「中東・イスラーム教育セミナー」には、単に面白そうだという軽い気持ちから応募してみたものの、開催日が近づくにつれ不安になっていきました。というのも、私の専攻は安全保障であり対象はアメリカの戦略におけるトルコだったため、トルコは中東とはいうけれど、しかもイスラームとなると、他の受講者のテーマとはあまりにも違いすぎるのではないか、という疑問が頭の中を渦巻いていたのです。さらに事前にお送りいただいた発表者のレジュメを見ては、みんなイスラームに関して専門的でち密な研究をしているなと、落ち込んだものでした。
しかしそれらは全くの杞憂に終わりました。普段、研究対象として「国家」を扱っているため、思想、文学作品、個人レベルでの宗教とのかかわりといった人間の顔が見えるテーマは非常に興味深く新鮮でした。また専門外の分野であっても、理解しコメントする力量が必要だという受講生の感想に納得したものでした。
私は長年にわたるOL生活を辞め、大学院に進学しました。酒井先生のお話には、どんな仕事でも壁があるのは同じだと思うと同時に、今後ぶち当るであろう「研究者としての存在意義」という疑問に対し自分なりに回答を出し、自分のファインディングを正しいと信じ続ける覚悟を改めてした次第です。
受講生、講師陣がスムーズにコミュニケーションをとれるよう細かい点まで配慮していただき、時には時間をオーバーするほど熱い議論があり、久々に知的興奮を味わいました。最終日に大塚先生より手渡ししていただいた修了証書は、新しいスタートを切ったという証として、自分への励ましとして大事にしていきたいと思います。
今後は政治分野専攻の受講者が増えるようにPRを行っていただければいいなと思います。
先生方、スタッフ、受講生のみなさま、素晴らしい4日間をありがとうございました。
心より感謝いたします。 |