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研究セミナー >> 2007年度感想・報告 >> 鈴木均
2007(平成19)年度 前期
鈴木均(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
 今回このセミナーに参加させていただいて、もちろん得るところは大きかった。特に私などのように既に大学に所属しておらず、かつ中東地域に関する書籍を期限内に書き下ろそうと企図している人間にとってはこのような機会は実に貴重なものであり、適確なコメントを下さった諸先生方、お世話くださった事務局の大屋さん・村上さんに心より感謝申し上げたい。

  さてこのセミナー・プロジェクトに参加してみての改善提案であるが、この種の教育セミナーは往々にして、制度を次第に改善して精緻なシステムにすればする程適度な曖昧さによって発揮されていた本来の柔軟性と自由度が失われ、かつ参加者(特に指導する側の先生方)の負担がいたずらに増大してやがて発足時点でのメリットが損なわれて企画の維持継続自体が困難になるということになり勝ちである。

  そこでこの有意義な企画を何らかのかたちで出来るだけ永続的なものにしていただくべく、制度上のある程度のルーズさはむしろメリットとしたうえでただ1点だけ、今回錦田さんが軽妙かつユーモラスに講義してくださった「博士論文執筆の技術」の部分について簡単なご提案を申し上げたい。特に若い研究者にとって、論文執筆の手ほどきになるような書籍は案外に少なく、その一方で若手研究者が最初から比較的に長大な博士論文を執筆することに対するプレッシャーはますます増大しているように思われる。

  その意味で論文執筆の技術的な側面については、これを単に聞き流すだけの講義から一歩進めてこのプロジェクトで次第にマニュアル化していくという方向が考えられる。中東イスラーム研究の第一線の研究者の協力による博士論文執筆の実践的なマニュアルの作成、これは案外ロングセラーになりそうな企画ではないだろうか。

 

 

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