本基幹研究の公開セミナーなどの活動内容を紹介します。

2015年度

2015年度

公開シンポジウム「食と農のアフリカ史を考える」
日時:2016年3月13日(日)14:00‐19:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

プログラム:
 開会の挨拶:深澤秀夫(AA研所員)
 「『食と農のアフリカ史』の出版を記念して」:石川博樹(AA研所員)ほか
 「食と農のアフリカ史をめぐる歴史学研究の可能性」:石川博樹(AA研所員)
 「食と農のアフリカ史をめぐる人類学研究の可能性1食の視点から」:小松かおり(AA研共同研究員,静岡大学)
 「食と農のアフリカ史をめぐる人類学研究の可能性2農の視点から」:藤本武(AA研共同研究員,富山大学)
 コメント1:池上甲一(近畿大学)
 コメント2:池谷和信(国立民族学博物館)
 質疑応答
 閉会の辞:深澤秀夫(AA研所員)

第8回公開セミナー:グローバル化するマサイ・イメージのつくられ方~マサイ自身による語りに注目して~
講演者:目黒紀夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員)
日時:2016年1月28日(木)17:50~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
共催:日本アフリカ学会関東支部

概要:おそらくはアフリカでもっとも有名な民族「マサイ」。たとえ、その文化や社会、歴史を知らなくても「マサイ」という名前は聞いたことがあるという人が多いのではないだろうか。そして最近では、そんな「マサイ・イメージ」を利用するNGOや企業も増えている一方で、マサイ自身も自らのイメージをセルフ・プロデュースするようになっている。今回のセミナーでは、そんな「グローバル化するマサイ・イメージ」としてどのようなものがあり、それを誰がどのようにつくっているのかを検討することをつうじて、現代アフリカで進展するグローバル化の一側面を描き出すことを試みたい。

第7回公開セミナー:アフリカのアニメーション~その表現の挑戦~
講演者:クラベール・ヤオメゴ(Africartoons Studio)
日時:2016年1月21日(木)17:45~20:00
上映作品:
 1. 野ウサギとライオン(8分)
 2. ソアンバ,サバンナの王様(10分)
 3. 氾濫(1):プラスチックごみ(30分)
コメンテーター:岡崎彰(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー)
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
共催:NPO法人FENICS

概要:今回の公開セミナーで講師を務めるのは、西アフリカ・ブルキナファソ出身のヴィジュアル・アートの専門家である。これまでにアフリカ最大の国際映画祭であるフェスパコ(FESPACO)で複数の作品が上映されており、さまざまな賞にノミネートされたり受賞をしたりしている。講師が作成したアニメーションを実際に見ながら、現代アフリカにおいてどのようなアニメーションがつくられているのか、それがこれからのアフリカでいかなる意味を持ちうるのかといったことを議論してみたい。

第6回公開セミナー:個体主義にもとづく共生の論理~東アフリカ牧畜民の日常生活から~
講演者:波佐間逸博(長崎大学多文化社会学部准教授)
日時:2015年12月18日(木)17:45~19:45
コメンテーター:北村光二(岡山大学大学院社会文化科学研究科教授)、佐川 徹(慶応義塾大学文学部助教)
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所小会議室(302)
共催:日本アフリカ学会関東支部

概要:東アフリカ、ウガンダ共和国の北東部に居住するカリモジョンとドドスの人びと。かれら牧畜民が乾燥サバンナ帯で営む日常の中では、<響きあう個>という実感が、家畜と人間あらゆる他者とともにある生活をどこまでも貫いているようにみえる。今回のセミナーではウシ・ヤギの擬人化と人間の擬獣化、家畜強奪(レイディング)と武装解除介入における共同体の成員、「友」といった対他関係の構成に注目する。<種を超える個体主義>は、集団が個に優越するという階層構造を鋳型とする近代の認識とどのように異なっているのか。そして、そのようなサバンナの知はどのように未来の共生に向けた希望の源となっているのか。わたしたちの生のあり方も見据えながら考えてみたい。

第5回公開セミナー:テクノロジーがアフリカにもたらすインパクトと恐れの影響
講演者:ゴードン・アイネビョーナ(マケレレ大学)、クリスティン・ンババジ・ンピャング(マケレレ大学)
日時:2015年12月15日(月)16:00~18:00
会場:東京外国語大学研究講義棟221
共催:日本アフリカ学会関東支部、NPO法人FENICS

概要:今日のアフリカ、とりわけ都市部においては、携帯電話もパソコンもインターネットも決して珍しいものではなくなりつつある。そして日本と同じように、日々新しいテクノロジーが流入してきてもいる。今回の公開セミナーではウガンダのマケレレ大学の研究者2名を講演者として招き、近年の新たなテクノロジーがウガンダにおいて何をもたらしているのかを話してもらう。アイネビョーナ氏には「ウガンダにおけるテクノロジーの犯罪へのインパクト」について、またンピャング氏には「アフリカの規範と価値にたいする脅威としてのテクノロジー」について講演をしてもらう予定である。

第4回公開セミナー:アフリカ農村における教育と家族をめぐる女性の語り
講演者:有井春香(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
コメンテーター:児玉由佳(アジア経済研究所主任研究員)
日時:2015年11月4日(水)17:40~19:40
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(306)
共催:日本アフリカ学会関東支部

概要:アフリカで学校教育が広まるなかでは、それは人びとの生き方にさまざまな変化をもたしている。ただし、学校教育の影響が議論されるとき、それが焦点を当てるのは「学んだ人」であって「学ばなかった人」ではない。今回の公開セミナーでは、エチオピア南西部の農村に暮らすマーレの女性が語るライフストーリーを検討することをつうじて、学校教育が「学ばなかった人」の人生の解釈にどのような影響をおよぼしているのかを考えてみたい。自分は正規の学校教育を受けていないのに何人もの娘を学校にかよわせて卒業させた老女は、どのような語りを聞かせてくれるだろう。

第3回公開セミナー:アフリカの問題はアフリカ人自身で~ナイロビのスラムで建築家たちがはじめた実践~
講演者:ディック・オランゴ(ATELIERS OLANGO ARCHITECTURE & DESIGN)
日時:2015年11月2日(月)17:45~19:45
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
共催:日本アフリカ学会関東支部、NPO法人FENICS

概要:アフリカは今なお多くの問題を抱えているけれども、外からの援助をただ待つのではなく自ら実践的な活動をはじめているアフリカ人もいる。今回の公開セミナーの講演者は、奨学金を取得して来日したのち、日本の高等専門学校と大学で建築学を学んだ。そして現在、建築士としての仕事を日本でおこなうかたわら、ケニアの首都ナイロビのスラムで小学校などを設計・建築するプロジェクトを開始している。そのプロジェクトにはスラムに暮らす住民だけでなく、日本とケニアの学生も参加している。プロジェクトの紹介を通じて、今日のアフリカの都市が抱えるスラムの問題や日本とアフリカの関係について議論をしてきたいと思う。

第2回公開セミナー:現代アフリカにおける都市―農村関係~ザンビア農村部における生計変容と中小都市との相互作用~
講演者:伊藤千尋(横浜市立大学客員研究員)
コメンテーター:上田 元(一橋大学教授)
日時:2015年7月2日(木)17:00~19:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:日本アフリカ学会関東支部

概要:アフリカ農村部に暮らす人びとは、干ばつなどの自然環境変動、市場自由化やグローバリゼーションといった社会・経済変動に対峙している。このような状況のなか、現在では農業以外の経済活動が人びとの生計活動のなかに積極的に取り入れられている。今回の公開セミナーでは、南部アフリカ・ザンビア共和国の南部の農村における生計活動の変化が、都市との相互作用――とくに中小都市との密接な関わり――を背景として生じていることを報告してもらう。そして、現代アフリカにおける都市―農村関係の一端を考察するとともに、今後も人口増加が予測されるアフリカにおいて、都市と農村を所与の領域・部門としてではなく、人と資本のネットワークとして柔軟にとらえることの重要性について考えたい。

第1回公開セミナー:アフリカの普段着のしたたかでディープな日常世界に出会う方法~「庶民のわざ」の感性・創造性の特質と「自己の他者性」について~
講演者:岡崎 彰(元一橋大学教授、アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー)
コメンテーター:鈴木裕之(国士舘大学教授)
コラボレーター:モハメド・オマル・アブディン(東京外国語大学助教)、オズワルド・クアメ(音楽家)
日時:2015年6月18日(木)17:40~19:40
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
共催:日本アフリカ学会関東支部

概要:エイズ、エボラ、ボコ・ハラム、内戦、難民、援助、地下資源、汚職などのニュースの影で綿々と営まれてきた、普段着のしたたかでディープなアフリカの日常にはどう出会うことができるのか? この歴史的にも自然環境の面でももっとも過酷な大陸で、厳しい生活状況にあっても人びとはなぜ笑みを絶やさずに生を謳歌できるのか? J-Popすらアフリカの感性の影響なくしてはあり得なかったというのは本当か? 音楽・ダンス、演技、冗談、話芸、デザイン、ファッションなどの話題をとりあげながら、特にこれからアフリカについて研究したいという学生を刺激しながら一緒に考えてみたい。

2014年度

2014年度

第6回公開セミナー:「アフリカ農村の生産者とグローバルな流通チェーンをつなぐために~仲介業者の集荷実践からみるガーナ北部の手工芸品生産の存立形態~」
講演者:牛久春香(京都大学)
日時:2015年2月3日(火)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:日本アフリカ学会関東支部

第5回公開セミナー:「酒を主食として生きる人びとの生活~エチオピア南部デラシェ地域の事例~」
講演者:砂野唯(京都大学)
日時:2014年12月18日(木)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:日本アフリカ学会関東支部、企画団体FENICS

第4回公開セミナー:「アフリカにおける近代建築の普及」
講演者:小倉暢之(琉球大学)
日時:2014年12月6日(土)16:00~18:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:日本アフリカ学会関東支部

第3回公開セミナー
講演者&演題:
  辻明日香(東京大学東洋文化研究所/日本学術振興会特別研究員PD)「北東アフリカ史研究のためのコプト教会関連資料群:
    聖人伝資料を中心に(仮題)」
  石川博樹(AA研所員)「北部エチオピアにおける歴史叙述の種別とその特質」
日時:2014年11月29日(土)14:00~18:30
会場:本郷サテライト5Fセミナールーム
共催:共同利用・共同研究課題「アフリカに関する史的研究と資料」

第2回公開セミナー:(アフリカ入門)「ローカルNGOのグローバルな活躍~アフリカゾウとの共存をめざすタンザニア人の挑戦~」
講演者:ダミアン・トビアス・マゴリ(セレンゲティ開発調査環境保全センター)
日時:2014年7月7日(月)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:(特活)アフリック・アフリカ、日本アフリカ学会関東支部
ポスターはこちら

タンザニアのセレンゲティ県で活動しているNGO、セレンゲティ開発調査環境保全センターのダミアン氏をお招きして公開セミナーを開催しました。講演では、野生動物観光の名所として世界的に有名なセレンゲティ国立公園の周辺では、人間と野生動物が同じ土地の上で共存していることや、アフリカゾウによる農作物への被害が最近に増加し住民もアフリカゾウを憎んだり嫌ったりするようになっていること、そして、そうした状況を改善して人間とアフリカゾウが共存できるようにと、養蜂箱を利用したアフリカゾウ対策をセレンゲティ開発調査環境保全センターが進めていることが紹介されました。セミナーの後半では、参加者から住民とアフリカゾウとの歴史的・文化的な関係や農作物被害の深刻さ、養蜂箱を用いた対策の可能性、タンザニアの環境政策などについて多数の質問が出され、ダミアン氏から熱心な回答と説明がされました。

第1回公開セミナー:(アフリカ入門)人間と野生動物の共存をめぐるポリティクス~バッファローがマサイを殺すと、誰が、何をいう?~
講演者:目黒紀夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員
日時:2014年6月10日(火)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
ポスターはこちら

ケニア南部の牧畜民マサイ社会を対象として調査を行ってきた東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の目黒紀夫氏に講演していただきました。講演では、野生のバッファローが地域の青年を殺したことをきっかけとして生じた報復としての狩猟やコミュニティと政府との交渉、各種メディアにおける事態の報道の内容が説明されました。そして、どのような主体がどのように問題をとらえて行動・発言しているのかを整理したうえで、野生動物保全にかかわる権益をもとめてさまざまな主体が事態に介入するなかでは、野生動物の害や危険性に直面しながら共存している住民の声がかき消されていることが指摘されました。質疑応答では、今日の野生動物保全の政策が植民地支配の遺産としての側面を強く持っている点や、さまざまな利害関係者のあいだでフィールドワークを行う研究者の立ち位置をめぐって議論が交わされました。

2013年度

2013年度

第6回公開セミナー:女性、人種、植民地主義~20世紀中葉南アフリカにおけるアフリカ人女性全国評議会の活動を中心に~
講演者:大澤広晃 (国際基督教大学アジア文化研究所研究員)
日時:2014年2月1日(土)16:00~18:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

第5回公開セミナー:アフリカ農民の生計変化~紛争国周辺農村における創造性と限界~
講演者:村尾るみこ (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員)
コメンテーター:小倉充夫氏(津田塾大学)、小松かおり氏(静岡大学)
日時:2014年1月30日(木)16:00~19:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:日本アフリカ学会関東支部

第4回公開セミナー:セネガルの農民組織~ママドゥ・ジャの思想とFONGSの展開~
講演者:三浦敦(埼玉大学教授)
コメンテーター:真島一郎(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)、佐久間寛(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニアフェロー)
日時:2013年9月14日(土)15:00~19:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

第3回公開セミナー:第一次大戦時、セネガル歩兵徴発をめぐる二人の政治家
講演者:小川了(東京外国語大学名誉教授)
コメンテーター:落合雄彦(龍谷大学)、深澤秀夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)、真島一郎(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時:2013年7月21日(日)15:00~19:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

トークイベント「FIELD+café アフリカの食~人と植物が織り成す歴史と文化~」
講演者&演題:
 藤本武(富山大学)「エチオピアの酸っぱい食文化をめぐって~山地社会でのフィールドワークから~」
 石山俊(総合地球環境学研究所)「サハラは不毛にあらず、ナツメヤシをめぐる人間の知恵~アルジェリアの小さなオアシスからの報告~」
司会:石川博樹(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時:2013年7月13日(土)19:00~20:30
会場:サロンド冨山房FOLIO (東京都千代田区神田神保町1-3 冨山房B1)
共催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所『Field+』編集部、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「歴史的観点から見たサハラ以南アフリカの農業と文化(2)」、総合地球環境学研究所プロジェクト「アラブ社会におけるなりわい生態系の研究~ポスト石油時代に向けて~」

第5回アフリカ開発会議(The Fifth Tokyo International Conference on African Development)に参加
日時:2013年6月1日~3日
会場:パシフィコ横浜展示ホール

第5回アフリカ開発会議(TICAD V)にブースを出展しました。アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)および本基幹研究の紹介、そして以下のとおり苅谷および村尾の研究に関するパネルを展示しました。
  苅谷康太「アラビア語資料の分析に基づく西アフリカ・イスラーム地域研究」
  村尾るみこ「アフリカ南部、国境地帯の農村における社会経済の動態に関する研究」

第2回公開セミナー:Writing African History in a TimeTime of Liberation and Beyond(1960年代から現在までの主に米・英・仏のアフリカ史研究について)
講演者:Frederick Cooper(ニューヨーク大学)
日時:2013年7月6日(土)15:30~18:00
会場:東京外国語大学本郷サテライト7階会議室
共催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「アフリカ史叙述の方法にかんする研究(代表:永原陽子)」

第1回公開セミナー:The History of Books, Libraries and Reading in West Africa(西アフリカにおける書物,図書館、読書の歴史)
講演者:Shamil Jeppie(ケープタウン大学人文学部歴史学科)
日時:2013年5月24日(金)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)
共催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「アフリカ史叙述の方法にかんする研究(代表:永原陽子)」

2012年度

2012年度

公開国際シンポジウム:Mobility, Hibridity and the Way to Co-existence: Re-structuring of Daily Life in Rural and Urban African Societies
日時:2013年2月8日(金)・9日(土)
会場:日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター(JSPS Nairobi Research Station、ケニア共和国ナイロビ)
共催:日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター
プログラムはこちら

第6回公開セミナー:(アフリカ研究入門)ヘアサロンからみる現代ガーナ女性~美容師業がひらく新たなジェンダー関係の可能性~
講演者:織田雪世(日本アフリカ学会)
日時:2013年1月15日(火)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

第5回公開セミナー:Becoming Zimbabwean: Identity, Nationalism and State Building in the Historical Context of Southern Africa(ジンバブウェ人になる~南部アフリカの歴史的文脈におけるアイデンティティ、ナショナリズム、国家建設~
講演者:Alois Mlambo(南アフリカ・プレトリア大学歴史・遺産研究学部教授)
日時:2012年11月20日(木)18:00~20:00
会場:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー19階D会議室

第4回公開セミナー:Racism: Durban and Beyond(人種主義~ダーバン会議を超えて~)
講演者: Pierre Sané(同志社大学特別招聘教授)
日時: 2012年7月5 日(木)18:00~20:00
会場: 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階C会議室

7月4日に開催された公開講演会「Poverty: The Next Human Rights Challenge(貧困~人権のための挑戦課題~)」に続き、同志社大学特別招聘教授のPierre Sané氏に講演をしていただきました。南アフリカで開催されたダーバン会議において、複雑化する差別に関わる諸相を見直し、差別を撤廃していくことをめざした反人種主義・差別撤廃が話し合われたことについて触れながら、人種主義に関わる様々なチャレンジに取り組む視点や視座について解説していただきました。詳細はこちら

公開講演会:Poverty: The Next Human Rights Challenge(貧困~人権のための挑戦課題~)
講演者: Pierre Sané(同志社大学特別招聘教授)
日時: 2012年7月4日(水)17:40~19:10
会場: 東京外国語大学研究講義棟115番教室

同志社大学特別招聘教授のPierre Sané氏にお越しいただいて、人権問題からみた貧困をめぐる諸課題について講演していただきました。特に、人権侵害とも関連する差別や不平等が、いかにアフリカをはじめ世界各地の貧困と関連しているかについて、詳しく解題していただきました。詳細はこちら

第3回公開セミナー:(アフリカ研究入門)インド洋の中のマダガスカル~マダガスカル人の起源からマダガスカルの独立まで~
講演者: 深澤秀夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時:2012年6月19日(火)18:30~20:30
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

マダガスカルで長年にわたり社会人類学的調査を行ってきた東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の深澤秀夫氏に講演していただきました。講演では、マダガスカルでの人びとの生活文化について、民族集団、言語、生業などからご説明いただきました。また、同地での生活に深く関連する植民地化の歴史を丹念に解説していただきました。質疑応答では、時代ごとに見られる植民地との関係や、さまざまな外部社会との交流の在り方による社会文化的変遷などについて、活発な議論が交わされました。

第2回公開セミナー:Gendering History: Muslim Women and Power in a Matrilineal Northern Mozambique(ジェンダーの視点から歴史を見る~北部モザンビーク母系制社会におけるムスリム女性と権力~
講演者:Liazzat J. K. Bonate(ソウル大学人文学部)
日時:2012年5月29日(火)18:00~20:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301) 

ソウル大学人文学部から、アフリカ史がご専門のBonate氏をお招きして講演していただきました。Bonate氏は、アフリカにおけるムスリム/イスラーム、ジェンダー、女性に関する研究動向や課題について、アフリカの母系制社会とムスリムの慣習との齟齬などに触れ、アフリカの人びとへの偏見や差別との関連性や、オリエンタリズム的な見解の存在を指摘しました。また、研究対象としているモザンビークのムスリム女性に関する研究が、アフリカン・フェミニストによって担われていたことや、アフリカ女性問題への傾倒、伝統と直結するネガティブなテーマとして事実を覆い隠してきたこと等について解説されました。最後に、北部モザンビーク女性をとりまくさまざまなレベルでの権力関係と学術動向を総合して、現地の具体的事例からのムスリム女性研究へのアプローチの重要性を指南されました。北部モザンビーク社会におけるジェンダーや、モザンビーク社会の女性たちの現状、またモザンビークの学術界におけるムスリム女性に関する実証的研究への姿勢についてなど、質疑応答が多数交わされました。

第1回公開セミナー:(アフリカ入門)「伝統衣装」をまとってあゆむ「グローバリゼーション」の道すじ~ケニアの牧畜民サンブルの「戦士」とビーズ装飾~
講演者:中村香子(京都大学アフリカ地域研究資料センター機関研究員)
日時:2012年4月24日(火)18:30~20:30
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

講師の中村氏が、マサイ系の牧畜民であるサンブルを事例に、この半世紀のあいだに驚くほど派手になった彼らのビーズ装飾を写真や実物で紹介しながら、彼らがあゆんでいるユニークな「グローバリゼーション」の道すじとその背景に焦点をあてて講演なさいました。そして、彼らが外部社会と相互に影響を及ぼしあいながら自身を飾りたて生計をたてている現状が、サンブルが苦境に立たされていることを示すものとも言及されました。会場には、東京外国語大学の様々な学部の方をはじめ、学外のアフリカ研究者や国際協力の現場で働く方など多くの方が来場し、現地のビーズをめぐる多様な社会関係や、彼らの伝統や現金収入活動に対する考え、女性のおしゃれの実態など質疑応答がさかんに交わされました。

2011年度

2011年度

府中市生涯学習セミナー 東京外国語大学連携講座「アフリカのいまを考える」
開催日と講演者:第1回(2012年2月13日)椎野若菜/第2回(2012年2月20日)石川博樹/第3回(2012年3月12日)永原陽子/第4回(2012年3月19日)村尾るみこ
会場:府中市生涯学習センター

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の4人のアフリカ研究者が、21世紀のいま、アフリカの人々がどのような問題と直面しながら生きているのか、そのことと日本の私たちの日常とはどのようにかかわっているのか、それぞれの角度からお話ししました。また、会場の府中市生涯学習センター1階にて写真展を開催し、第1回から4回まで来場された方をはじめ、多くの方に、アフリカの日常からアフリカのいまを感じていただきました。

第1回 椎野若菜「アフリカ女性の社会進出~『シングル』に注目して~」
近年、アフリカの都市化は加速し、また世界的な動きとして国をまたいで行き来して生きる人たちも多くなってきました。それにともなってアフリカにおける男女の生き方をめぐるさまざまな価値観も大きく変化し、「シングル」の存在も際立ってきています。日本の状況とも比べながら考えてみたいと思います。
第2回 石川博樹「アフリカの悲劇が問いかけるもの~ルワンダ大虐殺の背景と教訓~
アフリカの小国ルワンダで1994年に起こったルワンダ大虐殺。3ヶ月あまりのうちに50万人以上の人々が犠牲になったこの大虐殺について、その歴史的背景や日本を含めた国際社会との関わりを中心に、映像資料を交えて解説します。
第3回 永原陽子(AA研教授)「ウランを産み出すアフリカ~3.11後からの視点~」
アフリカは世界のウランの重要な産出地です。アフリカ最大のウラン産出国ナミビアで、日常的に放射線による健康被害に脅かされながら働く鉱山労働者たちの暮らしに着目し、福島とアフリカのいまを結ぶものを考えてみます。
第4回 村尾るみこ「食料の安全保障問題からアフリカを考える」
アフリカでは、農業生産をいかに合理化して食料不足を克服するかという面から、食料の安全保障問題が注目を集めています。バイオ燃料や食料輸入を通じたこの問題と日本との関わりや、現地の農業生産にみられる工夫を紹介することで、アフリカの未来を考えます。

公開国際シンポジウム:Reading African Cities: Nairobi, Gondar, & CApe Town(アフリカ都市を読む~ナイロビ・ゴンダール・ケープタウン~)
日時:2011年12月17日(土)・18日(日)
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

2011年12月17日
第1セッション「ナイロビ~フィールド3Dマッピングプロジェクト~」
報告1:椎野若菜(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)「ナイロビ~変化の記憶を探す~」
報告2:Charles Ndegwa MUNDIA (Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology), "Analysis of Nairobi City by GIS"
報告3:野口靖(東京工芸大学)「ナイロビを3Dで表現する」

特別セッション「アフリカ都市文化のいま」
報告1:大門 碧(日本学術振興会 & 京都大学大学院)「ウガンダの首都カンパラにおける若者たちの「カリオキ」ショー~その背景と社会的意義~」
報告2:SUGEE(The ARTH)「日本とアフリカにおけるdjembeの世界」

2011年12月18日
第2セッション「ゴンダール~エチオピアの都市建築と近代化~」
報告1. 石川博樹(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)「アフリカの石造建築~エチオピアのゴンダール様式~」
報告2. 設楽知弘(毛利建築設計事務所)「ゴンダールの都市・建築の形成、イタリア占領による変容、そして現在」

第3セッション「ケープタウン~様々な分析スケールからの都市叙述の試み~」
報告:寺谷亮司(愛媛大学)
コメンテーター:牧野久美子(アジア経済研究所)、永原陽子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)

独自の都市文化を持つとともに、植民地化のなかで数多くの都市が形成されたアフリカ。独立後現在に至るまでアフリカにおける都市の重要性はますます高まり、都市研究はアフリカ研究の中でも重要なトピックの1つになっています。本シンポジウムでは、ナイロビ(ケニア)、ゴンダール(エチオピア)、ケープタウン(南アフリカ)というアフリカの3つの都市を対象に、歴史学、地理学、GIS、文化人類学、メディアアートの専門家たちがそれぞれの立場を活かし、協働し、都市を読み解くことを試みました。2日間3つのセッションで構成された本シンポジウムを通じては、実証的・理論的両面をつなぐ学際的なアフリカ都市研究推進に資する、活発な議論が交わされました。各発表の要旨はこちら

第6回公開セミナー:Diseases, Health and Community: Struggles of Medical Doctors and Social Scientists in East Africa(疾病、健康、コミュニティ~東アフリカにおける医師と社会科学者の取り組み~)
講演者と演題:
 Mohamed Karama(ケニア中央医学研究所〈ケニア〉),The Role of Primary Health Care.pdfThe Role of Primary Health Care in Reversing the Disease Burden in Kenya(ケニアの疾病負荷改善におけるプライマリ・ヘルスケアの役割)当日配布資料はこちら
 Joan Muela Ribera(ロビラ・イ・ビルジリ大学〈スペイン〉& PASS International(国際NGO),Medical Ethnography, Gender Inequalities and the Social Responsibility of Anthropologists(医療民族誌,ジェンダー不均衡,そして人類学者の社会的責務)当日配布資料はこちら
司会:増田研(長崎大学)
日時: 2011年11月30日(水)18:00~20:30
場所: 東京外国語大学本郷サテライト7階会議室

第5回公開セミナー:(アフリカ入門)アフリカで護られる野生動物保全の今~ゾウと同じ大地で暮らす人びと~
講演者:目黒紀夫(日本学術振興会特別研究員PD & 東京大学大学院)
日時:2011年11月8日(火)18:00~20:00
場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

ケニアのマサイの人びとの環境利用と野生動物保全との関わりをご研究されている目黒紀夫氏をお招きし、最新の情報を交えて講演していただきました。講演では、マサイの人びとの生活変化について、スライドを交えわかりやすく説明いただきました。また、アフリカでの野生動物保全のあり方が、マサイの人びとの生活からいかなる形であるべきかを、長期間のフィールドワークによる具体的なデータから示唆していただきました。質疑応答では、マサイの人びとの生活の将来像や、ケニアにおける社会経済的変化との関わり、マサイの人びとの移動史と土地利用の変遷との関わりなどについて活発な質問や議論が交わされました。

International Symposium "Approaches and Methodologies of Field Research in Africa"
日時:2011年9月1日(土)・2日(日)
会場:日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター(ケニア共和国ナイロビ)

基幹研究「アフリカ文化研究に基づく多元的世界像の探求」は、日本学術振興会ナイロビ研究連絡センターと共催でシンポジウムを行いました。本シンポジウムでは、アフリカをフィールドとする日本の人類学者が、これからのアフリカ調査研究の方法論を、アフリカの研究者、調査地の人とともに構築する方向性を議論しました。
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トークイベント「FIELD+café 素顔のアフリカ女性たち」
演題:エチオピアの女性兵士と戦後20年
講演者:眞城百華(津田塾大学国際関係研究所研究員、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員)
司会:椎野若菜(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時:2010年7月22日(金)19:00~20:30
場所:サロンド冨山房FOLIO (東京都千代田区神田神保町1-3 冨山房B1)

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)では2009年より新しい広報誌『Field+』の刊行を開始しました。7月15日発売開始の第6号の巻頭特集「素顔のアフリカ女性たち(責任編集:永原陽子)」は、AA研基幹研究「アフリカ文化研究に基づく多元的世界像の探求」の一環として組まれたものです。第6号の発売開始を記念して7月22日(金)にトークイベント「FIELD+café 素顔のアフリカ女性たち」を『Field+』編集部および基幹研究 アフリカ班の共催で開催しました。今回は、本誌巻頭特集「素顔のアフリカ女性たち」の著者の一人であり、エチオピア近現代史、国際関係学を専門とする研究者、眞城百華さんをお招きし、エチオピア内戦を戦い抜いた元女性兵士たちの素顔についてお話しいただきました。会場には、アフリカの女性や平和構築、DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)などに興味をお持ちの方をはじめ、アフリカについて広く関心をお持ちのみなさんにお越しいただき、トークの後、多くの質問をいただきました。アットホームな雰囲気のなかで、自ら戦闘に参加していった女性の意気込みや、彼女たちが生まれ育った農村における日常生活への影響等、眞城さんのお話からアフリカに生きる人びとについてもっと知りたいという熱心な質疑応答の内容となりました。

第4回公開セミナー:A Biography of Moremi Game Reserve in the Okavango Delta, Botswana: People, Wildlife and Conservation in Africa(ボツワナ・オカヴァンゴ・デルタのモレミ野生動物保護区の歴史~アフリカにおける人間、野生動物、コンサベーション~)
講演者:Maitseo M. M. Bolaane(ボツワナ大学歴史学科〈ボツワナ〉& 国立民族学博物館)
日時:2011年7月19日(火)19:00~21:00
会場:東京外国語大学本郷サテライト7階会議室

1950年代から60年代にかけてのボツワナ北部における野生動物保護のポリティクスについて,ボツワナ大学歴史学科のMaitseo Bolaane先生にご講演いただきました。講演では、オカヴァンゴ・デルタに位置するモレミ野生動物保護区が設置されるにあたり,ローカル・コミュニティーはいかに関与したのか、アフリカにおけるその歴史経緯の特殊性をふまえてご説明いただきました。質疑応答では観光開発事業との関係性や地域住民の意識の変化等について活発な議論がおこなわれました。

第3回公開セミナー:Urban life-worlds of Cameroonians in Dubai(ドバイにおけるカメルーン人たちの都市生活世界)
講演者:Michaela Pelican(チューリヒ大学社会・文化人類学科 & 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
日時: 2011年7月13日(水)19:00~21:00
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)
*共催:科研費若手研究(A)「アフリカにおける先住民運動の展開と地域社会の再編に関する比較研究」(代表:丸山淳子)、日本アフリカ学会関東支部、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究「中東・イスラーム圏における人間移動と多元的社会編成」

アフリカとアジアという2つの巨大市場を結び付けているアラブ首長国連邦のドバイに居住するカメルーン人の生活世界について,チューリッヒ大学社会・文化人類学科のMichaela Pelican博士に講演していただきました。講演では、カメルーン共和国とドバイでの人類学的調査をもとに、ドバイにおけるカメルーン人の居住形態や就業、宗教実践等に関する現状を総合的に解説され、ドバイという巨大都市での社会ネットワーク構築の実態を明示されました。このほか、ドバイが急速に経済成長を遂げるなかで、彼らの抱える社会経済的困難についても言及されました。参加者からは同じアフリカ人コミュニティのなかでの特性やドバイ社会の格差が生活世界の編成に与える影響、カメルーンからの移住に伴う社会問題などについて質問が出るなど、盛んな議論がおこなわれました。

第2回公開セミナー:Migration Regimes and the Politics of Difference in Contemporary Southern Africa(現代南部アフリカにおける移民管理体制と差異の政治)
講演者:Scarlett Cornelissen(ステレンボッシュ大学政治学科〈南アフリカ共和国〉)
日時: 2011年6月28日(火)18:00~20:00
会場: 東京外国語大学本郷サテライト7階会議室

「虹の国」として知られる南アフリカ共和国の移民管理体制について、その政治経済的側面に注目されているScarlett Cornelissen 教授にご講演いただきました。会場には南アフリカ、および移民研究を専門とする関係者が集まり、南アフリカの政治経済や周辺国からの人の流入に伴うジェンダー・"人種"・南アフリカ人間の社会問題、他のアフリカ諸国と比較したときの政策面での特徴等について活発な議論が交わされました。

第1回公開セミナー:(アフリカ入門)現代東アフリカ社会における観光業~売り物としての「アフリカ」~
講演者: 井上真悠子(日本アフリカ学会)
日時:2011年 6月21日(火)18:00~19:30
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

2011年度第1回公開セミナーは、主としてこれからアフリカ研究を志す方たちを対象にアフリカ研究のフロンティアを紹介する「アフリカ入門」を開催しました。今回はアフリカのお土産物の絵画として有名な「マサイ」や「ティンガティンガ」を研究されてきた井上真悠子氏を講師にお招きして、絵画の生産者・小売業者の日常生活や仕事場での制作過程について映像を交えながら解説していただきました。そして現地における土産物商売の「戦略」が、いかに「他者」として彼らをとりまく世界と関連して編み出されたか、さらには今後のお土産物業の展開などをお話していただきました。会場では、参加した大学生・大学院生、NGOの方らを交え、井上氏の調査手法やアフリカのお土産業者の可能性などについて、多くの質疑が応答が交わされました。

2010年度

2010年度

映像とトーク:「標本」にされた先住民女性~サラ・バールトマンの生涯と「帰還」~
解説:永原陽子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時: 2011年3月4日(火)19:00~21:00
場所: 東京都渋谷区女性センターアイリス
共催:アジア女性資料センター(http://ajwrc.org/jp/

2010年10月25日に上映したThe Life and Times of Sara Baartmanを、アジア女性資料センターとの共催で上映しました。多数の方に参加していただき、質疑応答では、植民地主義、人種主義、ジェンダーがひとりの女性の身体のうえに及ぼした暴力については、あるいはそのような暴力に対する認識の転換、そして歴史的正義の実現に関して活発な議論が交わされました。

公開シンポジウム:文化財・人体の略奪と返還~植民地責任論の視点から~
日時: 2010年12月12日(日)10:00~18:00
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所大会議室(303)
講演者&演題:
 メモリ・ビワ(南アフリカ、ウェスタンケープ大学)「サラ・バールトマン、人間の展示・収集とジェノサイド~集合的記憶の返還のポリティクス~」
 柳美那(韓国、国民大学)「日本の文化財「返還」からみた植民地支配の「残像」と「精算」の虚像」
 真城百華(津田塾大学)「エチオピアにおけるオベリスク返還」とイタリア侵略・支配「責任」」
司会:網中昭世(日本学術振興会)

植民地支配にかかわる文化財の流出とその返還については、現在、世界の各地で大きな議論となっています。アフリカからヨーロッパに運ばれ、「科学調査」の対象とされ、博物館などに展示された人骨(場合によっては生きたまま運ばれた人々とその遺骨)の返還を求める声も高まっています。「文化財」と「人体」の略奪は重なり合いながら、植民地主義の歴史を形成してきました。このシンポジウムでは、実際に「返還」が行われた事例について3名の方々に報告していただきました。質疑応答では、21世紀の今日、なぜ、「文化財」や「人骨」の返還を求める人々が増えているのか、それは植民地主義と脱植民地化の歴史とどのようにかかわっているのかといった問題について活発な議論が交わされました。

第4回公開セミナー:The Return of Sara Baartman(サラ・バールトマンの帰還)上映会
解説:永原陽子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時: 2010年12月7日(火)18:15~20:15
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所大会議室(303)

この公開セミナーでは、南アフリカの映画監督ゾラ・マセコ(Zola Maseko)が製作したサラ・バールトマンの生涯に関するドキュメンタリーThe Life and Times of Sara Baartmanの続編にあたるThe Return of Sara Baartmanを上映しました。

第3回公開セミナー:The Life and Times of Sara Baartman(サラ・バールトマンの生涯と時代)上映会
解説:永原陽子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
日時: 2010年10月25日(月)18:15~20:15
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所大会議室(303)

今からちょうど200年前、南アフリカの先住民コイコイの女性サラ・バールトマンがヨーロッパに連れて行かれました。サラは「ホッテントット・ヴィーナス」としてロンドンやパリの見世小屋にかけられました。死後は解剖され、脳と女性器がホルマリン漬けにして保存され、骨格標本・蝋人形とともにパリの博物館で1970年代半ばまで展示され、その後も保管されていました。この公開セミナーでは、南アフリカの映画監督ゾラ・マセコ(Zola Maseko)が製作したサラ・バールトマンの生涯に関するドキュメンタリーThe Life and Times of Sara Baartmanを上映しました。

第2回公開セミナー:African Studies and the Medium of Photography(アフリカ研究と写真というメディア)
講演者:Heike Behrend(University of Cologne, Germany & 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所客員教授)
日時:2010年7月4日(日)11:00~13:00
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディア会議室(304)

ケルン大学教授であり、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所客員教授でもあるハイケ・ベーラント教授に、ヨーロッパ人がアフリカ人を「測定」していた時代の写真から、インド人によるスタジオ写真、そしてケニアの人びと自身によるスタジオの設営と彼ら自身のための写真への移り変わりまでを解説していただきました。教授は人類学者が撮影した写真が物語るフィールドの様子や写真撮影とフィールドワークのあり方などを事例として人類学研究と写真との関係を論じ、話しは「写真というメディアの特質」というテーマにまで及びました。写真家やアフリカ文化に関心のある方をはじめ、大学の研究者・大学院生・大学生の方々に多数ご参加いただき、鋭いコメントや質問が数多く寄せられ、活気ある講演会となりました。

公開ワークショップ「アフリカ文化研究に基づく多元的世界像の探求にむけて」
講演者:永原陽子、深澤秀夫、河合香吏、椎野若菜、石川博樹
日時: 2010年6月18日(金)18:15~20:15
会場: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

この公開セミナーでは、まず永原が基幹研究「アフリカ文化研究に基づく多元的世界像の探求」の発足の趣旨、および今後の研究活動の方針について解説しました。次いで椎野が日本における科学研究費を用いたアフリカ研究の軌跡を、石川がアジア・アフリカ言語文化研究所におけるアフリカ関連共同研究プロジェクトの軌跡を解説しました。その後メンバー5人がそれぞれのこれまでの研究活動を紹介するとともに、本基幹研究における今後の研究に関する抱負を述べました。質疑応答においては、本基幹研究で取り組むべき課題、またアジア・アフリカ言語文化研究所が国内外のアフリカ研究において果たすべき役割などについて活発な議論が交わされました。

第1回公開セミナー:After Apartheid: Consensus, Contention and Gender in South Africaʼs Public Sphere(アパルトヘイト後~南アフリカの公共圏における同意・対立・ジェンダー~)
講演者:Shireen Hassim (Associate Professor, Univeristy of the Witswatersrand, South Africa)
日時:2010年6月7日(月)18:15~20:15
会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所セミナー室(301)

南アフリカではアパルトヘイト崩壊に伴う「革命」の時期が過ぎ、いまは「民主化」が国民的関心事となっています。この公開セミナーでは、南アフリカ・ヴィトヴァーテルスラント大学のジェンダー研究者、シレーン・ハッシム氏に、外国人・女性・性的マイノリティなどに対する暴力の問題を中心として、アパルトヘイト後の南アフリカの「民主化」の現状について講演していただきました。南アフリカの現状に関心を持つ方々に多数参加していただき、極端な差別の過去を背負ったこの国で、それがどのように乗り越えられているのか、あるいは先進的な内容ゆえに世界から賞賛を受けた新生南アフリカ憲法の理念がどのように実現されているのかといった問題をめぐって活発な議論が交わされました。

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