平成19年度中東・イスラーム研究セミナーを受講した感想を申し述べる。大学院に進学してから二年余が経過し、研究の関心や交流の範囲が狭まっていた私にとって、本セミナーは従来の研究姿勢を相対化するための格好の機会となった。
専門領域についてなされた先生方の講義では、問題意識や研究方法の明確化、概念設定の在り方、研究者としてのあるべきスタンスなど、根本的かつきわめて重要な問題について再確認させられ、自らの態度に反省を強いられた。また、研究対象と現在との関わりを常に意識しながら研究を行うという点についても、近現代史を専攻しながら、ややもすれば文献研究に埋没する傾向が強い私にとっては自省すべき問題として認識することができた。
受講生の方々の発表では、多様な問題意識・研究対象地域を背景とした発表者（及び質問者）がそれぞれ抱えている問題を自らの課題として捉えることができ、極めて有意義なものとなった。地域研究の枠組みで研究する学生が多いこともあって、すべて近現代に関わる内容であったのが多少残念ではあったが、研究対象に対する異なるディシプリンからのアプローチに触れることができて非常に参考になった。私自身も発表者の一人であったが、自分の研究をいかなる論理でいかに説明し理解してもらうかについて、再考させられる結果となった一方で、先生方や受講生の皆さんの質問によって、自分なりに今後の研究活動の指針等を見出す契機を得られたことは幸いであった。
最後に、このような貴重な機会を提供していただき、細心の運営をしていただいた諸先生方及び事務局の方々に感謝いたします。ありがとうございました。
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