期間:2014-2016年度
「里耶秦簡」と「西北漢簡」とは,地方官庁で作成・使用された文書や帳簿を主たる内容とする共通性を示しつつ,秦・漢の変革を跨るという時代的特性を持つ簡牘史料である。本研究は,「新簡牘分類理論」という本研究特有の研究手法によりこの二つの史料群の正確な解読と比較研究を横断領域的に進め,伝世文献によって映し出されている「秦漢時代」の連続性を打破して,秦・漢王朝の継承と変革の実態を明らかにする。
具体的には,本研究は,毎月二回程度,年間二十四回程度史料の輪読会を開催し,輪読による新知見を「史料ノート」として随時HPに公表し,他の専門家と交流しつつこの史料ノートの集積を中心に里耶秦簡の訳注を作成・公表する予定である。また,新史料の講読を通じて,我々の方法論の有効性を実証しつつその理論化を図る。研究課題の三年目には,AA研の言語研修の場を借りて簡牘セミナーを開催し,若手研究者に研究課題の成果を伝授することに努める。
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