この度、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所にて開催された中東・イスラーム教育セミナーに参加し、とても有意義な時間を過ごすことができた。この教育セミナーに参加して良かった点は大きく3つある。
1点目は、そのタイトル「中東・イスラーム」が意味しているように、対象としている学問領域が学際的な点である。「中東」にだけ特化したものではなく、また「イスラーム」についてのみ特化したセミナーでもない、そのどちらをも包含し、かつそれらをどのような切り口で研究するものでも参加が可能なセミナーである。このことは、講義をされる先生方、また参加者の学問領域の幅の広さからも感じられる特色である。実際、私自身、先生方の講義をはじめ、参加者の多様な研究を通して、自分の研究領域に限った狭窄な視野を改めて考え直す機会となった。
2点目は、セミナーが形式にこだわった堅苦しいものではなく、参加者がお互い交流しやすいアットホームな雰囲気であった点である。アットホームな雰囲気を感じたもののひとつが、1日目のセミナー終了後に用意された、立食形式の懇親会であった。食事をしながらざっくばらんに先生方と話をしたり、研究の相談をしたり、また参加者同士が交流を深められる機会を持てたことは、セミナー開催期間である4日間を濃厚なものにするためにも重要な会であった。（非公式の懇親会も何度かあったが、それも先生方や参加者同士の新たな一面を知ることができ、貴重な時間であった。）
3点目は、特に先生方の講義から、研究をする上での基本的な姿勢を学べた点である。講義のテーマはそれぞれ異なっていても、「研究」というものがどういうものであるか、ある対象を研究する場合の方法論はどうかといったテクニカルな部分、また実際に先生方が「研究」に取り組むことになったきっかけや、これまでの「研究」における体験談などを含みながらの講義が展開され、とても参考になった。以上3点が、特にこのセミナーに参加して良かったと思う点である。続いて、セミナーへの評価という点で1点だけ気になった点があるので以下に述べる。
それは、会場の立地についてである。会場設備やセミナーの内容はとても充実していて良かったが、遠方から参加するものにとっては都心部から離れた会場であったため、少し不便であった。実際に宿泊先を選ぶのにも苦労した。会場がもう少し便利な場所であれば、遠方から受講するものにとっても、また仕事、家庭を持っているものにとっても都合がいいのではないかと思う。
最後に、このような有益なセミナーに参加させていただけたことを大変嬉しく思う。
先生方、ならびに運営をしてくださった方々に、厚くお礼を申し上げたい。
