海外学術調査フォーラム

2019年度 海外学術調査フェスタ 出展者一覧

アフリカにおける言語多様性とダイナミズムに迫るアフリカ諸語研究ネットワークの構築

研究代表者:品川大輔(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

研究分担者/共同研究者:李勝勲,阿部優子

発表:品川大輔,李勝勲,阿部優子

本発表は,2018年度から開始したJSPS拠点形成事業(B. アジア・アフリカ学術基盤形成型)「アフリカにおける言語多様性とダイナミズムに迫るアフリカ諸語研究ネットワークの構築(通称ReNeLDA)」の活動内容を紹介するものである.本プロジェクトは,AA研と,東部および南部アフリカに拠点を置く言語記述系の研究機関との協働によって,アフリカの言語多様性の記録と保存に寄与することを目的とするが,その重要な趣旨は,アフリカの若手研究者の育成をとおして上述の目的に貢献しようとするところにある.本発表では,プロジェクト1年目の成果としてのダルエスサラーム・セミナーでの取り組みを紹介するとともに,今後のプロジェクトの展望を提示する.

経費名:日本学術振興会拠点形成事業(B. アジア・アフリカ学術基盤形成型)

(海外)共同研究機関:ダルエスサラーム大学,ヴェンダ大学,マケレレ大学,ボツワナ大学,ザンビア大学

関連URL:https://sites.google.com/view/renelda/home

インドネシア人帰還移民にみる社会経済的再統合―日・馬・台の就労地別の比較

研究代表者:間瀬朋子(南山大学)

研究分担者/共同研究者:長津一史(東洋大学)、小池誠(桃山学院大学)、合地幸子(AA研)

発表:合地幸子

 本研究は、インドネシア人海外出稼ぎ労働者、特に漁業・水産加工分野の就労形態、帰還後の再統合とキャリア再編について、日本・マレーシア・台湾の就労国別に分けて比較考察し、これらのパターンの異同を明らかにすることが目的である。インドネシアでは帰還移民は地域社会の変容・発展の主要アクターになっている。就労以前から帰還後の再統合までの一連のプロセスから移民労働の社会経済的意味を検討する。本発表では、これまでに実施した調査から、「インドネシア海外出稼ぎ漁船員の村にみる国際移動」および「台湾のインドネシア人漁船員によるモスクの創建」、「日本の水産加工分野・インドネシア人女性たちの往還」について紹介する。

経費名:科研基盤(C)「インドネシア人帰還移民にみる社会経済的再統合―日・馬・台の就労地別の比較」

インドネシアにおける歴史地震・火山噴火の被害記録の復元と災害対応の変遷

研究代表者:梶田諒介(人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)

発表:梶田諒介

インドネシアは地震や火山噴火といった国内外に深刻な影響を与える自然災害が頻発する地域であり、近年の災害を対象とした研究だけでなく過去の自然災害を対象とした災害史研究も重要となる。本発表では国際地震カタログやデータベースに記録されていない19世紀の地震災害に焦点を当て、地震記録を復元することを目的とする。地震による人的・物的被害の状況や被災による地域社会への影響も同時に明らかにするために、オランダ植民地期に発行された自然科学系の年次報告書や地方新聞を用いる。地震史料としての検証をするとともに、インドネシア植民地期の地震観測や観測体制についても考察を加える。

経費名:日本学術振興会 学術研究助成基金助成金 若手研究

SOV言語における統語処理研究:日本語、韓国語、ボド語の比較

研究代表者:吉田智行(国際基督教大学)

研究分担者/共同研究者:吉田智行(国際基督教大学); Seunghun J. Lee(国際基督教大学)

発表:有井巴; 吉田智行; Seunghun J. Lee

本研究は、SOV言語である日本語、韓国語、ボド語(インド・アッサム州の公用語の一つ)母語話者の文処理を比較する。言語学的な記述がほとんどないボド語を調査対象に加えることで、本研究は大規模な文処理の国際研究となるだけでなく、フィールドワークの要素も含む。具体的には、当該3言語の母語話者が、他動詞構文(「青い人が黄色い人を押す」「絵本で鉛筆を突く」)と比較構文(「歯ブラシはスプーンより長い」)を格助詞を手がかりにどのように統語処理するのかを調査する。調査準備として、3年計画1年目は当該3言語の刺激文および音声データを作成した。今後は、日本、韓国、インドにおいて統語処理のデータを収集し、分析する。

経費名:JSPS KAKENHI Grant Number 18K00546

(海外)共同研究機関:Ehwa Womans University (Korea); Indian Institute for Technology at Guwahati (India)

オセアニア環礁の淡水資源を破壊する熱帯サイクロンの災害史研究:北部クック諸島プカプカ環礁の事例を通して

研究代表者:山口 徹(慶應義塾大学)

研究分担者/共同研究者:山野博哉(国立環境研究所)、棚橋訓(お茶の水女子大学)、深山直子(首都大学東京)

発表:山口徹、深山直子、山野博哉、棚橋訓

オセアニアの南北貿易風帯には数多くの環礁が点在する。砂礫の州島にしみ込んだ雨水だけが、不被圧地下水レンズを形成し陸上生態系を支える。天水田でのサトイモ科根茎類栽培はこの淡水資源を利用する農耕であり、その可否は環礁の人間居住を左右する。SPCZの北縁に位置するプカプカはそうした環礁の1つで、降雨に恵まれ天水も数多く分布する。しかし、記録が残る1914年以降でさえ11回の熱帯サイクロンに襲われ、高波や高潮被害で天水田が壊滅的打撃を受けてきた。本発表では、歴史資料に残る気象災害と復興過程の情報に、天水田の考古学的発掘調査の成果を合わせることによって、淡水レンズが被る気象災害の影響を明らかにする。

経費名:日本学術振興会・科学研究費基盤研究(A)(海外学術調査)

音声音韻及びロマ字と元文字の新正書法 2019: ヒマラヤの原住民話者への助力

研究代表者:Seunghun Lee(ICU)

発表:桃生朋子, Celeste Guillemot, Seunghun Lee, George van Driem, 川原繁人

本研究では、チベット・ヒマラヤ語群に属するデンジョン語とタマン語の正書法の開発を目標としている(3年計画2年目)。現在の言語特徴に即した形の正書法の開発の第一歩として、これらの言語の音響特徴および言語構造の正確な記述を行っている。デンジョン語では、通言語学的にも珍しい4種類の喉頭対立が観察される。この対立にはVOTだけでなく、基本周波数やフォルマント情報が関わっていることが判明した。また摩擦音における有声性の実現などに関しても分析が進んでいる。タマン語に関しては、過去の記述では声調言語とされていたが、声調は対立的でなく、むしろVOTがより重要な音響特徴であることが判明した。

経費名:独立行政法人日本学術振興会(JSPS)、スイス科学財団との国際共同研究プログラム(JRPs)

(海外)共同研究機関:University of Bern

関連URL:https://sites.google.com/info.icu.ac.jp/phophono/home

カイロ旧市街における公共空間の変容:歴史的街路の階層性とアホワ(伝統的喫茶店)の立地に関する一考察

研究代表者:宍戸克実(鹿児島県立短期大学)

研究分担者/共同研究者:深見奈緒子(日本学術振興会カイロ研究連絡センター),岩崎えり奈(上智大学),吉村武典(大東文化大学),原田怜(東京藝術大学),アラー・ハブシー(メヌーフィーヤ大学),ニコラス・ワーナー(カイロアメリカン大学)

発表:宍戸克実

本研究はカイロ,ダルブ・アフマルを対象に,街路沿いに確保された公共空間の変容過程を解明する。本地区には18世紀末の様相を示すナポレオン地図(Description de l’Égypte掲載)の街路網がよく残り,マムルーク朝以後のモスク等公共施設が多数現存する。万人に開かれた主要街路,街区内の通り抜け街路,住宅に通じる袋小路など伝統的街路の階層性と街路沿いの公共空間,公共施設は深い関係をもつ。3つの地図(①18世紀末,②1930年代,③現状)と現地調査から街路沿いの公共空間を抽出・定義し,その変容を指摘する。さらに,カイロの都市文化に深く根付くアホワに着目し,立地と建築類型を踏まえ,街路とそこに創出された公共空間の様相を検討する。

経費名:公益財団法人大林財団研究助成,現代中東地域研究上智大学拠点社会経済学班,日本学術振興会科学研究費若手(B)

(海外)共同研究機関:メヌーフィーヤ大学,カイロアメリカン大学,National Organization of Urban Harmony

カイロ旧市街における住民の遺産意識の覚醒に向けての活動

研究代表者:深見奈緒子(日本学術振興会カイロ研究連絡センター)

研究分担者/共同研究者:布野 修司(日本大学生産工学部建築工学科)、岡田 保良(国士舘大学イラク古代文化研究所)、磯野 哲郎(国際開発センター)、岩崎 えり奈(上智大学外国語学部フランス語学科)、宍戸 克実(鹿児島県立短期大学生活科学科)、原田 怜(東京藝術大学美術学部国際文化財修復プロジェクト室)、Alaa El-Habashi(Menoufia University)

発表:原田怜

歴史的カイロ(旧市街)は、1979年に世界文化遺産に記載されたものの、歴史的建造物の観光利用による住民生活との乖離、カイロの人口増大と市域拡大、2011年のエジプト革命以来特に顕著な不法建築などを理由に、大きく変容してきた。このため、歴史的建造物や伝統的居住様式が、住民やその集合としてのコミュニティにとってのアイデンティティーとなり、コミュニティと共存しながら継承されるよう、住民の意識変容を目的として、1)住民を主体とするワークショップの開催、2)行政を巻き込んだ地域の活性化、3)日本での住民参加型の街づくりの経験を伝える活動を行った。その結果、住民がそれぞれ異なる価値を見出し、共有する機会を作ることができた。

経費名:トヨタ財団2015年度研究助成プログラム

関連URL:https://www.toyotafound.or.jp/research/2015/

クリスマス島での英米核実験をめぐるキリバス民間人被ばく者の記憶

研究代表者:小杉 世(大阪大学)

発表:小杉 世

キリバス共和国クリスマス島とマルデン島で冷戦期に行われた英米核実験は、マーシャル諸島や仏領ポリネシア、オーストラリアなど、ほかのオセアニア地域で行われた実験に比べて、公開されているデータが少なく、除染の分析も十分には行われていない(マルデン島は除染も行われてはいない)。クリスマス島での核実験で従軍したイギリス人、フィジー人、ニュージーランド人の軍人たちの体験については、これまで聞き取り調査や健康被害についての調査もなされているが、実験当時クリスマス島に在住し、今もクリスマス島に住んでいるキリバス民間人の核実験をめぐる記憶については、ほとんど語られていない。本研究は、キリバス民間人被ばく者たちの声を記録し、コロニアリズムの体験を批判的に検証するものである。被ばく医療関係と放射線学の専門家や生態人類学、水質汚染の研究の専門家などの協力を得て、新しい助成を得て、共同研究を展開できればと考えている。

経費名:基盤研究(C)「環境汚染問題への英語圏モダニズムの文化的介入法を分析する」(2014年4月-2018年3月、代表者:山田雄三、課題番号:26370316)

健康を統治する:インドネシアの国民健康保険への記述的アプローチ

研究代表者:阿由葉 大生(東京大学大学院総合文化研究科)

発表:阿由葉 大生

通貨危機によって明らかとなった健康リスクを統治するため、民主化以降のインドネシアでは、国民健康保険の創設による医療提供体制の再構築が目指されてきた。発表者はこれまで、同国の国民健康保険制度の設計にかかわる社会保障審議会、そして保険診療サービスを提供する公的診療所、そして、国民健康保険加入者を対象としたインタビュー及び参与観察調査を行ってきた。本発表では、発表者が観察してきた保険設計者や医療提供施設の直面する困難や矛盾を基に、インドネシアの社会保障という固有の文脈へ社会保険技術が導入された際の社会保険をめぐる意味論的変遷、そして患者や医療提供施設の戦略の変化を明らかにする。

経費名:りそなアジア・オセアニア財団、日本科学協会笹川研究助成

現代パキスタンにおけるパルダ実践

研究代表者:賀川恵理香(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

発表:賀川恵理香

本ポスター発表においては、現代パキスタン都市部における女子大生のパルダ実践の多様性を明らかにする。パルダとは、インド、パキスタン、バングラデシュを中心とした南アジア地域に広く存在する男女分離や女性隔離の制度であり、その実践として男女の生活空間の分離、女性によるヴェール着用という2つの側面が存在する。先行研究において、パルダ実践の様子やその意義づけは、地域、宗教、階級、カースト、職業、年齢によって様々に異なっているとされるが、実際は1人の女性のパルダ実践にも大きな多様性が存在している。本ポスター発表では、ラーホールにおける女子大生への聞き取り調査の結果を用いて、パルダ実践の多様性を明らかにする。

経費名:日本学術振興会(DC1)

スリランカ・農園地域の女性のWell-beingを目指す潜在能力アプローチの実践-福祉の機能リストの構築

研究代表者:磯邉厚子(聖泉大学)

研究分担者/共同研究者:戸田美幸、松永早苗、後藤玲子、村上慎司、植村小夜子、Samath Dharmaratne、Nihal Weerasorriya (聖泉大学、宮城大学、一橋大学、金沢大学、佛教大学、Peradeniya大学、Nawalapitya病院)

発表:磯邉厚子、戸田美幸、松永早苗、後藤玲子、村上慎司、植村小夜子、Samath Dharmaratne、Nihal Weerasorriya

2018年8月スリランカヌワラエリヤ県の農園地域で働く女性400人(出産5年以内)に対し、教育・健康・生活・社会面についてインタビュー調査を行った。未就学と小学校卒迄が25%を占め、60%が中学校卒に至っていなかった。34%が高血圧、16%が身体不調を答えた。正常出産は60%、他は早産や帝王切開等であった。出産前後の84日間の有休はとれていた。生活面は38%が貧困問題や住居、学校、託児所のインフラ不足を答えると共に、図書館や子ども公園等、教育社会面の必要を答えた。女性の生存に不可欠な保健システムの充実、女性が積極的自立的に関与していく家庭役割やコミュニティサポートの強化、女性労働者に対して職場環境の中で教育力の推進が必要である。

経費名:公益財団法人 平和中島財団

(海外)共同研究機関:スリランカ ペラデニヤ大学地域医療科

DH支援システムを用いたボスニアのカトリック修道院所蔵のオスマン・ トルコ語文書群のデータ整理

研究代表者:佐治奈通子(東京大学)

研究分担者/共同研究者:中村覚(東京大学)

発表:佐治奈通子、中村覚

本発表では、歴史学と情報学の協働による、史料画像データ整理の実践事例を示す。具体的には、歴史史料から得られる情報を整理・分析可能な史料研究支援システムを利用して、ボスニアのカトリック修道院所蔵の未整理のオスマン・トルコ語文書の画像データ 2,268 点を整理を試みる。その作業を通じて、歴史学的な観点からのニーズを反映させたシステムの改良を行う。個々のデータ詳述と、可視化による史料群の全体像把握が容易となったことで、作業の効率化とバランスのよい史料理解が可能になった。

経費名:応募予定(サントリー文化財団 若手研究者のためのチャレンジ研究助成)

ネパール大地震によって障碍を負った女性たちの自立を目指す新たな生き方

研究代表者:竹内愛(日本学術振興会)

発表:竹内愛

2015年ネパールでマグニチュード7.8の地震が発生し、ネパール全土で約8900人の死者、2万人以上の負傷者が出た。震災で倒壊した建物の下敷きになり肢体不自由となった人も多い。ネパールでは、道路や建物のインフラ整備は十分に整っておらず、障碍者の生活には困難が多い。また、古くから障碍は前世の罪の結果と考えられており、このような社会通念によって、障碍者に対する視線は冷たい。本ポスター発表では、ネパール大地震による被災障碍者女性を精神的・経済的に支援するNGOの事例に焦点を当て、障碍者支援における運営上の課題や社会的諸問題について明らかにし、今後、被災障碍者女性が持続的に自立するための新たな生き方について一考察を行う。

経費名:日本学術振興会・特別研究員奨励費

東インドのヒンドゥー女神祭祀のコマーシャル化をめぐる研究

研究代表者:澁谷俊樹(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員)

発表:澁谷俊樹

経済自由化が本格化する90年代以降、コルカタのヒンドゥー女神祭祀を中心に、従来の神話的背景や神像の図像形式を外れた「古代ローマ」等のテーマを毎年新たに考案し、洗練された仮設寺院や女神像を祀る地域が台頭した。たった数日の祭祀のために数百万円を毎年費やし、待機2時間を超える行列を連ね、企業やメディアをスポンサーに賞金やトロフィーを獲得し、大量の企業広告を路上に張り巡らせ、SNSサイトを通じて名を馳せる祭祀組織もある。一見「何でもあり」にも見えるコマーシャル化と「逸脱」を正当化するのは、実は「伝統的観念」なのだが、本当に「何でもあり」なのだろうか。西暦9-11月の秋季に行われる女神祭祀の変容について報告する。

経費名:科研「学術図書」応募予定

ヒト悪性腫瘍細胞の抗原回復免疫組織化学の技術開発

研究代表者:蓮井 和久(鹿児島大学)

研究分担者/共同研究者:久保田 龍二(鹿児島大学)

発表:蓮井和久、宇都宮與、原博満、木脇祐俊、満田稔、斉藤稔、久保田龍二、出雲周二

ヒト悪性腫瘍細胞を顕微形態学的な把握以外に積極的に検出方法は未だない。我々は、サバイビンが幹細胞や癌細胞に発現し、また、染色体パッセンジャー複合体を構成することを理解し、ヒト悪性腫瘍として成人T細胞白血病を例に、抗原回復方法と免疫組織化学の抗原検出感度を理解し、ヒト悪性腫瘍細胞の抗原回復免疫組織化学の技術開発を試みた。その結果、染色体パッセンジャー複合体を構成するサバイビンは通常感度の抗原回復免疫組織化学の検出感度以下の発現であり、サバイビンの抗原回復(通常感度)免疫組織化学が幹細胞ヒト悪性腫瘍細胞を積極的に標識するものであり、組織幹細胞の研究にも有用であることが示唆された。

経費名:日本学術振興会 応募予定

関連URL:https://www.kazhasui.jp/免疫組織化学/

ベトナム系移民コミュニティの言語景観:オーストラリアと日本の事例

研究代表者:安達真弓(人間文化研究機構)

発表:安達真弓

オーストラリアと日本は共に、ベトナム戦争終了後の1975年以降、多くのベトナム難民を受け入れた経験を持つ。しかしながら、発表者によるベトナム人集住地域におけるフィールドワークに基づけば、オーストラリア(シドニー、メルボルン)の言語景観と、日本(神奈川県)の言語景観は大きく異なる。前者のコミュニティには、英語に加えてベトナム語が書かれた看板やチラシが多数掲示されているが、後者では、ベトナム語の掲示はあまり見られない。本発表では、その違いについて、コミュニティの形成過程や規模、国の移民受入政策や言語教育政策といった観点から説明を試みる。

経費名:科研費 若手研究

マムルーク朝期カイロのムカルナスの形態的特徴に関する3DCG技術を用いた研究

研究代表者:山田 弦太朗(東海大学 大学院 工学研究科 建築土木工学専攻)

発表:山田 弦太朗

ムカルナスはイスラーム建築に広くみられる天井装飾であり、この装飾の設計プロセスをコンピュータ上で再現する手法についても研究がなされている。しかし、既往研究の大部分はセルジューク朝期イランなどの事例を対象としており、その他の地域・時代の事例についてのコンピュータを用いた研究は、ほとんどなされてこなかった。そこで本研究では、エジプト・カイロ市内の、マムルーク朝期のムカルナス事例を対象とし、CG技術を用いて実際のデザインプロセスに基づいた生成プログラムを提案するとともに、プログラムの設計や実装のプロセス、実際の事例に対する適用結果などから得られる知見に基づいて、対象事例の形態の発展について検討する。

経費名:特になし


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