こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
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バングラデシュの首都ダッカの喧噪の只中で,この聖者廟の境内は静謐なたたずまいを見せていた。ダッカの商業地区ミルプル一番街の一角に,聖者シャハ・アリ・バグダディの聖者廟はある。15世紀に溯る古い由緒を持ち,ダッカを代表する聖者廟は,遊行者や民俗芸能の聖地としても知られ,各地からの参詣者が絶えない。写真の少年は,小さな弟を連れて,長い時間をかけて祭壇に祈りをささげていた。イスラーム急進主義の影が取りざたされるバングラデシュでも,下町の昔ながらの生活風景には,今も雑踏から離れた人々の静かな祈りの時間が息づいていた。
2016年12月
バングラデシュ,ダッカ
外川昌彦 撮影
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