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教育セミナー >> 2007年度感想・報告 >> 生田 篤
2007(平成19)年度
生田 篤(九州大学大学院比較社会文化学府国際社会文化専攻修士課程)
 東京外国語大学で行われてきた本セミナーについては、学部生の時から話を伺っており、以前から関心を持っていた。加えて今年五月の日本中東学会へ行った際に、セミナーへのお誘いを頂いたこともあり参加を決意した。当日の朝に福岡を発ったのだが、途中電車が止まるアクシデントがあり、開始時刻よりも少し遅れて到着した。そのようなアクシデントを経たものの、9月18日から21日までの4日間、大変有意義な時間を過ごすことができた。
 セミナーに出たことで、私は以下の二点において大きな刺激を受けた。第一点は、参加者の中に、私と同じパレスチナを研究対象としている方が二人もいたことである。九州では同じ地域を研究している方と知り合うことができなかった私にとっては、それだけでも一つの収穫であった。熊本氏にいたっては四日目に発表を行っていた。彼らの姿勢を見て敬意を抱くと同時に、これからはより一層強い克己心をもって研究しなければならないという自省の念にも駆られた。
 第二点は、4日間の発表内容が対象地域・ディシプリン両方の面で多岐にわたっていたことである。成果の一つとしては最近の研究動向の一端を知ることができた。また私の勉強不足も原因だが、情報面で驚かされることが少なくなかった。特に受講生発表の時に自らの無知を思い知らされた。一方、先生方による6つのセミナーでは、地域やディシプリンを越えた問題関心というものに注目しつつ話を聞いた。
 例えば、最後の酒井先生の発表は、先生が研究者として直面した「ディスコミュニケーション」という名の限界についてであった。その限界は9・11からイラク戦争を経た今の時代を生きる我々にとって共通する問題であった。酒井先生は内容に関して、参加者を「ディスカレッジ」するだろうという趣旨の発言をされていた。しかし、私は先生の発表によって研究をすることの意義を前向きに捉え直すことができた。他の先生が言われたように、私もまた「エンカレッジ」されたのである。
 本プロジェクトは五年で一区切りになるため、来年と再来年は確実に行われる。そのうち最低でも一回は発表を行いたい。先程述べた受講生の研究発表を振り返っても、発表をした方が得るものは大きいと感じたからである。また今年度は発表時に数えるほどしか質問できなかったので、その点は大いに反省して次回において改善したい。
 末筆ながら、今回のセミナーを運営してくださった先生方・スタッフの皆様に厚くお礼申しあげます。
 

 

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