こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
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狼はトルコ人の民族的シンボルと位置付けられる動物の一つです。この画像を撮影した数週間前に,サッカーのUEFA欧州選手権でトルコ代表選手がゴールパフォーマンスとして人差し指と小指を立て,親指,中指,薬指をくっつける狼のポーズをとったことが人種主義的だとして批判され,当該選手には出場停止という重い処分が下されました。この出来事をきっかけに,一部のトルコ人たちの間ではナショナル・ヒストリーの表象としての狼に対する関心が高まりました。イスタンブルの繁華街から少し外れた路地で遭遇したこの壁画は描かれてからずいぶん時間が経過しているようです。路地を行きかう市民たちはこの狼をいまどのように眺めているのか,気になる所です。
2024年7月27日
イスタンブル市ベイオール区
小野亮介 撮影
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