こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
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シベの人々が暮らす中国北西部、チャプチャルの夏の午後。庭にしつらえたぶどうの棚がつくる影の下で、テーブルに庭で採れた果物や野菜、ありあわせの簡単な料理を並べ、スンチャイ(ミルクティー)を飲みながらのんびりおしゃべりをして過ごすのが定番だ。
時計を北京時間に合わせて暮らす彼らが中国語の「下午(午後)」という語を使って呼ぶこの時間帯、時計の針はすでに午後4時から6時あたりの、もう夕方に近い時間を指しているにもかかわらず、日の出・日の入りが北京に比べて2時間以上遅いこの地では太陽はまだ南の空にある。北京とチャプチャルのギャップによって作られたそんな不思議な時が、チャプチャルでは夕暮れまで、ゆったりと続く。
2012年8月23日
中国・チャプチャルシベ自治県
児倉徳和 撮影
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