期間:2009-2011年度
大航海時代のキリスト教宣教に伴って16~17世紀に作成された布教対象語の研究書(辞書・文法書)及び宗教書(教義書・修徳書等)を,ラテン文法は,全く系統の異なるアジア・アフリカ・南米の諸言語との最初の言語学的邂逅の記録として,「宣教に伴う言語学」という言語学史の新領域の研究対象を形成している。 「宣教に伴う言語学」は,21世紀に入ってからの研究の進展がめざましい若い研究分野である。
大航海時代の「宣教に伴う言語学」に関連する資料・史料は,歴史的経緯から世界各地に散在しており,研究者も,南米,アフリカ,インド,フィリピン,中国,日本と分散している。又,「宣教に伴う言語学」研究には,当時のラテン・スペイン・ポルトガル語以外に,各布教対象語の十分な知識が必要であり,これらの条件から,必然的に,国際的な共同研究が要請される。
本プロジェクトの目的の一つは, 大航海時代の「宣教に伴う言語学」の国際的な共同研究のために必要なリソース, 関連する文献学・言語学の研究リソースを作成・維持し,国際的共同研究に資する点にある。
日本学術振興会(JSPS)「先端学術研究人材養成事業」(2009)の一つとして 本プロジェクトの「大航海時代の「宣教に伴う言語学」研究のための非一極集中型研究環境の構築」プログラムが採択され, これによって「宣教に伴う言語学第6回国際会議」(2010年3月16日~19日, http://joao-roiz.jp/MLG2010/)を開催した。 これらのプログラム・国際会議の成果に基づき,今後の本プロジェクトの活動は,更に国際的に開かれたものとなるであろう。
日本学術振興会(JSPS)「先端学術研究人材養成事業」(2009)
「大航海時代の「宣教に伴う言語学」研究のための非一極集中型研究環境の構築」
http://joao-roiz.jp/IRMLG/
著名研究者2人及び若手研究者5人を招聘して,リソース分散型の研究手法・研究環境構築を調査・研究し, 関連国際ワークショップを開催し,リソース構築を行った。
「宣教に伴う言語学第6回国際会議」(2010年3月16日~19日)
http://joao-roiz.jp/MLG2010/
21か国から43人の参加を得て,成功裡に終了した。 上記ワークショップの成果も披露され,国際的共同研究にリソース分散型研究手法を持ち込む提言を行い, 関係者の積極的な支持を得た。
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