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研究セミナー >> 2006年度感想・報告 >> 今堀恵美
2006(平成18)年度 前期
今堀恵美(東京都立大学大学院社会科学研究科)
 本セミナーは博士課程に所属し、博論執筆予定者のために開かれる研究セミナーである。さらに博論をすでに執筆した方も参加され、より高度な議論の場が設けられた。博論準備中の私にとって、セミナーに参加して役立ったことは数多い。中でも以下の点が特筆に値する。

1,地域・専門の異なる幅広い研究者・学生との意見の交換
  私の研究課題は社会人類学の視点からウズベキスタンの刺繍制作者を考察していくことであり、本セミナーでも同地の刺繍制作者と持参財の関係について発表した。大学におけるゼミ発表との違いは様々な分野の諸先生や学生から意見が聞かれることである。特に、私の発表にはコメンテーターの先生がついてくださり、専門的見解を伺うことができたのは大変有意義な経験であった。また、セミナーご参加の先生方からの意見は私にとって目から鱗が落ちる視点を提供してくれた。論理構成や議論の立て方など多くの点でご教示頂いた。さらに、地域に限定されない人類学者にとって自分の専門対象地域以外の話を聞く機会は重要である。本セミナーは中東地域のみではなく、イスラーム地域に関係する発表やそのご専門の先生もいらっしゃり、幅広い見解を伺うことが出来た。さらに分野も人類学のみならず、国際政治、歴史学等幅広い視点の研究発表が行われ、学際的雰囲気の中で議論が交わされた。

2,博士論文執筆に向けた準備
  本セミナーは通常の研究会発表と異なり、参加者の博士論文執筆が前提となっている。そのため、発表内容が博士論文全体の中でどの位置を占めるかを明確にする作業で、博論構成を作成することができた。仕上がった構成に対して既に博論執筆を終えた諸先生方から貴重なご意見を頂けた。また博論執筆予定者にとって最も役立つ企画は、すでに博論を執筆し終えた若手研究者による「博士論文執筆」に関する発表であった。早さと質どちらを取るべき、執筆のペース、助成金獲得方法、博論に向けた心構え、博論執筆後に生じる問題等、博論提出者からのアドヴァイスはこれから博論を執筆する者にとって大きな指標の一つとなった。

  また、セミナー当時レバノン情勢が緊迫する中で、レバノン大学ダーヘル教授にお話を伺える機会を得たのは、レバノン側の見解を伺う意味で大変貴重な機会であった。

  最後に、本セミナーは4日間連続で研究発表を行う。研究発表が終わると連日飲み会が行われる。本セミナー担当の諸先生方はいずれも様々な仕事を掛け持ちする中で、時間を割いてセミナー参加者との飲み会につき合ってくださった。セミナーでの研究発表や討論もさることながら、多くの有益なご意見はこの飲み会で伺うことができた。

  お忙しい中で本セミナーを主催し、博士論文執筆に向けて叱咤激励を下さった諸先生方、また本セミナーを準備してくださった事務の方々にも心からの感謝を述べたい。
 

 

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