海外学術調査フォーラム

2013(平成25)年度 海外学術調査フェスタ 出展者一覧

ガーナのe-wasteによるPCBs汚染:International Pellet Watchによるアプローチ

研究代表者:高田 秀重(東京農工大学)

ガーナではe-waste(電気・電子機器廃棄物)が問題化しており、整備されていない環境でのe-waste解体による汚染物質の放出が懸念されている。本研究では、海岸漂着プラスチックレジンペレット(International Pellet Watch : http://www.pelletwatch.org/)を用いてガーナの残留性有機汚染物質(POPs)汚染状況の調査を行った。首都アクラ中心に東西200Kmの海岸11地点で採取したレジンペレット中のPOPsの分析を行った。西の遠隔地ではバックグランドレベルのポリ塩化ビフェニル(PCBs)が検出されたが、アクラ周辺では10倍程度高いPCBsが検出された。汚染源特定のため、堆積物の分析結果も組み合わせた。河川堆積物中のPCBs濃度はe-waste解体場の下流で高く、e-wasteが河川・海洋へのPCBsの負荷源である可能性が示唆された。

経費名:アフリカ・アジアの水環境汚染実態と汚染メカニズムの比較解析
関連URL:http://www.pelletwatch.org/

鼻NK/T細胞リンパ腫の微小高分化扁平上皮癌の合併の病理疫学的意味

研究代表者:蓮井 和久(鹿児島大学)

鼻NK/T細胞リンパ腫はアジア、特に、中国に多発している。その発癌要因として、Epstein-Barr virus (EBV)の感染が示唆されて来たが、我々は、従来から記載のある化生扁平上皮病変が微小高分化扁平上皮癌であることを癌幹細胞マーカーの一つであるsurvivinと自己貪食の免疫組織化学的検索で明らかにして来た。この合併は、病理疫学的には、EBV感染に先行する上皮系と血球系への共通した発癌要因の存在を示唆した。今後、この共通した発癌要因を鼻NK/T細胞リンパ腫細胞と病変内の上皮系細胞に生じている遺伝子等の変化から推定し、その発癌要因の排除介入研究を行いたい。

経費名:科学研究費補助金に応募予定
関連URL:http://www.ab.auone-net.jp/~khasui/

スリランカの農園地域における母子の健康と潜在能力―A.Senの潜在能力アプローチに基づく研究―

研究代表者:磯邉 厚子(聖泉大学)
研究分担者:植村 小夜子(滋賀県立大学)

スリランカの農園地域は、妊婦の貧血や低出生体重児率が高い。保健に関する目標の達成には、最も不健康な人々に焦点をあて望ましい健康状態を達成するためのひとの潜在能力を拡げることが必要である。平成24年、農園の母子の栄養不良の現状を追求するために調査を行った。出生直後の23名の子どものうち70%が強いやせ、30%が標準以下の体重であった。30%が帝王切開分娩で母親の低身長と胎児の子宮内発育不全の理由が考えられた。低出生体重児の家庭訪問では、質素な献立で台所も粗末であった。家屋等の水質検査9件では、多量の大腸菌がみられ、不衛生な居住環境も母子の潜在能力の低下に繋がると考えられた。

経費名:文部科学省 科学研究費補助金

中国黒龍江省における満洲人の言語と文化の継承実態

研究代表者:包 聯群(首都大学東京/東京外国語大学AA研究所)

本発表は中国黒龍江省三家子村を対象として実施したフィールドワークに基づき、即ち、満洲人の言語と文化の現状について実施した調査資料を基本とし、消滅に瀕している満洲語及びその文化の継承実態、政府の主導で行われている言語と文化の継承動向などについてまとめをする。また、当地域の言語維持、言語保存への取り組みについても考察を行い、言語景観などについての調査結果も公表する。

経費名:基盤研究(C) 包 聯群/「消滅に瀕する満洲語の社会言語学的研究―ドルブットモンゴル族コミュニティー言語と比較」

サハラ以南アフリカにおけるエイズ・結核研究ネットワーク構築の試み

研究代表者:服部 俊夫(東北大学)

サハラ以南のアフリカではHIV感染症は保健衛生上の課題である。Anti Retroviral Therapy(ART)が導入されているが、ARTは耐性ウイルスをもたらす。HIV感染による免疫機能低下は結核発症の要因の一つである。我々は厚生労働省科学研究費補助金により「サハラ以南アフリカにおけるエイズ・結核研究ネットワーク構築に関する研究」を実施し、東北大学と南アフリカKwaZulu-Natal大学(エイズ結核の診断と治療)、北海道大学とザンビアUniversity Teaching Hospital(抗酸菌の分子疫学)、長崎大学とケニアKenya Medical Research Institute(LAMP法の導入)、東京医科歯科大学とガーナNoguchi Memorial Institute for Medical Research(抗HIV活性物質を含む薬用植物の探索、HIVの分子疫学)、のプロジェクト間の交流を行っている。交流成果として国際感染症の教材を作成中である。

経費名:厚生労働省科学研究費補助金地球規模保険課題推進研究事業

デングウイルス感染症における炎症因子プロファイル

研究代表者:服部 俊夫(東北大学)
発表者:Haorile Chagan-Yasutan(東北大学)

デングウイルス感染症は蚊媒介感染症で、主に熱帯・亜熱帯地域に発生している。全世界では年間約1億人がデング熱を発症し、約25万人がデング出血熱を発症すると推定されている。感染地域の拡大、または感染患者の増加にも関わらず、デングウイルス感染に対する治療またワクチンがまた成立されていない。我々は2010年、フィリピンのサンラザロ病院でデング患者から急性期及び回復期にて血液検体を収集した。ガレクチン-9を測定して、デング感染症での病態重症化マーカーの可能性を解析した。また今までよく知られている炎症マーカーの29種類をBioPlex で測定、デング患者の炎症プロファイルを解析した。

経費名:基盤(A)海外学術調査

中国農用地汚染土壌における植物を用いた収益型復技術の確立

研究代表者:王 効挙(埼玉県環境科学国際センター)

土壌汚染は世界共通の地球環境問題であり、その資源としての有効利用と効率的修復手法の確立は緊急かつ重要な課題となっている。本研究では、深刻化する中国の農用地汚染土壌、特に重金属汚染土壌を対象として、バイオ燃料用植物による汚染物質の吸収・蓄積機能を利用し、汚染土壌の有効利用と修復を同時に実現できる「収益型汚染土壌修復技術」の確立を目的とする。将来は、本修復技術を普及させ、地球環境保全、バイオ燃料事業の支援等に貢献する。本発表では、中国の山西省、上海市、吉林省での現場試験及び野外研究調査の結果を公表する。

経費名:日本学術振興会科学研究補助金(基盤研究(B)海外学術調査)

地域住民主導による島嶼マラリア根絶

研究代表者:金子 明(大阪市立大学)

南太平洋・ヴァヌアツのアネイチュウム島においては、1991年開始の抗マラリア剤による集団治療と媒介蚊対策によりマラリア撲滅が達成され住民主導によるサーベイランスと殺虫剤処理蚊帳使用により長期的に維持されてきた。その取り組みを紹介するとともに、新たな日中瑞およびケニアの研究ベンチャーとして始まったケニア・ビクトリア湖当初におけるマラリア撲滅計画を紹介する。

経費名:基盤研究(B)、B.アジアアフリカ研究拠点形成型

ラオス国における自己採取型細胞診器具による子宮頸癌検診

研究代表者:吉見 直己(琉球大学大学院医学研究科腫瘍病理学)

ラオス国の女性の癌死亡の原因は子宮頸癌であり、その予防対策はなされていない。今回、首都ビェンチャン市内の6病院に中心に健常女性ボランティアに対して、自己採取型での細胞診検査を実施した。計1474名のボランティア健常人から採取できた。ベセスダ判定として、正常1190 (80.7%)、感染疑 118 (8.0%)、異常検体166 (11.3%)であった。このうち、異常検体の内訳として扁平細胞系に関しては、ASC-US 4.9%、 ASC-H 1.2%、LSIL 2.4%、HSIL 1.0%、SCC 0.2%であった。現在、ラオス国では細胞診検診システムがないため、その予備データが得られた。

経費名:平和中島財団・2012年度アジア地域重点学術研究助成

崩壊したVEGF血管新生シグナルとメタボリック症候群の潜在的な関係:バングラデシュ農村部女性での報告

研究代表者:ジェスミン サブリナ Jesmin Subrina(筑波大学)
発表者:マジェドール イスラム Majedul Islam(筑波大学)

Objective: Metabolic syndrome (MS) is associated with impaired angiogenesis where vascular endothelial growth factor (VEGF) plays a key role in angiogenesis through binding to its specific receptor, sVEGF-R1 and sVEGF-R2. The purpose of the present study was to assess circulating levels of VEGF, sVEGF-R1, and sVEGF-R2 in subjects with Metabolic Syndrome (MS) or without metabolic syndrome (non-MS) and further examined their association with clinical and metabolic parameters. Methods and results: A total of 1485 rural Bangladeshi women aged ≥15 years were studied using a population based cross-sectional survey. The prevalence rates of MS were25.05% (NCEP ATP III). VEGF levels were significantly increased in MS subjects (MS vs. non-MS:575 vs. 490, p<0.001). There were no significant relation of sVEGF-R1 and sVEGF-R2 with MS (sVEGF-R1, MS vs. non-MS: 446 vs. 667, p=0.093; sVEGF-R2, MS vs. non-MS: 8943 vs. 9400, p=0.0.344). In multivariable analyses, we found that VEGF had significant positive associations with fasting blood glucose (beta=0.181, p<0.001), BMI (beta=0.143, p<0.001), cholesterol (beta =0.101, p<0.001), non-HDL cholesterol (beta =0.091, p<0.001), LDL cholesterol (beta =0.079, p=0.007), insulin(beta =0.075, p=0.022), DBP (beta =0.064, p=0.025) and SBP(beta =0.057, p=0.048) even after adjusting for age. Multiple regression analysis revealed that fasting blood glucose (beta= 0.158, p= 0.001) and BMI (beta =0.083, p = 0.017) were independent determinants of VEGF. We also found that mean VEGF levels increased in proportion to the accumulation of components of MS. Conclusions:The correlation of VEGF needs further investigations to define the clinical utility and predictive value of serum VEGF levels in MS.

経費名:研究課題番号:22406025 科学研究費補助金 基盤B バングラデシュ農村女性のメタボリック症候群の有病率と動向ー疫学および遺伝学的研究 代表者:廣江 道昭

バングラデシュ農村部女性におけるメタボリック症候群の有病率とその詳細の包括的評価

研究代表者:シャミマ アクター Shamima Akter(筑波大学)

Objective: Metabolic syndrome (MS) is described as a cluster of abnormalities that confers an increased risk of developing atherosclerotic cardiovascular diseases and also type 2 diabetes mellitus. MS is now considered as a global epidemic; with current estimates revealing that about 20-30% of the adult population worldwide is affected by this syndrome. The purpose of the present study was to assess the prevalence of metabolic syndrome - related disorders in rural women of Bangladesh. Methods: In the present study, a total of 1485 apparently healthy rural Bangladeshi women aged ≥15 years were studied using a population based cross-sectional survey according to the World Health Organization’s STEPS approach (modified). The prevalence of MS was estimated using NCEP ATP III, modified NCEP ATP III and IDF criteria. Results: The prevalence of MS were 25.05% (NCEP ATP III), 35.56% (modified NCEP ATP III), and 17.51% (IDF), as revealed by the present study. Furthermore, 10.03% had excess waist circumference, 29.43% had elevated blood pressure, 30.57% had elevated fasting plasma glucose level, 85.05% had low HDL values and 26.87% had increased triglyceride values. Low plasma HDL level was found to be the most common abnormality in this population. Elevated waist circumference was the least frequent component. Conclusions: The present study shows a high prevalence of MS and its associated risk factors in rural Bangladeshi women. These findings are important in that they provide insights that should be helpful in formulating public health policy and in the development of future health prevention strategies in Bangladesh.

経費名:

アジア人種のための糸球体濾過量推算式作成のための国際共同研究

研究代表者:安田 宜成(名古屋大学)

慢性腎臓病(CKD)の診断と重症度分類には糸球体濾過量(GFR)による腎機能評価が必須である。申請者らは、日本人のGFR推算式を作成し、アジア諸国との国際共同研究で統一したイヌリンクリアランスプロトコールに基づきアジア系人種に適したGFR推算式を作成してきた。これまでに韓国、台湾、中国、タイ、インドとの共同研究を行い、各民族間でのGFR推算式の差異と筋肉量の影響を明らかにした。さらに国際標準化されたシスタチンC(Cys-C)によりアジア人に共通するGFR推算式を作成できる可能性を明らかにした。これらの研究成果はアジアのCKD疫学調査の基盤となる。

経費名:文科省



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