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研究セミナー >> 2005年度感想・報告 >> 岡本和也
2005(平成17)年度 後期
岡本和也(北海道大学大学院文学研究科)
 本セミナーは大変学際的なものであり、様々な刺激を受けることができた。受講生の発表は、人類学、政治学、文学、歴史学など、多種多様なディシプリンに基づくものであった。多くの院生にとって、ここまで学際的な場を経験する機会はほとんどないのではないだろうか。

  他の受講生の発表とその後の討論の時間を通じて、単純な知識補充にとどまらず、多彩な視点や切り口を知ることができた。また、様々な発表に関する討論に参加する機会を、このような短期間に持てたことで、場に慣れるだけでなく、討論者としてのスキルのようなものも少しは身につけることができたのではないかと思う。

  しかし、それぞれが専門分野において深化させた発表であるため、その内容によっては討論に全く参加できないこともあった。もちろん自らの準備不足と知識不足によるものではあるが、例えば、事務局側が事前に発表者の要旨やレジュメを配布することによって、多少なりとも改善できることではないかと思う。通常の学会発表とは異なり、討論に一時間が割かれ、専門が異なる参加者一人一人が数少ない討論者としての役割を担うことになるため、事前にある程度の知識補充の機会を与えることによって、討論はより充実したものになるのではないかと感じた。

  そして、このように様々な分野を専攻する人々に自分の研究の意義や内容を発表する機会も得られ、その難しさを自覚できたことも最も大きな収穫であった。もちろん、多くの方々から貴重なコメントをいただいたことは言うまでもない。

  しかし、私の発表後の討論においては、議論の内容も大きな研究テーマに関することが大半を占め、受講生からの発言も少なく、自分の持ち時間を最大限に活用できたとは思えない。自らの準備不足であったことは間違いないが、前期セミナー参加者の感想をもう少しはやめにホームページに掲載することなどによって、このセミナーにおける発表と討論がどのようなものであるかについての情報が欲しかった。それによって、ある程度このセミナーの特徴に合わせた発表準備を行うことができ、持ち時間をより有意義なものにできるのではないかと思う。

  また、セミナー開催期間中には昼食や飲み会など研究発表とは異なる雰囲気を持つ場が多くあり、他大学の院生やAA研スタッフの方々と親睦を深める機会を得ることができた。通常の学会とは異なり、共有する時間も長いため、こういった人脈ができやすいこともこのセミナーの利点であろう。

  以上、自分なりに改善点も述べさせていただいたが、このセミナーが博士論文執筆を意図するものにとって有意義なものであることは間違いない。セミナーに興味はあったものの、自分にはレヴェルが高すぎると参加をためらい、知人の強い勧めによってなんとか応募することができたという経緯を持つ私だが、今ではその知人にどれだけ感謝の意を表せばいいのか分からない。初日こそ、最年少ということもあって、多少びびり気味ではあったが、そのような意識は全く必要なかったと感じている。もし機会があれば、このセミナーに再び参加したいとも思っているくらいである。

  最後にはなったが、このような場に参加する機会を与えていただいた関係者の皆様に感謝したい。
 

 

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