曜日  08:00−12:00
写本の複写
デジタルデータの複写が許可されている。フォリオ数の制限なし。料金は1フォリオあたりRs50。
備考
ラホール博物館の裏手にあるこの図書館は1884年に設立されたもので、職員の弁ではコルカタのベンガル・アジア協会(1784年設立)に次ぐ、南アジアで2番目に古い公共図書館だという。確かに敷地の中央にはそれなりに歴史的な雰囲気を感じさせる建物が聳えているが、その点で言うとラーンプル・ラザー図書館にはどうしても見劣りする。

写本実物を閲覧したい場合は、メイン・ビルディング2階のバイト・アル=クルアーンという部屋で希望する写本を出してもらう。一方複写を希望する場合は、敷地入ってすぐ右の平屋の建物に行って、複写申請をする。

ここの写本は既に全て電子データ化されており、画像ファイルはこちらの建物のPCおよび外付けHDDに保管されている。なおこの図書館は、南アジアの写本図書館としては例外的に、事前の手紙による訪問の通知が有効であり、同図書館を訪れる1ヶ月ほど前に複写申請書、身分証明書、推薦状を郵送したところ、図書館を訪問した当日には、即座にデータをCDに焼くことができる状態になっていた。


Lucknow(情報提供:二宮文子氏)

Tagore Library, University of Lucknow

住所
Tagore Library, University of Lucknow, Lucknow 226007
地図
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URL
http://www.lkouniv.ac.in/library.htm
開館時間
月−金曜日  11:00-16:00(14:00〜15:00昼休み)
写本の複写
不明
備考
唯一の担当者(Mr. Rizvi)が不在の場合は写本部は空かない。そして、担当者はほとんど出勤しない。他の職員は、カタログの所在すら知らない。恐るべき放置状態。 ちなみに、学食の感じは良かった(味、メニュー、雰囲気どれも及第点)。 ラクナウの中心街(Hazratganj方面)からGomti川を北に渡ると左手にラクナウ大学が見える。乗り合いオートのテンポなど、公共の交通機関でも簡単に行ける。

Nadwat al-Ulama Library

住所
P.O. Box 93, Lucknow, 226007
地図
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URL
http://www.nadwatululama.org/
開館時間
8:00〜ズフル礼拝、アスル礼拝〜20:00(ラマダーン中は9:00〜ズフル礼拝)
写本の複写
不明
備考
写本を見るには責任者(Nadwi氏)の許可が必要であり、彼が不在の場合は写本部は開かない。彼の勤務態度は真面目で、公務で不在にする以外はほぼ図書館にいる模様。 ラクナウ大学に向かう道と途中までは同じで、橋を渡ってすぐ、左手にある川沿いの道を徒歩で5-10分ほど。川沿いの道に行くまではテンポに乗れば便利。

Amir al-Dawla Government Public Library

住所
Amir al-Dawlah Government Public Library, Qaysar Bagh,
Lucknow 226001
地図
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開館時間
月曜日−土曜日  10:00〜18:00
備考
メンバーカードを作ってもらうのに身分証(英語の学生証など。パスポートでも良いが、できれば英文紹介状とセットで)と申込金(1ヶ月用25ルピー)が必要。また、手続き等の裁可をする責任者(女性だが名前を失念)は11:00頃に重役出勤をしてくる。 時間があったので徒歩で通うことが多く、交通機関については調査不足。

Mumbai

Asiatic Society of Bombay

住所
地図
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カタログ
Fyzee, 1927

University of Mumbai

住所
University of Mumbai, M.G. Road, Fort, Mumbai, 400 032.
地図
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URL
http://www.mu.ac.in/service_library.html
カタログ
Sarfaraz 1935
備考
ムンバイ大学の図書館はジョージ・ギルバート・スコット設計による見事なコロニアル建築(1878年完成)の中にある。約7500点のサンスクリット写本、1376点のアラビア語・ペルシア語・ウルドゥー語写本を有する。

K. R. Cama Oriental Institute

住所
#136, K. R. Cama Institute Building, 2nd Floor
Bombay Samachar Marg, Fort, Mumbai, 400023
地図
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URL
http://www.krcamaorientalinstitute.org/
開館時間
10:00-17:00
カタログ
Rehatsek 1873
写本の複写
不可
備考
St. Andrew's Churchの隣、インド海軍駐屯地の向かいに建っており、外国人旅行者が多く滞在するコラバ地区から歩いていける。最寄のバス停はLion's Gateで、CST駅方面からコラバに向かう系統のバスがここに停車する。詳細はBESTのバスルート検索を参照されたい。 インドの図書館にあって、南アジア史に関する写本はそれほど多くない。代わりにイラン地方史などの写本が数多く所蔵されている。もっとも、この図書館のコレクションの最大の特徴は、近世ペルシア語で書かれたゾロアスター教関連写本だろう。

Patna

Khuda Bakhsh Library

住所
Ashok Rajpath, Patna, 800004, Bihar
地図
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URL
http://kblibrary.bih.nic.in/
開館時間
土曜日−木曜日  8:00-20:00(写本部は10:00-17:00)
カタログ
オフィシャルサイトで公開されている。
写本の複写
写本全体の1/4まで電子複写が可能。しかし料金は1フォリオあたりUS$5。
備考
有名な図書館なのでオートリキシャーの運転手にも大概通じる。通じない場合は、隣のMedical College Hospitalを行き先に告げると良い。駅前のホテル街から大体Rs30〜40程度。 良質なカタログを出版してきたことで世界的に評判の高い図書館だったが、上記の通り写本複写費用は世界でも屈指の高額である(スタッフは当然科研のような公費で支払われると考えているらしい)。アリーガル大学などと同様、基本的には手書きで仕事を済ませるほかない。

Pune

Bhandarkar Oriental Research Institute

住所
812, Shivajinagar, Law College Road,
Pune 411004, India.
地図
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URL
http://www.bori.ac.in/
開館時間
月曜日−金曜日  11:00-17:30, 土曜日 7:00-10:30
カタログ
Vol.XVI Part.1
写本の複写
写本の白黒コピーと、持参したカメラでの撮影が許可されている。白黒コピーを申請した場合の値段は、1フォリオあたりRs4.およびハンドリングチャージとして1作品ないし100フォリオごとにRs100.  カメラで撮影する場合は、1フォリオごとにRs100.
備考
『マハーバーラタ』の校訂などで名高いBhandarkar Instituteはプネー西部のLaw Collegeの近くにある。現在ここに直通するバスはなく、プネー大学の正門前までバスで行ってそこからリキシャーを拾うことになる。ちなみにプネー駅前のバスターミナルからバス、リキシャーを利用していく場合、Rs39かかる。駅前から直接リキシャーで行くとRs60.微妙である。多くのリキシャーの運転手はインスティチュートのことを知らないので、Law College Streetに行くと告げると良い。 施設内に昼食をとる場所はないが、少し南に歩くとLaw Collegeのキャンティーンがあり、簡単な南インド料理を食べることができる。また、北側にはGerman Berkereyがあり、値段は張るものの欧風の食事もとることもできる(アルコールも!)。通りの向かいにはCafe Coffee Dayがある。

Bharat Itihas Samsodak Mandal

住所
1321, Sadashivpeth, Pune 411030
地図
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備考
1910年に設立された図書館で、マラーティー語史料のほか、ペルシア語史書の写本やファルマーンのコレクションを持つ。筆者未調査なので、開館時間、複写の可否などは不明である。今後機会があれば調査を行いたい。

Rapmur

Rampur Raza Library

住所
Hamid Manzil, Qil'a, Rampur, 244901, Uttar Pradesh
地図
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URL
http://razalibrary.gov.in/Razalibnew/index.html
開館時間
土曜日−木曜日  10:00−17:00
写本の複写
  数フォリオ程度ならO.S.D.の判断によって複写が許可される。全冊複写を希望する場合、ライブラリーのBoardメンバー一名の推薦状を含めたアプリケーションをウッタル・プラデーシュ州のGovernerに提出して、州政府の許可を得ることになっているが、まず期待せぬほうがよい。
備考
一万点以上の写本を有する。図書館付設のゲストハウスはものすごく部屋が広く、一見の価値がある。食事の量もものすごく多い。また新市街まで出たところにHotel Delightがある。一泊Rs600〜で、ラザー図書館を訪れる研究者の多くはここを利用しているようである。ラーンプルの旧市街に入ると、英語がほとんど通じなくなるので、ヒンディー語の知識がない場合Hotel Delightを拠点にするのが無難である。ホテルから図書館まではサイクルリキシャーでRs30程度。

Srinagar

Department of Library and Research,
Government of Jammu and Kashmir State

住所
2nd Floor, Municipal Building, Karan Nagar, Srinagar, 190001
地図
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開館時間
Directorは金曜日−水曜日の10:30から12:00頃までオフィスにいる。
備考
スリナガルにある図書館の多くは、ジャンムー・カシミール州政府の管理下に置かれている。外国人研究者(及びJK州以外出身のインド人研究者)がこれらの図書館で調査を行う、あるいは写本の複写を申請する場合、最初に州政府の担当部署、Department of Library and Researchのダイレクターから許可を得る必要がある。この規定は、デリーのIndira Gandhi National Centre for Artsにある写本のデータコピーに対しても同じように適用される。 州政府は季節に伴って移動するため(11月〜4月 ジャンムー、5月〜10月 スリナガル)、スリナガルで研究活動ができるのは、現実的に言って夏の間に限られる。夏季の州政府の担当部署は市内西部の行政区画エリアであるKaran NagarにあるMunicipal Buildingの3階にある。なお、州政府関連施設では労働者のストライキが頻発している。ストライキになると図書館は全てしまってしまうので、くれぐれも事前の情報収集を怠らないようにしたい。

Jammu and Kashmir Academy of Culture and Languages

住所
Lal mandi, Srinagar, 190001
URL
http://jkc.weebly.com/
地図
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開館時間
月曜日−土曜日  10:00-16:00
写本の複写
持ち込んだカメラで撮影可能。チャージはフォリオ単位ではなく作品単位でかかり、一作品あたり一律で1500ルピー。数フォリオの作品を撮影する場合悲惨である。
備考
ここは州政府の管理下に置かれていないので、休日が他の図書館と異なる。またストライキの影響を受けない。スタッフの話によると約1000点の写本があるとのことである。ウルドゥー語で書かれた2巻本のカタログにはそのうち531点がフォローされている。カタログはアラビア語、ペルシア語、カシミーリー語写本のみを扱ったもので、サンスクリット写本の保存状況については不明。 ここにはナクシュバンディー教団関連の史料のまとまったコレクションがある。シャジャラなど、おそらくNowhattaにあるナクシュバンディー教団のハーンカーから移管されたものと思われる。

Oriental Research Library

住所
University Campus, Allama Iqbal Library, 0194-2103248
Building 5th Floor, Hazratbal, Srinagar, 190006
地図
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URL
http://jkpubliclibraries.nic.in/default.html
開館時間
月曜日−水曜日、土曜日  10:00-16:00
金曜日  10:00-13:00、14:30-16:00
日曜日  10:00-14:00
木曜休館
写本の複写
全ての写本がフルカラーでスキャンされており、州政府とライブラリアンの許可を得れば、1フォリオ10ルピーでデータを複写してくれる。自前でフラッシュメモリを持ち込むのが良い。
備考
大学の中央図書館の5階にあるが、この階だけ州政府の施設になっており、大学からは独立している。そのため、大学とは休日が異なるので要注意である。特に日曜日は大学キャンパスが閉まっているのにここだけ開いているため、入るのが若干面倒である。約6000点の写本を有している。サンスクリット写本は大半がシャーラダー文字で書かれており、ペルシア語写本もカシミール内の歴史・思想・宗教に関するものが多く、反対に他地域の作品については、ティムール朝時代のヘラートで作られた作品を別とすれば、総じて数が少ない(チシュティー教団関連の史料などほとんどない)。また北西インドの諸地方言語の写本も数多くあり、コレクションはインドのみならずペルシア語文化圏諸国の中でも異彩を放つものである。 なお筆者が確認した限りでは、オンラインカタログのペルシア語写本の情報は概ね正確であるが、サンスクリット写本の情報は、特に哲学関係のフォリオ数が少ない作品について誤りが多い。図書館には手書きの写本リストがあるので、これで確認をする必要がある(ただし、このリストすら、更には写本の末尾に挟まれたメモの情報すら間違っているものが僅かにあるので、注意されたい)。また図書館ではギルギット出土写本のファクシミリ版や、タントラローカなどカシミール・シヴァ教文献の校訂本、ペルシア語年代記のウルドゥー語訳などを安価で購入できる。 中央図書館の地上階にある学生食堂は、蓋しインドの大学の学生食堂の中でも最良の食事を提供する。

Sri Pratap Singh Museum

住所
Sri Pratap Singh Museum, Lal Mandi, Srinagar, 190001
地図
Academy of Culture and Languagesを参照。
開館時間
金曜日-水曜日  10:00-16:00
写本の複写
スキャンデータがOriental Research Libraryに保管されているので、許可をもらってからそちらに行く。
備考
ジェーラム川南岸にある有名な博物館。建物の裏側に回りこんで左に向かい、階段を昇ると図書館の入り口がある。サンスクリット、ペルシア語、アラビア語など74点の写本を有するが、カタログはない。National Mission for Manuscriptsのサーヴェイがあったときに慌てて作ったらしいカードリストがある。しかし表面の英語で書かれた情報は間違いが多いので、ウルドゥー語の情報を確認すること。サンスクリット写本のカードに関しては、裏面のデーヴァナーガリー文字の情報すら正確に転写されたものはほとんど無い。コレクションは地味だが、ここにだけあるアビナヴァクプタのMālinivijayavārttikaのシャーラダー写本は非常に重要なものと思われる。

State Archives

住所
Old Secretariat, Lal Chowk, Srinagar, 190001
地図
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開館時間
金曜日−水曜日  10:00-17:00
写本の複写
不明
備考
Budshah Bridgeを渡ってすぐ、Jahangir Hotelの角を右折する。右手にコロニアル建築が並んでいるので、その敷地内に入る。ゲートの警備は厳しいので注意。インド他州のState Archivesと同様に、調査をする場合紹介状の他にデリーの日本大使館から発行されたレターの提出が求められる。スリナガルは長らく日本国外務省に危険レベル3(渡航延期勧告)相当地域に指定されていたが、2012年8月17日にレベル2(渡航の是非を検討して下さい)に引き下げられた。今後大使館からレターが発行されるようになり、調査が可能になることが期待される。

Sultan ul-Arifeen Library

住所
Dargah-e Makhdum Sahib, Nowhatta, Srinagar, 190002
地図
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開館時間
金曜日−水曜日  10:00-15:00
写本の複写
持ち込んだカメラで撮影可能。無料。
備考
Hari Parbat山の中腹にある、スフラワルディー教団系(但し、創設者のタリーカ帰属については若干議論の余地がある)スーフィー、シャイフ・ハムザのダルガーの図書館。山の麓から階段を上っていく。昼食をとるときはいちいち階段を降りる。ここでは英語が通じない。ウルドゥー語で会話する必要があるが、人によっては若干アラビア語も通じる模様。 手書きのリストによると113点の写本があるとのことだが、実見したところ、リストに書かれていない写本もあった。但し、このダルガーに関連する文書はここではなくOriental Research Libraryにある。写本の書架では明らかにボンベからガスが漏れている臭いがしたので、火の元には十分注意したい。

Tonk

Maulana Abul Kalam Azad Arabic Persian Research Institute

住所
Maulana Abul Kalam Azad Arabic, Persian Research Institute, Govt. of Rajasthan, Tonk- (Rajasthan) INDIA -- 304001
地図
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URL
http://www.maapritonk.nic.in/
開館時間
月曜日−金曜日, 祝日休  9:30−18:00
写本の複写
写本全体の1/3まで複写可能。1フォリオあたりRs1.
備考
トーンクに行くためには、まずジャイプルまで飛行機か鉄道で行き、ジャイプルのISBTからバスに乗って行くことになる。ジャイプルからはバスで約3時間。但し、バスの行先表示がデーヴァナーガリー文字のみなので、文字の知識を必要とする。慣れない場合はホテルから車をチャーターした方が良い。ラジャスタン州の公営バスのスケジュール確認や座席の予約についてはこちらを参照されたい。http://rsrtc.rajasthan.gov.in/ 図書館はトーンクのバスターミナルに隣接している。ゲストハウスは一晩たったRs10で泊まれるとのことだが、ファシリティについては不明である。
  1978年に設立された同図書館には、トーンク藩王国第3代君主のコレクションと、ラジャスタン州の周辺都市から収集された写本が所蔵されている。総数はアラビア語・ペルシア語・ウルドゥー語写本8,658、勅令722、シャリーア法廷関連文書65,000超。法廷文書のコレクションとしてはインドの中でも充実したものだが、カタログがないこともあり未だ研究には利用されていない。スタッフは英語を解さず、基本的にはウルドゥー語かペルシア語でコミュニケーションをとることになる。
  写本は総フォリオ数の3分の1まで、研究者個人のデジタルカメラで撮影することが許可されている。