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![]() ![]() 研究代表者:中山俊秀 本研究は、北アジアの古アジア諸語に関する一次資料の収集、記述研究の充実化、さらに環北太平洋圏の歴史的・類型的比較研究の基礎となる対照研究をまとめることを目的とする。調査の対象となる北東シベリアのアリュートル語とアリュート語はどちらも近年衰退が著しく、危機的状況にあるので、言語一次資料の収集と集積が緊急の課題である。本研究では、アリュートル語とアリュート語については既存資料の整理・検討と現地調査に基づく資料の収集を同時に進め、当該地域では世界で始めて、ア)従来集積されなかった音声・語彙・文例・テキストに関する総合的デジタルコーパスを構築し、イ)音韻・語彙・文法を総合した記述研究の基礎を作ることをめざす。またさらに、これらの基礎資料を基に、環北太平洋言語文化連続帯という歴史的・類型的コンテクストの中での古アジア諸語の言語構造の特異性、言語遺産の特殊性を明確化させるための比較対照研究もすすめる。 本年度は、前年度代表者であった大島稔に代わり、昨年度研究協力者として加わった中山俊秀が研究代表者として本研究活動の統括にあたる。本研究最終年度である平成14年度は、研究成果の取りまとめに力を入れる一方、引き続き現地調査も行い、言語資料の量・質両面でのよりいっそうの充実をはかる。また、本研究での比較対照研究のコンポーネントを効果的に推進するために古アジア諸語対象に行われてきた研究に呼応した現地調査を北太平洋を挟んで対峙する北米北西海岸地域でおこなう。研究代表者は前年度の活動及び今年度の研究協力者の活動のなかで蓄積される資料のデジタル化、加工し、総合的コーパスの構築を完成させる。また、北米北西海岸地域対象の現地調査(ヌートカ語)をカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島西岸でおこなう。前年度代表者であった大島稔は、本年度はロシア連邦カムチャツカ州に文部科学省在外研究員として出張中のため、研究協力者として、アリュート語の資料の収集と整理、およびコーパス構築の支援をする。アリュートル語の調査・研究に関しては、研究協力者の永山ゆかり(北海道大学大学院)は、ロシア連邦カムチャツカ州においての現地調査を継続すると同時に、基礎語彙集の完成に向けた作業に入り、文法概略の作成を進める。また、北米北西海岸側の調査・研究の支援者として、中山久美子(カリフォルニア大学大学院)も研究協力者に加わる。中山久美子は研究代表者に同行し、ニティナト語の調査を通して、本研究での比較対照研究を支援する。 |