中東・イスラーム研究セミナー（前期）に引き続き教育セミナーに参加させていただいたが、再び非常に有意義な時間を過ごすことができた。研究セミナーとの比較で言えば、教育セミナーでは院生の発表だけでなく、スタッフの方々の研究上の課題、手法、時には心得を聞く機会があり、その中では非常に核心的な問題提起をしていただいて、自分の研究の意義を再度振り返ることができる機会となった。スタッフの方々がどのように研究者としての道を歩んでこられたかや、現在どのような課題に直面しているかについての一側面を垣間見ることができるのは、このセミナーの魅力であると考える。
院生の研究発表について言えば、中東・イスラームに関わる諸課題に様々な角度からアプローチしている院生の発表を聞くことは、自分の研究を相対化する良い機会となった。また、同様の問題関心を持つ院生に出会ったことは、自分にとっての励みともなり、力づけられるものでもあった。異なるフィールドの異なる現象の中に、どのような社会経済構造の矛盾があるのかを考え、自分の研究領域との比較可能な点を見出せたときには、ひそかな喜びを感じた。
今後のセミナー開催に当たっての要望としては、イスラエルを研究対象としている私には、「中東・イスラーム教育セミナー」という名称から、応募をためらったという経緯があり、これについては募集要項に「中東およびイスラームに関わる諸問題に関心を持つ院生」が対象となっていることを明記するなど、工夫をお願いしたい。また、参加スタッフの研究内容についての紹介があれば、応募を考える院生に中東およびイスラームに関わる研究領域の広がりを示すことができると考える。
最後に、スタッフの方々が、セミナーの時間だけでなく休憩時間やセミナー後にも交流の時間を作ってくださったことは非常に有難いものだった。そして、事務の大屋さんと村上さんからいただいた細やかな心遣いに、改めて感謝したい。
