海外学術調査フォーラム

分科会 3

講師星 泉(AA研)

 本分科会では、主に、1. 研究を通じたプロジェクトメンバーのものの見方の変容について、及び、2. データ保存の技術的な側面について、参加者から質問が投げかけられた。それに対し講師の星氏から、下記のような回答があった。
  まず、1. 共同研究に関わる人々に研究が与える影響について、調査の過程で現地の言語への理解が増したことでイラストレーターの描く対象が変化したことや、研究者である星氏自身が、生業を映像化する際、顔の表情よりも手の動きが重要となることに気付いたこと、そして、チベットで女性の仕事であると考えられている牧畜が研究の対象となり、映像作品や辞典としてまとめられたことが現地の女性たちに好意的に受け入れられたことなどのエピソードが共有された。
  次に、2. データの保存方法に関して、調査地では通信環境が良くないので複数のメンバーがUSBメモリにデータのコピーを保存しておき、帰国後にシェアスペース上で共通の規格に従って、共同でコメントを記入してデータベースを作成していること、そして、調査中はその意味や重要性が不明である事柄(例えば、その地域特有の風土病の名前など)であっても、その場で記録を残しておくことで後に全体像が見えてきてから研究に役立つことがあることなど、実体験を交えた説明があった。


(報告: 安達 真弓(AA研))