大字 だいじ （史金波教授は“大字”と呼んでいらっしゃいました。この呼び方については、契丹における、日本語の訓読みにあたる読み方をして１文字で１つの意味を表したのであろうと言われている“大字”、および日本語の音読みにあたる読み方をして１文字で単語の１音節を担ったのであろうと言われている“小字”の概念とは全く別のものです。単純に文字のサイズを示します。実際、『文海』では明らかに説明の文字のサイズより大きいのですが、『宝韻』ではわずかですが、この“大字”と注釈をするのに用いる文字“小字”がほとんど変わらないサイズの箇所もありました）
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『文海』だけにあって『宝韻』にはない西夏文字（つまり『文海』で補充できた西夏文字）の項目は、№にadditionの略のAの文字を加え、該当する西夏文字の前に†の符号を補っています |
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『宝韻』だけにあって『文海』にはない西夏文字（つまり『文海』で確認がとれないので、ちょっと怪しいと思われる西夏文字）の項目は、№には何も加えていませんが、該当する西夏文字の前に！の符号を補っています |
小字 しょうじ （注釈部分は『文海』ではきっちり“大字”の４分の１ほどのサイズになっていますが、『宝韻』では４分の１ほどから４分の３ほどまでと、サイズはばらばらです。） 以下さらなる違いは
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『文海』の方では字形の反切がきっちり西夏文字４文字でなされ、発音の反切もほぼ“○○切○”という形で表記され、しかも西夏文字の項目・字形の反切・注釈・発音の反切という順が守られているのに対し、『宝韻』の方は西夏文字の項目のあとは、字形の反切が来る場合もあれば発音の反切が来る場合もあり、時にはその区別がはっきりしない場合（どちらとも受け取れる場合）もあります。反切を説明している西夏文字の数は一応偶数にはなっています |
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『文海』の方では“小字”がきっちり２行に書かれているのに対し、『文海』の方ではほぼ反切が２行、注釈が１行とみなして差し支えないのですが、わずかですが反切が１行の箇所もあります |
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この“小字”は、『文海』では全“大字”につけられているいるのに対し、『宝韻』ではない箇所もあり、むしろない方が多いくらいです |
| 同じ発音のグループを代表する“代表字”が『文海』と『宝韻』では異なっている場合もありますし、『宝韻』では代表字が欠落している場合(あるいは代表字の前に書かれるマークの書き忘れととらえるべきか？）もあります |
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『文海』は楷書体ですが、『宝韻』は“大字”が行書体、“小字”は行書～草書で書かれています |