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研究セミナー >> 2005年度感想・報告 >> 仲橋源太
2005(平成17)年度 前期
仲橋源太(広島市立大学大学院国際学研究科)
 セミナーに参加した3つの大きなメリットと、さらに良くなるための気付きを述べる。

 メリットの1つ目は様々なバックグランドを持ち、研究地域やディサプリン、研究の進展状況も違った参加者と出会えた事だ。彼らは大きく2つのカテゴリーに分類出来た。それは研究地域では中東またはマレーシアを対象とする人達で、進み具合ではフィールドワークを終え、博士論文の構成が決まっている人達と、まだ研究の計画段階でこれからフィールドワークを行おうとする人達であった。その違いによってお互いに刺激しあい、規定の枠組みを超えた知的交流が出来ていた。質疑応答はどの発表でも活発に行われ、各自の持ち時間2時間を長く感じることは無く、私はマレーシア研究の人達とは専門分野について意見を深めあい、また中東の人達からは多くの事を学び、視野を広げることが出来た。

 2つ目のメリットは私も発表をさせてもらい、研究の中身から方法論まで多くの有益なアドバイスを頂いた事だ。私はマレーシアをフィールドとしたイスラーム研究をしているが、中東以外でのイスラーム研究がまだ遅れている現在、発表を評価してもらえる場を探していたので、このセミナーとの出会いは本当に救いとなった。

 3つ目はイスラーム研究の仲間に入れて頂いた事だ。周りにイスラーム研究をしている人がいないため孤独だったが、全国から集まった仲間と同じような悩みを共有でき、また著名な先生方も研究を行っていく中で悩まれた事を伺い安心した。地方には、研究会などの機会が少なく、同じ志を持った仲間との5日間は、私にとって貴重な体験となった。

 プログラムの最後では多くの時間を割き、本音で今回のセミナーの評価を行ったが、概ね良かった点が述べられた一方、改善すべき点もいくつかあげられた。私自身、この様な素晴らしいセミナーは公開すべき事や、参加者7人中3人がマレーシアの研究であった事を考えても、イスラーム研究は中東に収まるものではなく、セミナーの名称を変えるべき事などを提案した。先生方からは、オブザーバーとして他の参加者を募る可能性もある事や、名称は今までの中東という枠組みを超え、地域を問わないイスラーム研究にしていこう、という意味が込められている、といった趣旨の回答を頂いた。このプロジェクトは今後5年間続く予定だそうだ。こうした取り組みは、今後より良いセミナーにしていくためにも大切な事ではないだろうか。

 今回セミナーに参加して、多くの仲間との出会いがあり、私も発表させて頂き、研究のネットワークができた事など多くのメリットがあった。そしてイスラーム研究というスケールの大きさからか、回を重ねればもっと発展していく可能性を感じた。さらに多くの人にも、この体験をして欲しいと願うと同時に、記念すべき第一回目に参加出来た事に感謝する。

 最後になりましたが、大変お世話になった先生を始め、事務の方や参加者の皆さん、どうもありがとうございました。
 

 

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